名古屋は那古野の円頓寺商店街にひっそりと店を構える中華料理店「1022/Ten twenty-two」にて、フルコースディナー。
場所は、名古屋駅・国際センター駅から徒歩7分のビル「endoji square」の2階に位置します。
店名は、四川飯店のシンガポール店「Shisen Hanten by Chen Kentaro」にて料理長を務め、当時ミシュラン二つ星を獲得した菅谷勇喜/Yuki Sugayaシェフの誕生日である10月22日から取り、「1022/Ten twenty-two」と名付けられ、2023年4月28日にオープン。
完全予約制のフルコースディナーは、「1022おまかせコース」23,100yen(税込)のみで、8席のカウンターにて、18:30より一斉スタートとなり、
オープンキッチンでライブ感を堪能しながらのディナーは、「食を愉しく、記憶に刻む」をコンセプトに、これまで培ってこられた経験を活かし、独創的でありながらも、日本人の好みに寄り添う形で創られた中華料理で、イノベーティブな「和中華」を提供しています。
この日のディナーは、ラグジュアリーメディア「Satiss(サティス)」の取締役編集長である友人の中山清美(Kiyoharu Nakayama)さんからお声がけいただき、急遽名古屋入り。
「La Ditta Singapore Ltd/ラ ディッタ シンガーポール」代表・兼「Kikkoman India Pvt Ltd/キッコーマンインディア」の代表を務める小里博栄(Harry Hakuei Kosato)氏(以下:Harryさん)からのお誘いで、日印を繋ぐインフルエンサーとして、インドで爆発的な人気を誇る「MAYO JAPAN」のMayoさんも同席され、世界で活躍される仲間たちと楽しいひとときを過ごします。
小里博栄/Harry Hakuei Kosato
神戸生まれ。国際学校でIB Diploma取得、ロンドンへ。ロンドン大学学士(社会心理学)、オックスフォード大学で修士(社会福祉)を取得。イギリスの会計事務所に勤め、イギリスで税理士を取得。阪神淡路大震災を神戸長田で大きな衝撃を受け、
「いつなにが起こるかわからない、毎日楽しく」と独立。タイバンコクで語学学校、オーストラリアシドニーで出版事業等を手がけ、後英ヴァージン・グループに転職し、テレビCMなどを制作。ACC賞を受賞。英ダイソンにヘッドハントされ、マーケティングを担当。日本進出に携わる。2006年に株式会社LA DITTAを設立。日本、インド、シンガポールを拠点に、日本食材の輸出入とPR を行い、経済産業省、農林水産省、中小企業庁、観光庁、 JETRO等の事業に携わる。その風土から企業撤退の多いインドで、10年以上日印文化交流の担い手となっている。
彼のインド市場における豊富な経験と、日本企業とインド市場をつなぐ役割を果たしてきた実績が、キッコーマンのインド進出戦略と合致し、同社の現地法人代表に適任と判断され就任。インド市場における醤油の普及に向けて、現地の食文化との融合を図る戦略を推進し、インドで、インド風中華料理(インド・チャイニーズ)が、広く親しまれていることに着目し、インド市場向けの新製品として、ベジタリアンでも楽しめる「オイスター・フレーバー・ソース」を投入。さらに、キッコーマンはインド市場でのブランド認知度向上を目指し、著名なシェフとのコラボイベントを計画。
それに先駆けて、日本の伝統的調味料でもある「キッコーマン醤油」を、「和中華」のジャンルを確立させ、日本から世界への普及を試みるため、「1022 T.T.T」のお店でも採用している菅谷シェフの協力により、インドの高級ホテル「Four Seasons Hotel Bengaluru at Embassy ONE/フォー シーズンズ ホテル ベンガルール アット エンバシー ワン」にて、2025/3/14(dinner).15(Lunch&Dinner)の二日間のみ開催するイベント「WA-Chuka」を予定しています。菅谷シェフは日本での営業もあることから、弾丸インドツアーとなるようです。
もうお一方、素敵紳士も同席され、大手総合リゾート企業「リゾートトラスト」にて、主要事業である「エクシブ/XIV」の立ち上げの中核を成し、ブランディング、プロモーション、HRD等、幅広く手がけ事業成長に大きく貢献された中野豊/Yutaka Nakanoさん。中野さんは現在、その経験、知見、人脈を活かし、様々なビジネスのコンサルティングを行うビジネスコーディネーターとして活動中。つい先日、今年で77歳を迎える喜寿を祝う会を催されたばかりで、総勢140名の友人たちに囲まれて、お歳を感じさせない現役振りを拝見しました。
さて、菅谷シェフが手がけるおまかせコースのスタートです。
菜譜
おまかせコースの構成は、温かなスープから始まり、バラエティ豊かな前菜の数々、独創的な技が光る一品料理が続き、〆には、麺とご飯料理を堪能し、甘美なデザートで締めくくる至極のフルコース。
まずは、乾杯のシャンパーニュをいただきます。
「Champagne Telmont/テルモン」
シャルドネ、ムニエ、ピノノワール、3つのブドウ品種の繊細なマリアージュが織り成す、フレッシュさとリッチさがあり、様々な風味のバランスが調和したメゾンのフラッグシップ。
此度のご縁に感謝して乾杯!
