「レストラン シス」古宇利島で第6感から生まれる至極のフレンチコース後編

沖縄北部の離島・古宇利島に2018年4月15日にオープンしたばかりのフランス料理店「レストラン6(シス) Restaurant SIX」にて至極のフレンチコースを堪能!後編となります!

「レストラン シス」古宇利島で第6感から生まれる至極のフレンチコース前編

こちらは、昨年2017年まで名古屋にて「フランス料理シェ小杉」、「イレテテュヌフワ (Il etait une fois)」としてフランス料理店を営まれてきたオーナーシェフの小杉浩之(Hiroyuki Kosugi)さんが奥様・小杉 妙 (Tae Kosugi)さんの御実家である沖縄へ拠点を移しオープンされたお店です!

店内は、落ち着き溢れるシックでモダンな造り、天上に吊るされた琉球松の作品がゆらりゆらりと揺れる度に、その陰影で真っ白なテーブルクロスに光と影のアート性ある世界感を演出!

席数16席となる全席から古宇利大橋を望めるオーシャンビューとなり、夕暮れ時のブルースカイに染まる空を眺めながら、静かな時をゆるりと過ごすことができるレストランとなります!

コースは、小杉シェフおまかせの18,000円(サービス料・税別)のワンコースのみとなり、一皿一皿が小ポーションで提供され、感性豊かに楽しませてくれる奇想天外な小杉ワールド全開の20皿以上が展開されていくスペシャルディナーとなります!

今回「レストラン6(シス) Restaurant SIX」にも、わたし達Lade Gourmet & Hotel Web Magazineが企画する『器と旅するシリーズ』を御紹介させていただき、企画第一弾として登場した陶芸家の「釋永 岳 (Gaku Shakunaga)」の無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインを誇るシャープな器と、企画第二弾で参加して頂いた下尾 和彦 (Kazuhiko Shimoo)さん&下尾 さおり (Saori Shimoo)さん御夫婦のユニット作家「Shimoo Design」の「日本の美」を象徴し、合理的且つ美しさを忘れない木製器とコラボしていただくことに!

レストラン6(シス)」では、一皿ずつの料理毎のイメージに合うように、とても個性的な器を採用されていますが、この日小杉シェフは、わたし達が持参した器を眺めながら「これは本当に実物を見てみたかった作品です!」と喜んでくださり、一部の器を変更してコラボしてくださいました!

[レストラン6(シス) Restaurant SIX~Special Dinner~]

<14皿目>×<釋永岳 gen シャーレ>
光の加減で色の見え方が変わり虹色のようにも観える美しいオオム貝に注がれる温かな貝柱のコンソメスープは、黄金色に透き通る澄んだ色を発し丁寧な仕事を感じます!湯気と共に香り立つ海の恵みは塩を用いず仕上げれらており、身体の髄まで染み渡る美味しさです!

「バシュレ・モノ サン・トーバン1erCruアン・レミリー2015(2015 Domaine Bachelet-Monnot Saint Aubin 1er Cru En Remilly)」
バシュレ兄弟が手掛ける淡い緑が美しく透き通る極上のシャルドネ!

<第15の皿>
見事な程に鮮やかなヴァイオレットカラーで一際目を惹く大皿には、春菊のキッシュとトレヴィスにレッドオニオンのマリネを盛り込み、紫カリフラワーのスライスとリッピアの花、紫キャベツのパウダーを添えて、単色でまとめたセンスがキラリと光ります!
生地はサクッとホロホロな食感で、トレヴィスの苦味が大人の香りを漂わせ、野菜の甘味を楽しめる上品なヘルシーキッシュです!

<第16の皿>×<釋永岳 mars himawari>
小杉シェフが以前の名古屋のお店の時から提供し続けているスペシャリテの1つがこちらのカリフラワーのロティです!
卓上に置かれる瞬間に立つ香りが凄過ぎます!
じっくりとバターを掛けながら1時間ほど掛けてオーブンで焼き上げて行くこのカリフラワーは、シンプルだからこそ、素材の良し悪しを見極めることから始まるそうで、卸業者に調理可能な状態を指定し、シェフ自らが選別したカリフラワーのみを使用されています!今でこそ、安定した生産者からの仕入れが可能となったようですが、当初は何度も何度も試作を試みてはやり直しの繰り返しで極めて行かれたとのこと!

