名古屋フレンチ新規オープン「レミニセンス」一皿ずつの料理に込める余韻と記憶の世界へ

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東は「Quintessence カンテサンス」の岸田周三シェフ、西は「Hajime ハジメ」の米田肇シェフの下で、
東西一流のレストランにて修行をされた若きシェフ葛原将季さんが、東京と関西の丁度中間に位置する地元名古屋に、
自身の30歳の誕生日である2015年7月23日に満を持して、フレンチレストラン「Reminiscence レミニセンス」をオープンされています。
場所は、名古屋駅から地下鉄東山線で一駅の伏見駅で下車し、名古屋を代表する文教施設(市美術館と市科学館)併設する、
緑溢れる「白川公園」から程近い、白川公園東本町通り沿いのコンフォート栄ビルの2階にあります。
1階は、「日本のおいしい食パン10選」にも選ばれたことのある高級「生」食パン専門店の「乃が美」が入っています。
オープン当初、こちらのビルの1階は空きテナントとなっており、
もし「乃が美」が入居しなければ、某配送会社が入居される予定だったようなので、
景観を重視するならば、1階も2階も飲食に携わる業種となり、結果的に良かったのだと思います。
現に、毎日行列の絶えない「乃が美」と、
今後、日本中の食通が通うであろう「Reminiscence レミニセンス」が
同ビル内というのは、互いに注目を集め合い相乗効果も得られることでしょう。


※レミニセンスは開業8周年となり、9周年目を迎えた今、新たなステージに挑戦するために、車道へ移転し、グランメゾンを目指しリニューアルオープン致しましたのでその模様はこちらの記事をご覧ください。

名古屋・フレンチ「レミニセンス」グランメゾンを目指し移転リニューアル〜新店舗編〜

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1階には秘密の入口のように階段の昇り口が開口しているだけで、
知らない人は通り過ぎてしまうかもしれない隠れ家的なアプローチを施されています。
いずれは、階段の壁面を淡い白に塗り直し、手すりを白木にして、階段をダイニングと同じ大理石にする予定とのこと。
少しずつ理想の形を目指されていくようで、その変化が楽しみなレストランでもあります♪

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Reminiscence レミニセンス」のコンセプト紹介

生きること=豊かな人生を送ること。
豊かな人生とは、心地よい余韻と心に残る暖かい記憶の調和が、
充実していることだと思います。
余韻と記憶。
食事することによって、食材の栄養が人々の身体をつくる事と同じく、
レミニセンスで過ごして頂いた時間がお客さまの余韻と記憶に残り、
素晴らしい人生に思い出という形で残ってほしい。
食の豊かさ、食の楽しさを享受出来ると、人生がより豊かになると考えております。

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階段を昇ると一気に視界が開けた空間が広がります。
席数は、4~6名の個室が1室とテーブル席が15席で計21席を用意。
純白の壁に囲まれ、真っ新なテーブルクロスが清潔感に溢れており、
路面側を一面ガラス張りにすることで、柔らかな自然光を取り入れられ、一面に敷かれた大理石のダイニングルームは、
天井高もあり、開放感溢れる暖かな雰囲気を感じます♪

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ハンス・J・ウェグナー「THE CHAIR ザ・チェア」

ハンス・J・ウェグナーの名を世に知らしめた最高傑作「THE CHAIR ザ・チェア」。
1950年にコペンハーゲンで行われた展示会で、
当時ウェグナーの作品を数多く製作していたヨハネスハンセン社から発表されるも、
当時、あまりにシンプルであったために「みにくいアヒルの子」と評され、全く売れなかった椅子でもあります。
しかし、1人のアメリカ人が、誰も見向きもしなかったこの椅子に注目し、
後日、コントラクト用に300台ものオーダーをします。
当時、この椅子は1つ1つが職人による手作りだったため、
とてもその大量の依頼を受けられず、泣く泣くオーダーを断らざるを得ない状況に。
その10年後に、1960年のアメリカ大統領選で、ジョン・F・ケネディと、リチャード・ニクソンの伝説的なテレビ討論会で、
この椅子が使用され、颯爽と足を組みチェアに腰掛け、討論を制したケネディが勝利し、
アメリカをはじめ世界中から注目を集めることになったのは、あまりにも有名な話です。
当時は、ラウンドチェアという名前が付いておりましたが、
椅子の中の椅子」という敬意を込めて「THE CHAIR ザ・チェア」の愛称で呼ばれるようになり、
世界中で愛される椅子となります。
アームと背を接合したフィンガージョイントは、他に類を見ない美しい重なりのカーブを描いています。
この椅子を語る上で重要な特徴となるフィンガージョイントですが、
発表当時は、ウェグナー自身が「みっともない」と籐で隠していたという話も残されるほどでしたが、
その後、フィンガージョイントの美しさは再認識され、今ではこの椅子の重要な特徴のひとつとなっているのです。
現在、こちらではリプロダクトを採用されておりますが、
ゆくゆくは「PP MOBLER/ハンス・J・ウェグナー(morphica モルフィカ)」の正規品に新調されていきたいそうです♪

