菊川フレンチ「西欧料理 サヴァカ」小さな里山集落「沢水加(sabaka)」に佇む隠れ家的なジビエ料理店

菊川山間の谷沿いに流れる沢水加川に沿ってある小さな里山集落「沢水加(sabaka)」に佇む隠れ家的なフランス料理店「西欧料理サヴァカ(Cavak.)」にてスペシャルディナー!

この日は、浜松の「Pâtisserie Abondance(パティスリー・アボンドンス)」のオーナーパティシエのベルナール・エベルレ(Bernard Heberle)と豊佳さん夫妻にお誘いいただき、ベルナールの愛車シトロエン・トラクシオン・アバン(Citroën Traction Avant)の送迎付きで、時代を感じさせるクラシックカーの乗り心地と走りは想像していた以上に素晴らしく、まるで貴族のような気分を味わえました!

冬のこの時期ならではの滋味深い味わいのジビエ料理(Le Gibier)を求めて久方振りの訪問となり、前回は緑豊かな里山の景色も楽しめるランチタイムでしたが、この日は夜。街灯もほぼない暗闇の山道を突き進むと、山間にポツンと佇むぬくもり溢れる木の建造物が姿を現わし、店先に煌々と光るサインに安堵。

扉を開ければ、鮮やかな青壁に掛けられた立派な鹿の角がお出迎え。今年発表された「ゴ・エ・ミヨ2021(Gault&Millau)」では、評価3トック(15/20点)を獲得されています!

人里離れた静かな集落の夜とは思えぬほどに賑わいを見せる店内!

シャンパーニュ
「アスランジェ・ブリュット(M.HASLINGER BRUT)
/G.H.マーテル(G.H.MARTEL)」

ベルナールの誕生日祝いを飾るに相応しいシャンパーニュとして、世界遺産にも登録される歴史的シャンパーニュメゾンの正統派シャンパーニュ「アスランジェ・ブリュット(M.HASLINGER BRUT)/G.H.マーテル(G.H.MARTEL)」を開栓し、サーヴしていただきます!(※ワイン持込料:3,000円/1本)

ベルナールのお誕生日を祝して乾杯!
(Tous mes vœux pour votre anniversaire,Bernard!!)

「アミューズ1:芝海老とアオリイカ、オータムポエムと桜海老、
ニンニクのチュイル」

桜海老とニンニクの香ばしい香りが広がる見目麗しいアミューズからスタート!ソースは、グレ(メジナ)の卵をカラスミ風にしたものをソース・アーリオに。それにエスカルゴバターをノワゼットに焦がしたものを加えられています。パリパリとニンニクのチュイルを崩しながら混ぜ合わせて頂くのが美味しいです!

「アミューズ2:白人参と黄色人参のムース、とうもろこしのクーリ」

菊川で契約栽培されている白人参や黄色人参を使用した二皿目のアミューズ。見た目お豆腐のような可愛らしいキューブは人参のムースとなり、白人参のムースの中に黄色人参のムースが入っており、掛川産の晩生のとうもろこし「ミルキークイーン」で作ったとろみのあるクーリを添えていただきます!ディルを忍ばせたチュイルは薄ガラスのように繊細で、まるで雪の結晶に閉じ込められた枯木のように美しく、その姿は一枚の絵画のようにも伺え、一足早いクリスマス気分を味わえます!

「自家製ポンデケージョ、掛川のポワポワのパン」

もっちもちの小さな丸パンは自家製のポンデケージョでチーズの香ばしさがワインの当てに最適!
その他のパンは掛川で国産小麦や種子島の粗糖、ゲランドの塩、オーガニックのドライフルーツなど良質な素材にこだわり焼き上げてるパン屋「ポワポワ(POWA POWA)」のもので、この日は4種類ほど楽しめました!しっとりもっちりふんわりとしたパンはそのままでも小麦の香りが豊かに楽しめ、噛み締める毎に自然な甘みが楽しめます!クーリに浸していただいても美味しくいただけます!