 

そんな想い入れの強いこちらの一皿は、前店の頃からの常連の皆様に愛されている一品で、中には「バケツほど食べたい!」とリクエストされるお客様もいらっしゃるのだとか!
オーブンから出して間もないカリフラワーは熱々で、立ち込める湯気と共に提供され、一口頬張れば、表面カリッカリの香ばしさと、中はほっくりとした食感でハフハフしながら頂くと、バターの香りが何とも言えない風味で押し寄せ、癖になる危険な美味しさ!カリフラワーのポテンシャルを最大限に活かした一皿ではないでしょうか!

<第17の皿>
お口直しとしてフォークに添えられるのは、真っ赤に染まった赤芯大根!カラマンシーのヴィネガーでマリネしたものになり、見た目の色とは裏腹に、さっぱりと口中をリセットしてくれるお味です!

<パン>
名護市で人気の「パンチョリーナPANCHORI-NA)」から仕入れる香り良いパンを提供!

 

<第18の皿>×<釋永岳 gen 薄鉢>
鳥の巣に見立てたカダイフに鶉の半熟玉子を添えて、薫り高い白トリュフのソースを掛けて頂きます!一口一口が贅沢なお味!

<第19の皿>
こちらも前店よりずっと続けられている黒トリュフバターを練り込んだナンバリングクッキー!
上質な黒トリュフの香りを纏わせたバターを挟み、しっとりと仕上げた濃厚バターサンドクッキーです!
1個1個にナンバリングがされておりますが、実はこちらは、来店されたお客様の数を表していらっしゃるそうで、まさに!お店の歴史と共に歩み続ける大切な思い出を刻む一品です!
奥様の妙さんがサーヴされながら仰った言葉がまた愛らしく、「”0番”は私と主人で食べまして、そこからお客様と一緒に数を数えてもらっています♪」と!
記念すべき、わたし達のナンバリングは、[08329]と[08330]で御座いました!次回の再訪で、このナンバリングが幾つになるのかを楽しみにしたいと思います!

<第20の皿>
ミキュイで仕上げ、プリプリと弾けるジューシィーさの赤座エビは旨味が強く、その旨味に負けない程の爽やかなベルベーヌの香りを纏わせて!フレッシュハーブのベルベーヌを手で摘むと、その香りに一気に引き込まれ、脳内リフレッシュ!その香りを纏わせた手で赤座エビをパクリ!

<第21の皿>×<釋永岳 gen シャーレ>
お米のサラダとなるサラダ・ドゥ・リ!
岐阜県の有機無農薬野菜を作る「井深農園」のからし菜やわさび菜など辛味の強い野菜をたっぷりと用いたボリュームのあるサラダ!上には人参のシートのカリカリ食感をアクセントに添え、下にポトフの出汁と合わせた野生のセップ茸と米糠の香り立つ島米を忍ばせ、野菜の力強さからパワーを得られ、ヴィネガーの酸味が胃を整えてくれる一品!

「マルサネ・ルージュ 2014 / ドメーヌ・シルヴァン・パタイユ(Domaine Sylvain Pataille / 2014 Marsannay Rouge Bourgogne)」
気品に溢れ、優しい甘味を醸し出すエレガントなピノ・ノワールをお次の魚料理のブールブランソースに合わせて!

<第22の皿>
長崎県産の高級魚クエは、しっかりと旨味の感じられる白身魚ゆえに、濃厚なバターの香りを楽しむブールブランソースでいただきます!器のストーンカラーに合わせた3色のジャガイモのチップスを添えて!

<第23の皿>×<釋永岳 リバーシブル シャーレ>
沖縄が誇る「美ら豚」は、野菜とハーブで一晩マリネした後に香ばしくロースト!バターソテーしたちぢみほうれん草とセロリラブ(根セロリ)を添えて、黒ニンニクのソースで楽しみます!この美ら豚が本当に香ばしく、脂があっさりとしていて、思わず「上品なラーメンに入れたい!」とお伝えすると、「主人が作るソーキそばには、これが乗りますよ♪」と奥様がこっそり教えてくださいました!そのソーキそば、裏メニューで出して欲しいぐらいです(笑)

肉料理2皿目の前に、本革に収まる北欧ナイフが登場!
こちらは、お次の鴨肉の為に用意された「KELLAM Prowler(ケラム プロウラー)」で、手にしっくりと馴染む天然木カーリーバーチ(樺の木)のハンドルが味わい深く、刃長は約7.5cmですが、重量は158gと見た目より軽く、少し丸みのあるブレードには、特殊な炭素鋼が使われているそうで切れ味抜群です!