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窓側で心地良い陽を感じながらの優雅なランチタイムとなります♪

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Reminiscence レミニセンス」のオーナーシェフ葛原将季(Masaki Kuzuhara)さん

地元の名古屋出身のシェフの葛原将季さんは高校卒業後、
名古屋の「Nagoya Marriott Associa Hotel 名古屋マリオットアソシア」で料理人としてのスタートを切られた時に、
こんな世界があるんだ!」と感動されたそうです。
マリオット内にある「ミクニナゴヤ」で食事をされた時に、「ミクニ」で働きたいと願われ、
東京の「グランカフェ新橋ミクニ」で料理の基礎を学びます。
そして、料理人を目指した時から既に「30歳」で独立すると決められており、
料理の幅を広げるだけでなく、さらなる経験のため、修行先をどこにするか熟考され、
東京の「Quintessence カンテサンス」、そして、大阪の「Hajime ハジメ」という東西を代表する
ミシュランスターに輝く2つのレストランを選びます。

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Quintessence カンテサンス」の岸田周三シェフより写真提供していただきました。

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葛原シェフは、「30歳」で独立すると目標を掲げたものの、
20代前半では、具体的な構想は全く無かったと仰います。
どんな店にし、どんなことをやるのかも、当時はまだ何の見当も付かなかったそうです。
そんなある日、「Quintessence カンテサンス」で修行を重ねる24歳の頃、
岸田周三シェフの「ポワロー雲丹」という料理を食べた瞬間に、
頭の中に「余韻」という言葉が鮮明に浮かび、ずっと記憶の片隅に大切なキーワードとして残り、頭から離れなかったそうです。
この時、「人生で一番大事なことは余韻だ」と確信され、
料理のコンセプトにも空間のコンセプトにも「余韻と記憶」を大切にするようになります。
たった一皿の料理が人の人生を変えてしまうこともあるのだと思いました。
葛原シェフはその想いを胸に、店名に「Reminiscence レミニセンス~追憶~」と名付けられ、
言葉の中に思い描く、「余韻、記憶、思い出」を一皿毎の料理に託すようになるのです。

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Hajime ハジメ」の米田肇さんより葛原シェフとの思い出の写真を頂戴しました。

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葛原シェフは27歳で大阪の「Hajime ハジメ」で米田肇さんに出逢い、
今までの職業料理人たちとはあまりにもかけ離れた印象を放ち、「とんでもない人だ!」と衝撃を受け、
料理人でも人に夢や希望を与えることができるのだ!」と感銘を受けたそうです。
その時、さんに出会えたことにより、本当にこの道に進んだことを誇りに思え、
料理の技術や作り方だけではなく、仕事に対する姿勢をさんから学べたのだと語ってくれました。
料理や空間、人を通じて地球との対話を表現される「Hajime ハジメ」で多くを吸収し、
独立へ向けて構想を確実なものにしていきます。
料理だけではなく、空間や時間を通じて、豊かな人生になるためのお手伝いができるよう、
ささやかながらも「Reminiscence レミニセンス~追憶~」は、
ゲストの豊かな人生の一部になりたい」と、強くそう思われているのです。


葛原将季(Masaki Kuzuhara)さんプロフィール
2001年(16歳) Nagoya Marriott Associa Hotel マリオットアソシアホテル パーゴラ アルバイト
2003年(18歳) グランカフェ新橋ミクニ
2005年(20歳) ゼットン 20.アベニュードシャンパーニュ
2008年(23歳) Quintessence カンテサンス
2011年(26歳) ENOTECA PINCHIORRI エノテーカピンキオーリ名古屋
2012年(27歳) Hajime ハジメ
2014年(29歳) 蓬莱軒 アルバイト
2015年7月(30歳) Reminiscence レミニセンス オーナーシェフ

