掛川・パン「ブーランジェリーポワポワ」良質な素材にこだわり国産小麦でつくる滋味深い食事パン

掛川の長閑な初馬の見道270号”方の橋薗ケ谷線”で、良質な素材にこだわり、国産小麦でつくるパン屋「Boulangerie POWA POWA(ブーランジェリーポワポワ)」へ。

こちらは元々、現オーナーでブーランジェの市原顕治(Kenji Ichihara)くんの母であるパン職人が始めたパン屋で、今から14年前の2009年、東京でパン職人としての修行をされた後、掛川に帰省した際に、母のパン屋を引き継いだお店となります。当時、食パンや菓子パン、惣菜パンなどの製造販売を中心とした地元密着型の田舎町のパン屋さんであった「ポワポワ」は、市原くんの代に変わったことを機に、少しずつフランスのパンを代表するバゲットを中心に、シンプルで素朴ながらも味わい深い食事パンとなるカンパーニュなどのハード系を取り入れ、徐々に自分が作りたいと思う理想のパン屋に成長させてきています。

Boulangerie POWA POWA(ブーランジェリーポワポワ)」に併設して、2019年にスペシャルティコーヒー豆を専門とする自家焙煎珈琲店「GAMA COFFEE自家焙煎珈琲店」をオープン。

元々、京都出身の奥様みさとさんが、京都で珈琲焙煎士として修行されていたこともあり、店舗右手にあるスペースを喫茶としてリニューアルさせ、美味しいスペシャルティコーヒーを提供しています。コーヒーは、中煎りの香ばしく軽い口当たり(苦味控えめ)の「ソフトブレンド」、「ブラジル キャラメラード」、「ルワンダ」、「ニカラグア」を用意。中深煎りは、まろやかなコクとバランスのよい味わいの「GAMAブレンド」、「タンザニア」、「グァテマラ」、「コロンビア」、「ニューギニア」、「マンデリン」を。深煎りは、深みのあるコクと香り、重厚感ある味わいの「Italianブレンド」、「ペルー」、「エチオピア」、「ケニア」、「インディア」など、15種類の豆から好きな珈琲を選べます。

柔らかな温かい陽射しが差し込む心地良い空間で、日々の疲れを癒やし、気持ちを爽やかに、話に華を咲かせられるようにと願われ、美味しい一杯の珈琲を提供。そして、メニューには「素朴なパンset」があり、パンに珈琲は付き物。隣合わせでパンを焼く御主人、珈琲豆を焙る奥様と、御夫婦でそれぞれが学んできた技を活かし、それを互いにシェアしながら高め合える関係性が素敵なお店。

喫茶の奥には珈琲焙煎機「FUJI ROYAL」のロースターを設え、自らの手で、丁寧に豆をハンドピックし、こまめに自家焙煎した珈琲豆を販売されています。

厳選したスペシャルティコーヒー豆を重厚感のある深煎りに焙煎し、すっきりと後味クリアなアイスコーヒーに仕上げた「アイスコーヒーボトル」や、焙煎した「珈琲豆」や「ハンドドリップコーヒーパック」、焼き菓子や「フランス・カマルグ産フルールドセル(塩)」など、ちょっとしたギフトとしても喜ばれる商品も販売されており、要望に合わせた詰め合わせも可能です。

焙煎豆の販売

土曜日の朝、浜松から掛川までのんびりとドライブしながら車で小1時間ほどの距離。決して近距離ではないため、店頭で購入できるのはたまのこと。朝から行列ができるほどの人気店となりますので、開店後は早めの来訪をお勧めします。また、こちらのパンは定期的に浜松でも販売されており、広沢のオシャレな欧風惣菜店「Küche(キュッフェ)」で第一木曜日の12時半過ぎ頃から、東区・篠ケ瀬町のこだわりの豆腐店「三才豆腐」では第一金曜・第3金曜日の入荷でお求めになれるチャンスがあります。

入店すると、焼きたてパンの香ばしい小麦の香りが漂う店内。お気に入りは決まっているものの、豊富に並ぶ焼きたてパンの表情豊かな顔を眺めては、どれにしようか迷う時間もまた楽しいものです。

