ボルダーズビーチのペンギンは有名で、あのヨチヨチとした歩き方が堪らなくキュート。そんな魅力たっぷりのペンギンに会いに毎年、約6万人の観光客がサイモンズタウンから5kmほどの小さなボルダーズビーチに訪れペンギンを写真に収めたり、観察したりしています。ボルダービーチは今も世界で唯一、近くに接近してアフリカペンギンを見ることができる場所です。ケープタウンのペンギン観察は、海岸を横切って作られた遊歩道と、南アフリカ国立公園によって管理されている案内所が設置されていることで、より良い環境下で見ることができるようになりました♪
駐車場からビーチまでの道のりにアルケア・アロエというアロエで有名なショップがあります。ケープ地方のアオワニというアロエのエキスから作られており、品質が良いと評判のお店でお土産物にも喜ばれています♪
ボルダーズビーチのアフリカペンギンは、都会近くにコロニーを形成する珍しい例の1つです。ケープタウンのペンギンコロニーが初めて知られたのは1983年、1組のつがいがボルダーズのフォクシービーチで発見された時のこと。ペンギンたちはダイアー島からフォルス湾にやって来たのです。当時のフォルス湾は商業的漁業が禁止されていました。そのため、餌が豊富で繁殖にも適した場所を見つけたペンギンたちは、ボルダーズビーチに定着し、その数を増やし続けていったそうです。しかし約30年後、ボルダー海岸のペンギンたちは困難な状況に陥ります。車や人間の存在、繁殖地争いのために、ペンギンたちは危険な環境に巣を作ることになり、その巣は捕食生物や自然の脅威に晒されやすくなってしまいました。気候変動の影響で餌となる魚が減り、悪天候の頻度が増えたことも影響し、ペンギンのヒナの数が激減してしまっているのです。そこでヒナ鳥の減少に歯止めをかけ、安全な繁殖環境を作り出そうと、ボルダーズビーチ公園の管理事務所は、人口巣箱を設置しています。また、南アフリカ沿岸鳥保護財団(SANCCOB)とダイアー島保全トラスト、南アフリカ国立公園も貴重なサイモンズタウンのペンギンの保護活動に取り組んでいます。
入口ゲートでR40(日本円400円)を支払い入場しましょう。ゲート前には、以前多くのペンギンが存在していた頃のポスターが貼られています。”このポスターの光景を良く覚えて入場してね”と日本人ガイドのKeikoさんに声をかけられました。その頃の光景とは残念ながら違う風景が待っているからです。
海を眺め遊歩道を歩きます。この遊歩道も昔は存在せず、直接ビーチに降り立ちペンギンの近くまで行けたようですが、多くの観光客からペンギンを守るために造られました。
海岸沿いに行く手前でペンギンを発見!
こちらが、さきほど説明した人口巣箱です。巣箱には番号が振られており、管理者が数を把握できるように示したもの。
アフリカペンギンはかつてその騒々しい鳴き声から、ジャッカス(雄ロバ)ペンギンと呼ばれていました。ナミビア南部からポートエリザベスにかけての地域にコロニーを作って繁殖します。しかし環境汚染、海鳥による卵捕食、彼らが好む繁殖地のグアノ(海鳥などの糞の堆積物)が削り取られてしまったために、アフリカペンギンは危機に陥っています。種全体としては多くの脅威に晒されており、この水辺に暮らす飛べない鳥は、絶滅危惧種に指定され護られています。黒と白のはっきりとした色合いをしたペンギンは親ペンギン、グレーで毛並みがふわふわと首にマフラーを巻いているようなペンギンがヒナです♪
想像していた以上に数は見られませんでしたが、それでもすぐ目の前に存在し、ペンギンの生きている様を見てとても愛おしく感じ胸が熱くなる思いです。
ビーチに寝転ぶペンギンは、穴の中にヒナを寝かせ温め守っています。必死にヒナを育てる母ペンギンの姿が愛おしく思えてなりません。これ以上、数が減少しないことを願うばかりですね。
チョコチョコと歩き回るペンギンはとても可愛いのですが、顔つきは凛々しく思えるのはわたしだけでしょうか?(笑)
こちらは、親ペンギンがヒナをカモメから守っている様子です。
親ペンギン「うちの子に手を出すんじゃないわよ!」
カモメ「ふんっ!」
ヒナペンギン右「あぁ、また喧嘩してるよーまったく」
ヒナペンギン中央「今日はどっちが勝つかな?」
ヒナペンギン左「そりゃ、おかんに決まってるでしょ!」
こんな声が聞こえてきそうですね(笑)
この大自然豊かな環境の中でも減少しつつあるペンギン。自然の摂理を考慮した観光が続けられることを願ってやみません。