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オープン当初は、ディナータイムのみの営業でしたが、
2015年9月より新たにランチタイムをスタートさせ、連日盛況のご様子です。
コースは、6,500円のワンコースのみとなります。

ランチコース(6,500円・税サ別) お料理とデザートで8皿前後+食後のお飲物+お茶菓子
ディナーコース(12,500円・税サ別) お料理とデザートで12皿前後+食後のお飲物+お茶菓子

【ランチのワインコース】
wine course standard 6,500円(glass Champagne 90ml、wine pairing 50ml 4杯)
wine course half 40ml 5杯 4,800円(glass Champagne 90ml、wine pairing 30ml 4杯)
wine course short 3,500円(glass Champagne 90ml、wine pairing 40ml 2杯)
【ディナーのワインコース】
wine course standard 10,000円(glass Champagne 90ml、wine pairing 50ml 7杯)
wine course half 40ml 5杯 7,500円(glass Champagne 90ml、wine pairing 30ml 7杯)
wine course half 40ml 5杯 5,500円(glass Champagne 90ml、wine pairing 40ml 4杯)
※シャンパーニュとワインペアリングのセット価格です。

もちろん、ボトルワインも用意されておりますので、ご希望の方はスタッフにお声がけされると良いでしょう♪

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コースは、ランチ、ディナー共に「余韻、記憶、安堵、追憶」の組み立てで提供されます。

[第一章]~余韻~
起伏に富んだ人生を想起させるお料理のストーリーからは、余計なものを背負い込まないシンプルさや潔さ、シェフの誠実さが表れます。
一皿一皿から表現される味の流れをお楽しみください。
第一章は、新鮮な食材の調和により生み出される旨味の層と香り、後味までご堪能頂けます。

[第二章]~記憶~
第二章は、目と舌に複雑な情報を入れず、食材本来の持ち味を生かしたシンプルな構成です。
その中でも、やはり食材への火入れにフォーカスします。炭火や遠赤外線温蔵庫等を使用し絶妙な食感でお客さまのもとへご提供します。
シンプルなお料理の中にある凝縮された旨味をご堪能ください。

[第三章]~安堵~
第三章は、お料理同様にレストランの醍醐味である、出来たてのデザートをご提供します。
出来たてならではの儚い食感や冷と温の温度差により、お客様に安心感と心地よい違和感をお届けします。
旬の食材を使い、十人十色様々な味のバリエーションをお楽しみ頂けます。

[終章]~追憶~
終章は、お茶菓子をご提供しております。また、ご提供するコーヒーも厳選しました。
名古屋市中川区にお店を構えるコーヒー豆専門店ジムランコーヒーの豆を使用し、丁寧にハンドメイドのネルフィルターで入れております。
コーヒー本来の豆の香りやすっきりとした味わいと深い余韻が楽しめるスペシャルティコーヒーです。
〈最後に〉技術に慢心せず至誠を尽くし、お客さまが心地良いと感じて頂けるレストランを目指しております。

シンプルに書かれたメッセージのように、用いられる食材のみを記載したメニュー。
これは、葛原シェフが表現したい世界観を「」をイメージして構成したものであり、
「余韻、記憶=思い出=アルバム=BOOK」と連想し、目次でいうところの序章、1章、2章、3章、終章となっています。
実は、来年の春を迎える頃にもう一章増やす予定があるようで、
葛原シェフの思い描く世界観を表現する「」はまだまだ執筆途中のようです♪

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先日、わたし達lade-ラデ-が企画させていただき、
静岡県浜松市に佇む一級建築士が創り出す木のぬくもり溢れる空間に、
世界中の有名シェフが注目する陶芸家である釋永岳さんの器を展示する
釋永岳陶芸展 in 浜松」を11月末に開催しましたところ、
葛原シェフは、休日を利用し、遠方名古屋より、わざわざ浜松まで足をお運びくださいました!
その行動力にも恐れ入ってしまったのですが、その時の彼の直観力と決断力の速さにも驚きを隠せませんでした!