日々食べて欲しいパンだからこそ、素材は良質な物であるべきと考えられる現オーナー・ブーランジェの市原顕治(Kenji Ichihara)くんは、国産小麦、オーストラリア産の有機ライ麦、種子島の粗糖、ゲランドの塩、伊豆大島の天然塩、 オーガニックの胡桃やドライフルーツ、平飼いの卵など、なるべく良質な素材にこだわり、酵母は自家製酵母(ルヴァン種)や有機イーストを主に使用し、日々、土地を想い、人を想い、持続可能な物づくりができるよう考えて、毎日パンを焼き続けています。「小さい頃は、僕、そんなにパンが好きな方ではなかったんですよ」と、たまたまお話が伺えるタイミングがあり、飾らずにこれまでの経緯を話してくれた市原くん。そんな彼が、初めて本当に美味しいバゲットと出会った時、”素朴ながらに日常に寄り添う味わい深いパンを作り広めたい”という想いを胸に、パン作りに励まれ続け、最近ようやく自分らしいパンを提供できるようになってきたと嬉しそうに語ってくれました。

こちらは、コロナ禍を機に対面販売に切り替えられているため、お好きなパンをスタッフさんにお伝えする形になります。

冷蔵ショーケースには、サンドイッチやキッシュの他に、上段にチーズ、中段にはハムやソーセージ、ジュースなど、パンのお供に最適な商品も一緒に販売。

愛知県・岡崎市の「稲垣腸詰店」のハムやソーセージ

喫茶「GAMA COFFEE」の奥様も、パン販売の忙しい時間帯はサポートに励まれます。御主人の市原くん曰く「僕よりストイックな奥様」だそうです(笑)きっとパートナーとして認め合っているからの発言なのでしょうね♪

まだ「喫茶」は利用したことがないため、次回時間の取れる時にこちらでのんびりと珈琲を堪能してみてたいと思います。

この日はまた牧之原の実家に帰省し、出産間近の娘夫妻と一緒にパンランチするために、12種類の様々なパンをチョイス。

「平飼いたまごサンド(2ピース)」¥400(税別)

ふわふわのパンにたっぷりと挟んだ平飼いたまごのサンドイッチ。平飼いでストレスなく育った卵の美味しさをそのままに楽しめるよう、味付けは優しく仕上げられており、家族皆で楽しめます。

「クロワッサン」¥280(税別)

10年以上作り続けて、ここ数ヶ月でようやくスタートラインに立てた気がすると仰ってた「クロワッサン」。粉、仕込み、折り方など、毎回仕込みの度に変化を付け、色々試し続けてきたからこその今。これからも理想のクロワッサンを追い求められるとのこと。重ねられた細やかな層が美しく、外はパリサク、中はふんわりもっちり、発酵バターの香りに包まれます。

「Oliva(オリーヴァ)」half size ¥520(税別)

イタリア・シチリア産グリーンオリーブ入りのもっちり食感が楽しめるリュスティック。

「Tomate(トマト)」half size ¥520(税別)

イタリア産チェリートマトとアンチョビ入りのリュスティック。そのままでも美味しいけれど、リベイクすることでパリッとした皮の香ばしさがより楽しめます。パスタに添えれば、余ったソースとの相性も抜群。

「Noir(ノア)」量り売り @2.2/g

コンプレの生地に有機胡桃をぎっしりと練り込んだ全粒粉のパン。胡桃の香ばしさと甘み、全粒粉の良さが相まって、ボリューム感もあり食べ応えのある「ノア」。燻製食品や蜂蜜との相性が抜群。

「亜麻仁と黒豆のクラシック」

栄養価が豊富で身体に良いとされ、スーパーシードとしても名高い”亜麻仁”と、ごろごろに詰まった”黒豆”の自然な甘みが楽しめるヘルシーなコンビネーションパン。

「食パン」1本 ¥450(税別)