「アミューズ3:磐田産仔羊のヴァリエ」

お次のアミューズは、3種のヴァリエ。羊はコリデール種べースの交雑となり、オカラと牧草のみの飼料を与えているため、全く臭みが無い素晴らしい品質のものとなり、完全放牧で8ヶ月のラムを使用しています。この仔羊を用いて、3種それぞれに楽しめるバリエーションで提供!

ヴァリエ①
「磐田産仔羊のテリーヌ、リエット、ハートのスモーク、ソシソン」

磐田産仔羊のテリーヌやリエット、ハート(心臓)のスモーク、アカヤマドリタケを入れたソシソン(リヨン名物ソーセージ)が勢揃い!どれも臭みは全くなく、味わいも優しく、羊肉の味わいを活かした仕上がりで絶品!

ヴァリエ②「ボロネーゼ、ナバラン、聖護院蕪」

丸くくり抜いた聖護院蕪はほっくりと煮込まれており、ボロネーゼと組み合わせたフランスの羊肉の煮込み料理ナバラン!上品な赤ワインが恋しくなるお味!

ヴァリエ③「スネ肉のポトフ、冬野菜」

スネ肉から滲み出る出汁と野菜の甘みが胃に沁み渡る一品で、少しずつ色々な味わいが楽しめるのが嬉しいヴァリエ!

オードブル1「天然鮎、手長海老とだだちゃ豆、黒人参とトマトの温かいジュレ」

大井川産の天然鮎には、御前崎市の東部に位置する二級河川「中西川」で捕まえてきた手長海老と菊川産のだだちゃ豆と一緒にいただきます。黒人参のジュレとフルーツトマトを閉じ込めたプルプルのジュレを添えて!存在感のある天然鮎の味わい深さに悶絶!

オードブル2「ニホンキジとコガモのロティ、サラダ仕立て」

右手、ニホンキジは、ネックショット(首撃ち)で仕留めた上質なものを3℃で2週間以上熟成させてからロティしているため、熟成香と濃縮された旨味が味わえます。ソースは真っ直ぐな長いくちばしを持つタシギや、全体が灰色に見える色彩のヒヨドリなどを丸ごと潰して作ったビスクソースにクリームを加えて仕上げたものを添えられており、山の恵みが滲み出る一皿!

オードブル2「ニホンキジとコガモのロティ、サラダ仕立て」

左手、赤身のコガモは、2日前のフレッシュなものをロティし、色とりどりの根菜や葉野菜などを添えてサラダ仕立てにさっぱりといただきます!

「ルー・デュモン レア・セレクション ブルゴーニュ・ルージュ 2000年
/仲田晃司 天地人
(LOU DUMONT LEA SELECTION BOURGOGNE ROUGE)」

ワインの買い付けのために毎日のように生産者を訪ね歩いている仲田晃司さんが、地道な活動の中で見つけた蔵出しの古酒で、厳選して紹介している「レア・セレクション」を開栓!熟成を経て醸し出す芳醇な赤い果実の香り、柔らかな酸味、タンニンは少なく、ふくよかな味わいはとてもエレガント!

[仲田晃司/ルー・デュモン]
大学生時代にアルバイト先のフレンチレストランでワインと出会い「いつか自分の手でワインを造ってみたい」という夢を抱き、1995年に頼るつてもなく単身渡仏。フランス語を勉強しながら各地の醸造家の門を叩いて修行を重ね、2000年7月7日にブルゴーニュの地に「ルー・デュモン」を設立。2003年5月に在りし日のアンリ・ジャイエ翁より「自分自身のアイデンティティをワインに表現せよ」と薫陶を受け、「日本人であるということ」、「自然と人間に対する真摯な尊敬の念」の象徴として「天・地・人」のブランドを確立。

魚料理「黒ムツのポワレ、国産トリュフ入り天然きのこのコンソメスープ」

皮面香ばしく仕上げた黒ムツのポワレは火入れも抜群の状態で仕上がっており、中はふんわりと柔らかく上品な旨味が味わえ、天然クロフマイタケ(大黒舞茸)や天然エノキタケに天然ヒラタケ、クリタケ、岡山産のトリュフとたっぷりのキノコたちを用いたコンソメスープに浮かべていただきます!コンソメのべースは鹿とスッポンから作られており、何層にも重なる旨味の強いスープで、菊川産の冬野菜の根菜パースニップのスープをアクセントに加えて!