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陶芸展にて作品の年輪皿を手にし、じっと見つめる葛原シェフ。
facebook上でも幾度となくイベント告知を促していたため、写真では観てくれていたものの、
実際に手にしてみると、その器の放つ力強さ、存在感を肌で感じ取ってくれたようで、
これは凄い!」と、即決でオーダーを入れてくださいました!
現在、「Reminiscence レミニセンス」のすべての器は「Kamachi Toho カマチ陶舗」を採用されているとのこですが、
常に変化を追い求める葛原シェフは、丁度、器を探していらしたようで、
そのタイミングで、今回、釋永岳の器と巡り会えたのです。
現在、釋永岳の器はオーダー待ちの状態となっており、早くても納品がおおよそ3ヶ月待ちとなっています。
今回、わたし達は葛原シェフにも「器と旅するシリーズ」の働きかけを紹介させていただき、
新作を合わせて手持ちの5皿の器を「Reminiscence レミニセンス」にお持ちし、
一足お先ににコラボレーションしていただくことにしました!(感謝)
現在、採用されているkamachiの個性溢れる器との比較も見所です♪

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釋永岳イベント会場

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釋永岳陶芸展
展示会場

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釋永岳
黒釉台皿、年輪薄鉢

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「Sanpellegrino サンペレグリノ 750ml」

赤い星と「S.Pellegrino(サンペレグリノ)」のロゴが特徴のイタリアのミネラルウォーター。
水質は硬水で炭酸を含み、きめ細やかな炭酸とマイルドな喉越しが楽しめ、
食中の飲み物として最適です♪

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「雲丹」

葛原シェフが食材の中で、一番心地の良い「余韻」を感じる食材は、「雲丹」だと仰います。
そして彼の人生を変えてくれた食材でもあり、
雲丹」は、「Reminiscence レミニセンス」で表現したい食材の中で欠かせない存在となっているそうで、
第一章の余韻のスタートは「雲丹」と決められていたそうです。
Kamachiのドーム型の真っ白な陶器に添えられた最初の一品。
下には粉のテュイルを用いられており、葛原シェフならではちょっとしたのユーモアを取り入れています(笑)
カリッとした食感のテュイルは、雲丹のふくよかな余韻を長引かせるためにあり、
彼の料理には「余韻」を楽しむための様々な仕掛けが多数仕込まれています。
利尻産の新鮮な雲丹が美しい顔を見せ、細かくカットしたユリ根と小粒のブロッコリー、
そしてハーブを添えて、底にはジャガイモのピュレを間に挟み、葛粉のチュイールを敷きます。
フィンガーフードとなるため、そのまま手でパクリといただきましょう!
食材が口中で重なり合い、雲丹の磯の香りと共に繊細な調和の余韻を残していきます♪

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釋永岳「黒釉薄鉢」×「牡蠣」

釋永岳の「黒釉薄鉢」を2皿目の「牡蠣」とコラボしてくださいました!(感謝)
牡蠣」は、さんから教わった技術を用いられており、オイルバスで芯温50度で2時間火入れされています。
低温でじっくりと火入れすることにより、「牡蠣」の旨みが驚くほどに凝縮されるとのこと。
味を濃縮した「牡蠣」と炭で香ばしく焼いた「牡蠣」の2種を提供し、別々の味を楽しませてくれます!
下には、クスクスと青林檎、セルフィーユを混ぜたものに、
カルダモンのハーブオイル、濃縮させた海老の出汁、トマトのドレッシング、乳製品、芽ネギ、紅たて、穂紫蘇、
軽く燻製したスパイスの泡、生海苔をオリーブオイルで味付けし、乾燥させた自家製海苔で構成されています。
そして、3口ぐらいの時に味に変化とパッションを与えるように、レモン一欠片の酸味が忍ばせてあるそうです!
こちらの酸味は、程好いエッセンスとなり、記憶の片隅に残り「余韻」を長引かせておりました。
本当に3口目の時にトマトとは違った「酸味」を感じたので、シェフの思惑通りに事は運び、
後程、感じたままをお伝えすると、「そこに気付いてくれたんですか!」と驚かれていました。
実際に入っている食材を細かく聞いてしまうと、
一体どれほどの味が重なり合うのかと食べるまでは不思議に思っていました。
しかし、一口、一口と食を進める毎に生まれる新しい食感と味わいが押し寄せ、
また一口、また一口と箸が進んでしまうのです!
オープン当初は、シェフ自身やスタッフたちが、このスタイルに慣れるまで、
シンプルにストレートな味を提供し、あまり過剰な表現は避けられていたそうですが、
少しずつ複雑味を重要視する努力を重ねられ、様々な味の構築を目指していらっしゃるそうです。
葛原シェフがこのような料理を生み出すに至ったのには、さんからのメッセージを受け止めてからだと仰います。
ある時、さんがこんな話をしてくれたそうです。
すごく綺麗な一輪の黄色い花はすごく素敵だけど、
いろいろな黄色い花が100輪、一面にあるとそれも綺麗だよね