<第24の皿>×<Shimoo Design 浮様 丸皿>
フランスのルーアン地方に古くから生息していた原種「ルーアン鴨」は、蜂蜜とシードルヴィネガーやシナモンなどの香辛料を合わせたソースを塗りながら焼き上げる調理法ラケで仕上げ、ドライもやしを鳥の巣に見立てて提供!

棗のコンポートと発酵させた島ラッキョウが良いアクセントになり、鴨のジュにコブミカンを合わせたソースと、添えたトリュフ塩で頂きます!小杉シェフが大絶賛してくださったお気に入りの「Shimoo Design」の丸皿に合わせて!自然の木目にそっと寄り添う鳥の巣仕立ての表情が優しく感じられ、とても心地良い一皿となります!

コーヒーは、「ほしの珈琲 豊橋市の自家焙煎珈琲専門店」の豆を採用!

ハーブティーは、名古屋の「紅茶・インドカレー えいこく屋」のリラックスティー(カモミール、ペペーミント、リンデン、ローズ、オレンジフラワー、レモンバーベナ、ラベンダーー)を頂戴します!

<第25の皿>
デセールは、奥様の妙さんが担当されており、大きな木皿の上に盛り付けられ、小菓子も合わせて今回は6種類用意されます!

フランボワーズとヘーゼルナッツの2種の生チョコを添え、Uカーブを描いた石の器は、実はキャンドルホルダーだそうで、やはり料理器でないものをアレンジさせるアイディアが素敵!

ジュエリーボックスのような木箱には、コーヒーのカスタードクリームを忍ばせたエクレアが珈琲豆の上に添えられ、甘過ぎないコーヒーカスタードクリームが決め手の大人のエクレアです!

白器には、香り豊かな御抹茶のジュレとムースと爽やかな野イチゴ。

黒糖をたっぷりと用いたカヌレ

季節の柚子を用いたガレットブルトンヌ。

沖縄で奥様の妙さんのお父様が栽培されているマンゴーとドラゴンフルーツを用いたパートドフリュイを添えて!

食後は、手の空いた小杉シェフと奥様の妙さんを交えて、ゆっくりと歓談タイム!今や、常連の皆様に「変態」とまで云わしめる小杉シェフが、どうしてフレンチの世界に飛び込むことになったのか?という疑問からの様々な武勇伝や、料理に向き合う姿勢や想い、更には、16歳も年の離れた御2人が20年前に出会った馴れ初めから、奥様の妙さんが小杉シェフの料理に胃袋をガッチリと掴まれて結婚に至ったまでの超プライベートなお話にまで発展し、飾らない御2人のお人柄と愛らしい天使との交流も楽しめた貴重な時間! 遥々沖縄に来て良かった!

寝ても醒めても四六時中料理のことばかりという小杉シェフは、純粋に料理することを愛し、第6感が生み出す感性のままに料理を楽しんでいるように思えてなりません!

 

古宇利島に訪れたお客様全員に此処での料理を楽しんでもらいたいという御2人の温かなおもてなしが溢れる「レストラン6(シス) Restaurant SIX」!
常に20皿以上が提供される個性的なスタイルのお店ですが、味わいは繊細ながらに舌を唸らせるものであり、表現力の豊かさに遊び心のスパイスが加わり、他では得られない新たな経験を体験させてくれる貴重なお店だと思います!

翌朝の古宇利島は、運良く晴れ間を覗かせてくれたにも関わらず、「古宇利島の海の青さはこんなものじゃありません!」と聞いてしまったからには、また晴れ渡る空と澄み切った古宇利ブルー、そして、シスの料理に逢いに来たいと思います!皆さんも古宇利島へLet’s go!!

レストラン6(シス)
住所:沖縄県国頭郡古宇利今帰仁村499-1
TEL:0980-56-3733
来店時間:17:00~、19:30~(予約時に来店時間を選択)
https://six-kouri.com/

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