この日は30円引きとの札を掲げていたお得な「食パン」。国産小麦、有機酵母、天然パーム油、天然塩を使用し、卵と乳製品は不使用で、粉の甘みを生かした食パンとなります。パリッと香ばしさが際立つ皮、中はしっとり、ふんわりとした生地で飽きのこないシンプルな味わい。厚切りのバタートーストがお勧め。

「Pain de campagne(パン・ド・カンパーニュ)」half size ¥600(税別)

フランスの伝統的な「ルヴァン・ミクスト」と呼ばれる製法で酵母を起こし、国産小麦、有機ライ麦、天然塩、水でこね上げ、ゆっくりと発酵させて焼き上げた「パン・ド・カンパーニュ」。まろやかな甘みと芳しい風味が煮込み料理や肉料理、チーズなどに良く合います。

「バジルチキンとオニオンのクミンソテー」¥480(税別)

しっとりとしたバジルの風味を纏ったチキンをたっぷりとサンドし、バリッと音を立てて味わえるクラストに、オニオンの甘みとクミンの香りで食をそそります。

「ベーコンとサツマイモのQuiche(キッシュ)」¥600(税別)

ゴロッとしたサツマイモ感はほっくりと、角切りべコーンは旨みの極み、じゃがいもの層が重なり、具沢山で厚みのあるしっとりとしたアパレイユは食べ応えがありつつも優しい味わいで軽やか食感、ザクほろのタルトと一緒に楽しめます。

秋限定「渋皮煮と有機胡桃のカンパーニュ」¥650(税別)

毎年、秋限定の人気商品「渋皮煮と有機胡桃のカンパーニュ」。栗仕事の手作業の大変さは誰もが周知のことと思いますが、特に渋皮煮は作ったことがある者にしか解らないほどに、非常に手間の掛かる作業で、私も根気が必要だと思う調理法の一つ。こちらでもこの商品を作るために、一ヶ月程は、毎日一つ一つの栗とコツコツと向き合う日々を過ごされているとのこと。その仕込みを施した栗の渋皮煮と有機クルミをカンパーニュの生地にたっぷりと。美味しくないわけがありません。

「コンプレ」half size ¥400(税別)

国産全粒粉をメインに焼き上げるしっとりとした重厚感のある食事パン。三種の自家製酵母を使い、「アオヤギ製粉」の有機小麦を自家製粉した全粒粉。「梅野製粉」の全粒粉、北海道「ゆめちから」の全粒粉、三重県「ニシノカオリ」の全粒粉に国産大麦粉を加え、「はるきらり」の小麦粉も少々。これら国産の全粒粉を用いて、手でじっくり捏ね上げ焼き上げているとのこと。全粒粉メインでありながらも穀物臭くならないように、ボソボソとした食感にならないように、そしてネチネチとした食感にしないようにと、理想形を求めて、試行錯誤され、何度もブラッシュアップされてきて、ようやく今の配合に落ち着かれたという「コンプレ」。ですが、これからの少しずつの変化によって、その時その時のベストを提供できるよう心掛けられているいるようです。穀物の香り、小麦の甘み、噛めば噛むほどに旨みが広がるパンは、ベーコンやバター、クリーミーなチーズ、オリーブオイルなどと相性抜群!

「あんバター」¥350(税別)

ガリッとした食感のクラストに、小豆の食感を程良く残したたっぷりのつぶ餡と厚切りにしたバターを忍ばせた、間違いのない「あんバター」。おやつタイムに美味しい珈琲と共に頬張れば、大満足のティータイムに。

パンの顔を見て、芳しい香りを嗅げば、食べる前からそのパンの美味しさが判る。「>Boulangerie POWA POWA(ブーランジェリーポワポワ)」のパンたちは、私たちにとって、まさにそんなパン。シンプルで素朴ながらに味わい深さは無限に広がり、いつの食卓にも並べていただきたいと思う、大好きなブーランジェリーの一つです。

POWA POWA / GAMA COFFEE
住所:静岡県掛川市初馬278-1
TEL:0537-24-4107
営業時間:10:00〜17:30
定休日:月、火曜日(月2回の日曜日)
駐車場:店前に有
https://powapowa-gamacoffee.com/

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