それは、
食材の味をストレートに表現するのも素晴らしいことだけれど、
いろいろな個性を組み合わせ複雑味を与えることで感動を呼ぶ
と、その時に学んだそうです。
そのために、葛原シェフの一皿では、
香り、塩味、苦味、酸味、甘み、旨みをバランス良く組み立てられており、
一口、一口が別の味わいとなるよう心掛けられているのです。
一皿で感じる感動が、一口毎に変化する味わいのおかげで、このような大きな感動を生み出すとは思いもしませんでした♪

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Kamachiの「牡蠣」

佐賀/有田焼の「Kamachi Toho カマチ陶舗」の器を使用。
カマチ陶舖は明治の初め、初代国太郎が有田泉山で起こした小さな窯に始まり、
1953年(昭和28年)に会社として創立以来、 ホテル、料亭、旅館、宴会場、
レストランの和食器を「オーダーメード品製作 / 直販」というスタイルで販売を拡大し、
業務用食器「照右ェ門」ブランドとして日本全国に展開し発展されています。
ミシュラン3つ星レストラン「Quintessence カンテサンス」をはじめ、
ミシュランガイドの星を獲得した多くの有名レストランや日本に留まることなく海外のレストラン、
感度の高い、多くの「プロ中のプロ」から依頼を受け高い評価を得ている 和食器業界では歴史と実績のある会社です。
今回、葛原シェフから「Reminiscence レミニセンス」のコンセプトを受け、
それらを理解し、余韻と記憶から全ての「」をイメージして綺麗なタッチの「」や、
力強い感じの「」、自然、海や川に流れる葉、大地などのイメージで設計し、
オープンに合わせて全てつくってくださったそうです!
つい最近、「専門料理」の12月号のテーマとしても「」は脚光を浴びておりました。
今までは、料理に合わせて「」を採用されるシェフが多かったように思いますが、
今では、「」からインスピレーションを得て料理をされるシェフも少なくありません。
それだけ「器」にも「それぞれの個性」があるということです!
今後も「」は、「料理」そして「料理人」との関係性は密接なものとなり、
そのレストラン毎の表現の一部として、料理を引き立てる最高の名脇役として活躍されるものと思います。

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「パン」

パンは、名古屋の千種区にある「baguette rabbit バケットラビット」の古井戸和憲さんに焼いてもらっています。
葛原シェフは、本来なら自家製パンの方が良いと思われているようですが、
パン屋のパンは素直に美味しいと思われており、
スタッフがパン作りに時間を費やすであろう時間を他の作業に集中してもらい、
より良い一皿を提供できるよう、
餅は餅屋」ということで、パン屋さんに頼まれているそうです。
オーガニックにこだわられるラビットのパンは、暖かい状態で提供され、
三重県の国産小麦「ニシノカオリ」を用いており、
香りが良く、ふんわりもっちりと、自然な素材の優しさを噛み締めることができるパンです♪

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「牛」

」と鶏から取れた、黄金色に澄んだコンソメを掛けて完成させる一皿。
満足感が得られるように仕上げた「食べるスープ」です。
トリッパ(Trippa)を煮込み焼いたものに、柚子オイル、柚子の皮、レンズ豆をシェリヴィネガーで煮込んだもの、
セミドライトマト、からし菜、シブレットが施されています。
今までに食べたことのないような複雑さを醸しつつも、全てものが相性が良くまとまり、
柚子をほのかに感じさせることで、日本人の味覚の記憶に訴えかけられています。
実は、こちらでも柚子とはまた別のレモン一欠片の酸味が脳に残ります。
レモンのアクセントは程好く効いており、記憶の片隅に宿ります♪

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釋永岳「年輪薄鉢」×「サラダ」

釋永岳の「年輪薄鉢」を4皿目の「サラダ」とコラボしてくださいました!(感謝)
20種類のハーブと9種類の根菜を合わせて、
オリーブを乾燥させたパウダーを散らして仕上げた「サラダ」です。

葛原シェフは仰いました。
サラダは、肇さんの【地球】の印象が強く残ってしまっているのですが、
どうしてもお昼の初めてのお客様には、野菜をシンプルに食べてもらいたくて、
肇さんの【地球】のような味わいや華やかさは無いけれど、
ここでしかできない味わいになるように提供しています
」と。

