移転後「てんぷら成生」静岡が誇る天ぷら職人・志村剛生氏が生み出す職人技を食す会

全国から美食家が足を運び、予約困難店と名高い静岡の「てんぷら成生」へ縁あってお声がけいただき馳せ参じております。

場所は浅間神社に隣接し、此方には室町時代後期の武将で江戸城を築城したことで知られる太田道灌らが築造したとされる庭園があり、明治時代には初代静岡県知事である関口隆吉の邸宅となり、昭和に入り元老舗割烹旅館「喜久屋」が開業した跡地を廃業後、「静岡鉄道 株式会社」が土地を取得し保全管理に務められ、地域の観光資源を生かした新施設として再開発しています。新設した木造平屋建ての建物に、此の場を通じて「静岡の魅力を発信したい」、「静岡を代表する店にしたい」という同じ想いをもつ「板前てんぷら成生」を誘致し、静岡県材を多用した店舗を建設し、静岡の歴史や食文化、産業の魅力の発信地とし、新生「てんぷら成生」として2021年3月に移転オープンさせ誕生!

建物は、静岡市産「オクシズ材」を中心に県産材を活用し、ゆったりと庭を眺めながら食事を楽しめる空間となるよう設計され、京都で数々の料理店を手掛ける建築家「株式会社 木島徹建築設計事務所」の木島徹(Tetsu Kijima)氏が手掛けられています。

「成生」

今宵のメンバーが揃うまで、ウェイティングルームにて暫し待機致します。

待合には重さ3tにも達する富士石(大沢石)が鎮座しており、そのパワーを頂戴すべく手をかざしてみました。ひんやりとしたその心地良さはエネルギーが漲るというよりも何処か心落ち着く不思議な感覚。

花器には庭に咲く可憐な花々を添えて。

廊下の照明は「LIGHTDESIGN.INC」の東海林弘靖(Shoji Hiroyasu)氏が手掛けられており、粋な細工で足元に美しい富士山が浮かび上がります!

一輪の命と念持仏。

この日のカウンターは貸切で8名のワイン仲間との美食会ゆえに天ぷらとワインのペアリングも楽しみにして参りました!

諸事情がおありのようで料理撮影が禁止されているため、いつもの取材感覚とは異なりますが、その分食事をゆっくりと楽しむことができました。備忘録として頂いた順に記載しておきます。

[一品目]落花生のすり流し しっかり目の塩気でとろみのある温かいすり流しが胃にじわっと染み渡る。
[二品目]クエの刺身 低温にくぐらせ締まったクエの甘い脂を堪能。
[三品目]鰹 50℃の低温にくぐらせ見目麗しい艶感の鰹は絶品。
※天ぷらに添える大根の鬼おろしは箸休めにもなり、器を空にするとおかわりが何度も出てくる。

[天ぷら]食材に合わせ、衣や温度を変え、素材を活かす
(1)太刀魚 大根の鬼おろしの上に乗せられた太刀魚は上にも鬼おろしを添えハフハフしながら。
(2)銀杏 塩を少々。
(3)インゲン フレッシュな青みが旨味に変わる。
(4)蓮根 泥付き蓮根は皮ごとでほのかに香る土の香りが新鮮。
(5)キス ふわふわ。
(6)白甘鯛 鱗はパリパリッと軽やかな食感で中はとろける柔らかさを楽しみながら山椒を効かせて。
箸休めのサラダ 生白菜、春菊、蕪、唐墨をアクセントに添えて。
(7)南瓜 じっくりと揚げることで凝縮された甘み。
(8)夕漁の鰆 厚みのある鰆は半身にカット。
(9)小鰺 鬼おろしでさっぱりと。
(10)・(11)茄子と葱 とろっとろ。削りたての鰹節を添えて。
(12)メークイン 半年ほど寝かしたじゃがいもを皮ごと揚げるため皮のカリカリと中の滑らかさのギャップに舌鼓。
(13)連子鯛 あら塩を添えて。品のある甘みがあり鼻に抜ける残り香でご飯がいけてしまいそう。
(14)カマス 白身が続き違いを楽しむ。
薪釜で炊く炊き立ての白米(志太榛原の米)天丼or天茶or天ばらの三択。
香の物 胡瓜、パプリカの糠漬け、蓮根甘酢漬け
赤だし 山椒を効かせて。

