富山の上市町では、夏の盆の8月13日に上市祭りの花火打上げに合わせて、市姫神社付近の上市川土手に集い、ご先祖様をお迎えする灯火を焚くということで、昨年亡くなったお祖母ちゃんの初盆で家族総出で参加してきました。
日も暮れて19時を過ぎた頃、いつもは静かな街も人で溢れ、祭り屋台が軒を連ね、賑やかな雰囲気を迎えています。
上市川河川敷にて「精霊やぐらやき(おしょうらいこ)」が行われており、”におとんぼ”と呼ばれる竹や枝で組んだ高さ約10メートル以上にもなる櫓が十数基も組まれ、勢い良く火を燃やし次々に夜空を焦がしていきます。川岸では”しょうらい”と口々に祖先の霊を呼びながら”精霊(しょうらい)”といわれる藁の棒に火を点け回す中、眼目山立山寺管長の読経が朗々と響き渡り、辺りは荘厳な雰囲気に包まれており、お盆の迎え火とする幻想的な風景がみられます。
「おしょうらいこ」は元々「招来魂(しょうらいこん)」と表した習俗かと思います。お盆の夕方に火を焚いて目印とし、家に戻る先祖の霊が迷わないように迎えるのです。
「しょうらい しょうらい 盆しょうらい、じいちゃんも来い ばあちゃんも来い」
と唱えて、火をつけた”精霊(しょうらい)”の藁棒(葦を束ねて、先端部分に新聞紙やかんなくずを詰めたもの、時期になると食品スーパーなどで販売)を回すことで、その灯りを頼りに、ご先祖様が訪れてくれるのでしょう。
花火は”しょうらいこ”が落ち着いた20時から始まります。打ち上げ数は2300発で、大輪のスターマインを始め、色鮮やかな花火が次々と夜空を彩ると、集まった人々から拍手と歓声が起き、賑やかな夏祭りをなりました♪