産地直送の根菜(さつま芋、山芋、蕪、蓮根、里芋、牛蒡、赤人参、舞茸、銀杏等)を
炭火で香ばしく焼き上げ、野菜本来の味わいを引き出すことで、自然の恵みに感謝し、
ゴマを炒ることで香りを楽しみ、細かく切った生ハムをカリカリにし食感を楽しみ、
ゆっくりじっくり溶けるまでソテーした玉葱で甘味を楽しみ、
ハーブの香りと酢の美味しい酸味と芳醇なオイルで味わうシンプルな「サラダ」は、
きちんと「Reminiscence レミニセンス」でしか食べれない記憶に残る「サラダ」に仕上がっており、
こちらにもたった1枚だけアクセントに入れたハーブが口中で引き立ち風味が増したのを覚えています。
幾重もの味わいが織り交ざり、五味(酸味,苦味,甘味,辛味,鹹味)のバランスを素直に感じとれます♪

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Kamachiの「サラダ」

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ホールスタッフの市原俊一さんは、以前「Audi アウディ」にお勤めされていたようですが、
葛原シェフと職場で偶然出会った際に、
シェフの情熱とひたむきな姿勢を感じ、「彼となら面白いレストランになりそうだ!」と、
異業種からの転職を決意されたようです。
サービス業の経験は長くお持ちなようで、落ち着きがあり、とてもスマートなサーヴをしてくださいます♪

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釋永岳「黒釉台皿」×「鰻」

釋永岳の「黒釉台皿」を5皿目の「」とコラボしてくださいました!(感謝)
鰻は生きたまま捌き、皮目に湯をかけ、ぬめりを凝固させてから取り除き、
塩をし、紙で覆い余分な水分を取り、串に刺し、炭火でじっくりと焼いています。
皮面の絶妙な焼き加減を見るからに、相当な神経を要すると思います!
さらに、炭火で焼く際には、ボルドーのソーテルヌワインをスプレーで振りかけながらじっくり焼くそうです!
そうすることにより、「」の身をよりふくよかにさせ、
ペアリングワインとも相性が合うように気付かない程度の風味付けをされています。
」は、4切れ用意されており、その内の1切れだけスパイスを纏った「」がいます。
スパイスは、(クミン1、アニス1、コリアンダー1、山椒0.5、オイル適量)の割合で調合し、
香りを最大限に抽出するために、それぞれのスパイスを炒っているそうです!
全ては、味の変化を楽しんでいただき「余韻」を感じ取るために。
」には、アーリーレッドのスライス、レッドスプラウト、マイクロセロリを添えています。
そして、白焼きに合う薬味として、今まで味わったこともないような組み合わせで、
バリエーション豊かな薬味を用意されています。
1つは、燻製した根セロリのピュレ。
燻製させることで根セロリの香りを引き立たせたピュレは、意外や意外!香ばしい白焼きとの相性が抜群です!
そして、根セロリの千切りをシェリーマスタードのドレッシングで和えたものも添えられており、
白焼きの脂を小休止させるかのように箸休め的な存在にもなる根セロリのサラダ。
もう1つは、金柑のソース。
金柑の甘酸っぱさとほのかな苦みを白焼きに合わせることで、口中がスッキリとリセットされます!
さらに、万能ネギ、山葵。
山葵は、白焼きに吹きかけたソーテルヌワインと同じものと白醤油で調合してあり、
風味豊かにまろやかな刺激にしてありますが、これまた白焼きをさっぱりといただけ、極上の美味しさです!
最後に、先ほどのスパイスのオイルなしを添えて。
この薬味は、食べ順が決められているわけでもなく、どの組み合わせでいただくのも自由だと思います。
現に、山葵と根セロリと白焼きの組み合わせは、新しい発見で美味しかったです!
Reminiscence レミニセンス」のSpécialité(スペシャリテ)である炭火焼の「」の白焼きは、
奇をてらいすぎることなく、しかし、今まで鰻専門店でいただいたどの鰻とも違い、
脂が上品に感じ、薬味と合わせることで、一味一味が大切な想いを訴えかけるかのように、
複雑な深みある味わいが広がり、1切れ毎に違った味わいを楽しめ、
食べ進む毎に楽しみが重なる最高の逸品でございます♪