この日のマグナムは最高の状態で味わうことができ、シャンパーニュ3本ピノノワール1本、計4本のマグナムがサクッと空きました。
⒈「ドゥラモット ブリュット ブラン ド ブラン(Delamotte Brut Blanc De Blancs)」
⒉「ベル エポック ペリエ ジュエ 2007(Perrier Joue Belle Epoque Blanc 2007)」
⒊「ベルンハルト・フーバー シュペートブルグンダー 2015(Bernhard Huber Spätburgunder H 2015)」
⒋「クリスチャン セネ ブリュット ミレジム 1995(Cristian Senez Brut Millésimé 1995)」

朝夕と一日に二度、焼津の魚店「サスエ前田魚店」の5代目店主である前田尚毅(Naoki Maeda)氏の元へ仕入れに出向かれる志村さん。「成生」には無くてはならない唯一無二の食材を直に仕入れています。心友で同士でもあり、ライバルとも称される御二方の掛け合いは様々なメディアで取り上げられており、楽しく拝見しています。日本有数の漁場である駿河湾を有し、温暖な気候に恵まれ農業も盛んな静岡の海・陸の地の食材を用いて、目の前で志事する職人技を堪能しながらの贅沢な美食会にて貴重な体験をさせていただきました。

食事の後は茶室に移動し煎茶をいただきます。
先ず提供されるのは作りたての無花果のソルベ。ほんのりと塩を効かせてあり、食後の胃にスッと馴染みキレの良い後味。

茶室の掛け軸にも富士山。

安倍川の支流足久保川の流域の豊かな自然に恵まれた足久保茶を一煎目は水出しで。

二煎目は65℃でいただき飲み比べし、油を流していきます。

広大な敷地は約1,800平方メートルの敷地面積を誇り、500年以上もの歴史を誇る約660平方メートルの回遊式の日本庭園が心豊かに楽しめます。ライトアップされたお庭では、池に映る逆さの庭模様が美しい夜を演出。現在はランチ営業もされているため、日中に魅せるお庭の顔もまた素敵なことでしょう!

秋の夜長の夜風は心地良く、ほど良くお酒が入り赤らめた頬を優しく撫でてくれました。

手土産がそれぞれに用意され、中には薪窯で炊き上げたにぎり飯が2つ忍ばされていました。新米の旨味を感じられるようにシンプルに塩と白胡麻のみで作られたにぎり飯。米粒がしっかりと立ち見事な俵型に仕上げられており、翌朝、冷めた状態でも美味しく堪能することができました!

「成生」志村 剛生(Takeo Shimura)氏プロフィール
・1975年神奈川県生まれ
・東京農業大学卒業後、オーストラリアへ留学。
・留学先の日本食レストランでアルバイトをしたことをキッカケに料理の世界へ。
・帰国後、焼津の割烹料理店にて6年半修業を積み、静岡の食材の美味しさに衝撃を受ける。
・修業期間に焼津の老舗鮮魚店「サスエ前田魚店」の前田氏に出会い、20年以上、共に魚の締め方、熟成法、調理法等の研究を続けている。
・野菜は静岡の契約農家へスタッフが直接出向き、提供直前まで皮付きのまま保管するなどして素材本来の美味しさを最大限に引き出している。
・2007年に「板前てんぷら成生」を鷹匠にて開業。
・2021年、現在の場所に新生「成生」として移転オープンを果たす。

お見送りをして下さった志村剛生さんと記念に一枚。素晴らしい一夜を有難う御座いました!

てんぷら成生
住所:静岡県静岡市葵区丸山町12−2
TEL:054-295-7791(完全予約制)
営業時間
Lunch:12:00〜14:30
Dinner: 【火】17:00〜19:30、19:30〜22:00 【水〜日】17:30〜
※営業時間は変更になる場合もあるため直接ご確認ください。
定休日:土曜日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Scroll to top