肉料理「菊川産カルガモのロースト ソースサルミ」

鴨のソースはサルミ(サルミとは、特に野鳥料理に使われるソースで、香ばしく焼いた野鳥のガラと香味野菜にワインとフォンを加えて煮出し、骨の中のエキスを押し潰すようにしながら漉したソースのこと)。付け合わせには、坊っちゃんカボチャのドフィーヌ(ジャガイモのピュレとシュー生地を合わせて油で揚げたもの:今回は坊っちゃんカボチャを使用)と根菜ルタバガのクロメスキ(一口サイズのコロッケ)と黒大根、お芋のチップスとペーストを添えて。

肉料理「熟成鹿肉のロースト 赤ワインのソース」

舌に吸い付くようなしっとりと滑らかな舌触りで見事な火入れとなる鹿肉。付け合わせは上に同じ。ジビエ料理の中でも忘れ難い一皿に!

山口シェフより「ベルちゃん、おめでとう!」とサプライズで提供されたバースデーケーキに、ベルナールも頬を赤らめて子供のように喜びを隠せません!器の淵一杯にデコレーションされたクリームとチョコクリームでお祝いのメッセージ!ここ数日は毎日がバースデーパーティだったようで、本当に皆に愛されているベルナールです!

バースデーケーキ「苺のショートケーキ」

「デセールは別でございますがお食べになりますか?」と勧められ、「もちろん!」と即答のベルナール。私たちもお祝いの恩恵にあやかり、お裾分けしていただきました!

デセール
「りんごとキャラメルのミルフィーユ、ピスタチオのアイスクリーム添え」

長野県産「やまさ農園」の青リンゴ2種を使用し、濃厚なキャラメルと組み合わせ、サクサクのパイ生地で重ねたミルフィーユ。梨のように見える林檎ベルドボスクープのソテーに、フレッシュなベルナムオレンジを添え、アクセントにへーゼルナッツの瞬間プラリネを加えて。ピスタチオの濃厚なアイスクリームとの相性も抜群です!

ミニャルディーズ(食後の焼き菓子)
「フランボワーズのコキーユ、黒胡麻のマカロン、
渋皮マロンのタルトレット、オレンジのチュイルダンテル」

「コーヒー」

昨年足を運んだ際にはなかった「ヤマドリの剥製」の姿が目に留まり、見させていただきました!その奥にはキジの羽根を用いたリースも飾られ、素敵なブース!ヤマドリの顔面にはキジ同様の赤い皮膚の裸出部があり、黒と赤茶の毛色で鱗状の斑が目立ちます。さらに特徴的なのは、幅広の縞模様で長く美しい尾羽。その縞模様の数があればあるほど貴重なのだとか!数えてみると13段ほどあり、とても立派な尾羽に見惚れてしまいます!

山口シェフとの歓談を楽しんでいると、私たちが最後のゲストとなってしまいました!遅くまでお付き合いくださり有難う御座います!

冬の御馳走、野趣溢れるジビエ料理(Le Gibier)を頬張りながら、美味しいワインと共にベルナールのバースデーを祝して過ごす楽しいひととき!
滋味溢れるジビエの肉本来の旨味を味わいたい方は、是非、菊川の里山にある「西欧料理サヴァカ(Cavak.)」に足を運ばれてみてください!

西欧料理サヴァカ(Cavak.)
住所:静岡県菊川市沢水加791-11
TEL:0537-37-1820
営業時間:ランチ11:30~14:30(LO.13:30)
ディナー18:00~21:30(LO.20:30)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
駐車場:有
https://cavak.jp/

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