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Kamachiの「鰻」

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釋永岳「年輪皿(32cm)」×「肉」

釋永岳の「年輪皿(32cm)」を6皿目の「」とコラボしてくださいました!(感謝)
茨城の500gほどの「小鳩」を使用されており、
捌いて皮目に血を塗り、扇風機で乾燥させ、胸上部を守るような感じでラップで巻き付け、
赤外線温蔵庫で65度に設定し、およそ1時間30分ほどかけて火入れを行います。
芯温は、46.5度くらいまで上げた時、取り出しラップを剥き、骨から身を外し、
塩をまぶし、できるだけ炭火から近い場所に網をセットすることで皮目だけを瞬間に焼くそうです!
その瞬間、目を離すことは1秒たりともなく、
良い頃合いを自身の目で見極められています。
付け合せやソースは、いろいろ趣向を凝らされているようですが、
インパクト付けられるよう努力をされているようで、内容はその時により異なります。
この時は、「小鳩」のジューにわずかながらの冬トリュフ、
そして、秋に大量に購入し乾燥させておいたという香茸をたっぷりと使われ、
トランペットなどと合わせて深み溢れる旨味をたっぷりと引き出します。
カシスのソースは、エシャロットを細かく切りソテーし、カシスヴィネガー、クレームドカシス、カシスで作られています。
ソースの色合いに馴染むよう、ビーツも添えて。
小鳩は、胸肉と手羽、そしてレバーの部位をそれぞれ楽しめ、
皮は見事なパリッと具合でナイフが綺麗に入ります。
中は過去一の絶妙な火入れ状態で、
何とも血の旨味を感じさせる素晴らしい「小鳩」で思わず身震いしてしまうほど!
思わず「なんて食感なの!」と2人で叫んでしまいました(笑)
ポーションも程好く上品で、器に対する余白も美しく、
まさに芸術品のように感じる一皿で、記憶に鮮明に残り続けるであろう一皿でもあります♪

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Kamachiの「肉」

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「みかん」

最初のデザートは、高知の「青果の堀田」の「温州みかん」を用い、
みかんの皮と紅茶で香り付けしたゼリーを下に敷き詰め、その上にフレッシュみかんを2房添え、
自家製のみかんゼリーを一欠片、そして、少しクリーミィーなアイスを小さいスプーンで1杯、
フレッシュ100%アイスクリームを小さいスプーンで2杯、カラメリゼしたみかんを一欠片、
最後にみかんをそのまま凍らせてマイクロプレーンを用いて、
削りたてのふわふわ食感でいただく、
フレッシュ100%みかんのグラニテを用意されています。
混ぜ合わせていただくと、ありとあらゆる角度の「みかん」を堪能することができます。
葛原シェフは、実は小さなお子様が2人いらっしゃるお父様で、
いつもお子様たちが美味しそうに頬張るみかんゼリーが、たまたま冷凍庫で凍っていたものを食べた時に、
素直に美味しいと思ったことから、こちらのデザートを思い付かれたそうです!
わたしも幼い頃によくゼリーを凍らせていたことを懐かしく思い出すことができた愛らしい一品です♪

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釋永岳「黒釉シャーレ(28cm)リバーシブル」×「バナナ」

釋永岳の「黒釉シャーレ(28cm)」をリバーシブルで2皿目のデザート「バナナ」とコラボしてくださいました!(感謝)
こちらは、葛原シェフが大好きだという「チョコバナナクレープ」をレストラン風にアレンジされたデザートです。
ラム酒で味付けしたバナナにホワイトチョコのムース、
チョコクリーム、ゴマクリーム、ゴマテュイル、チョコテュイルに焼きたてのクレープを添えて。
リコッタチーズのアイスとはちみつレモン、シナモンを添えて、最後にラム酒ソースをかけていただきます。
ラム酒の香りが漂う、ちょっと大人の「チョコバナナクレープ」です♪

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Kamachiの「バナナ」

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「茶菓子」

こちらの器は、葛原シェフがオーダーされた内の一部で、釋永岳の「年輪台皿」です!
サイズ感もお茶菓子に合っており、ナチュラルな空間にもしっくりと合っています。
お茶菓子は、「追憶」というテーマで葛原シェフが小さい頃によく食べていたお菓子を再現されており、
現在は、チョコボールやジャイアントコーン、プッチンプリンやチーズケーキなどがあります。
この日は、可愛らしいサイズ感のジャイアントコーンとプッチンプリンの2種が登場!
あくまでも「Reminiscence レミニセンス」のテーマに沿って、
コンセプトの「追憶」を体験して欲しいと、懐かしさを感じるお茶菓子を提供されています。
見た目では、駄菓子らしさをイメージさせながらも、
良質な食材にこだわり、あえて難しい技法を使わずにシンプルにすることで、
人の記憶に訴えかけながら、ほんの少しのユーモアを添えて、
そこに懐かしさを感じてもらえたらと願われているようです。
自分の幼き頃を思い出してみたり、
葛原シェフがこのお菓子を頬張っていたであろう頃の姿を想像してみたりと、
思わず、食べる前からほっこりとしてしまう心温まる「茶菓子」です♪

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「スペシャリティコーヒー」

コーヒーは、本当に美味しいコーヒーを愛情持って焙煎してくれる人に出逢えたことを機に、
季節に応じて珈琲豆を変え、純粋に美味しいコーヒーを知ってもらえるよう、
エスプレッソは提供されないそうです。
名古屋市中川区にありますコーヒー豆専門店「JIMLAN COFFEE ジムランコーヒー」の西川賢志さんが、
丁寧に焙煎したタンザニア産モンデュール農園で作られた豆を使用されており、
JIMLAN COFFEE ジムランコーヒー」で提供されている技法と同じように、
丁寧にハンドメイドのネルフィルターで淹れられています。
Reminiscence レミニセンス」のコンセプトである「余韻と記憶」に相応しい、
コーヒー本来の豆の香りやすっきりとした味わいと深い余韻が楽しめ、
身体にスッと馴染む本当に素晴らしいコーヒーでした♪

「和紅茶」

和紅茶は、オープン当初は、「MARIAGES FRÈRES マリアージュ フレール」を採用されていたようですが、
美味しい茶葉を作る日本の生産者と出逢えたことを機に替えられています。
現在は、日本一の釜炒り茶産地である宮崎県五ヶ瀬町「宮崎茶房」の宮崎亮さんが、
お茶と同じ技法を活かして作られている有機和紅茶を使用。
日本で作られた和紅茶は日本の水に良く合い、日本人好みの紅茶になると言われています。
体にしみるような味わいと、ほんのりやわらかな自然の甘味を楽しめます♪

コーヒー&紅茶のカップは、有田焼の産地である佐賀県にて生まれた陶磁器ブランド
1616/Arita Japan」の「1616 / SB “Colour Porcelain”」シリーズのカップ&ソーサーを採用されています。
取っ手は少々持ちづらさがあるのですが、色合いの優しさと程好い緊張感が好評だそうです♪

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最後にスタッフ全員と記念撮影させていただきました!(感謝感激)
左から順に、若尾嘉子イジョンジュン吉山悠介熊谷勇人葛原将季鈴木剛松永新一郎市原俊一

若尾嘉子 元リューズ パティシエ(22歳)
イジョンジュン 研修を共にした友人(25歳)
吉山悠介 (22歳)
熊谷勇人 仙台から突如舞い降りた戦士(26歳)
鈴木剛 元ピンキオーリ サービスマン来年ソムリエを目指す(22歳)
松永新一郎 エスキスから来た救世主(28歳)
市原俊一 元アウディスタッフ ゼットンで飲食経験有りの風格紳士(38歳)

Reminiscence レミニセンス」は、
葛原シェフを筆頭に、若きキッチンスタッフ4名と、
経験も知識も豊富なホール3名の素晴らしいスタッフと力を合わせて、
今後益々ご活躍されることと思います!

最後に、葛原シェフに実際に釋永岳の器を試していただいた感想を伺ってみると、こう仰いました。
自分の表現していきたい新たな料理をこの器と共に挑戦していきたいです!」と。
おそらく新春を迎える頃には「Reminiscence レミニセンス」に新しい器が登場します。
お楽しみになさってくださいね♪

Reminiscence レミニセンス
住所:愛知県名古屋市中区栄2-15-16コンフォート栄2F
ご予約TEL:052-228-8337
お問合せTEL:052-228-8275
営業時間:ランチ12:00~13:00(L.O.)、ディナー18:00~20:00(L.O.)
定休日:基本日曜日
12月の定休日:12月6日(日)・13日(日)・30日(水)・31日(木)
(※基本、日曜定休とされていますが、月によって変更もありますので、サイトの予約カレンダーでご確認ください)
http://www.reminiscence0723.com/

愛知県名古屋市中区栄2-15-16

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