先付「ローストカシューナッツ」
まずは身体を温めてほしいと、温かなスープから。
「蟹肉蕪菁湯/ズワイガニとカブのスープ」
寒い日が続くこの時期にぴったりの温かなスープから始まる、シェフの優しさが詰まった至福の一品。蟹味がたっぷりと入り、とろみを利かせたスープは、シャンタンベースで、蕪の優しい甘みが体の髄に染み渡り、冷えた身体をほぐしてくれ、これからの食事への期待を高めます。
前菜は、中華料理らしく、多彩な品を一度に楽しめるように構成されています。
大きなせいろで登場する蒸し料理をシェアするのも中華料理の醍醐味です。
小鉢に取り分け。
「前菜六種」
前菜は中華料理らしく、多彩な品を一度に楽しめるように構成されており、王道から季節ものまで。
「口水鶏/よだれ鶏」
四川省の伝統的な味わいを持ち、香り高く、味わい深い一品のよだれ鶏。文字通り、その美味しさによって、思わずよだれが出てしまうほどの魅力を表現しており、その名に恥じない美味しさ。コク深いソースではありますが、添えられたトマトの果肉が後味のスッキリさを演出しています。
「拌縞鯵/縞鯵とうるいの和物」
上品な脂の旨味やコクのある味わいが楽しめる縞鯵を、シャキシャキとした食感でほのかな自然の苦味を楽しむうるいとの組み合わせ。
「炒明蝦/エビマヨ」
プリップリのエビマヨは、ジャガイモの細切りを揚げて添え、食感のアクセントに。
「粉蒸肉/豚バラ肉の餅米蒸し」
豚バラ肉は、餅米で蒸し、豆板醤のピリ辛さと五香粉の香りが食欲をそそります。
「白甘鯛/白甘鯛の揚げ物」
鮮度の良い白甘鯛を高音でサッと揚げ、大根おろしをベースとした麻辣ソースでいただきます。
「鮟鱇肝/あん肝」
紹興酒漬けのあん肝は、ねっとり舌に絡み付く官能的な美味しさで、酒の当てに最適。
「Chablis 1er Cru Montmains 2021 /
シャブリ プルミエ・クリュ モンマン 2021」
見事な果実の味わいをそのままに、ミネラルを感じ、シャープさのある綺麗な酸を味わえるセカンドラインのシャブリ。
お次の料理、春巻きに具を添えて巻き、揚げていきます。
「牡蠣春捲/牡蠣の春巻き」
パリッと小気味良い音を立てていただく春巻きの中には、牡蠣を豆板醤で辛めに炒め、オイル漬けにしたもので、濃厚な旨味を閉じ込めて、牛蒡や葱と大葉の香ばしさと食感をプラスし、香りと味わいのハーモニーが楽しめます。
熱々の土鍋が登場!
まるでマグマのようにぐつぐつと煮えたち、湯気を上げる土鍋。
フカヒレの醤油煮込みは、三分の一ほどを残して、赤酢の炒飯を添えて、味変を楽しむ二段仕込み。
「氣仙沼鱶鰭 佐 炒飯/気仙沼産フカヒレの醤油煮込み」
日本食材の魅力を活かし、旨みを凝縮させたスープを求めて試行錯誤した一皿。上湯と鶏白湯をベースに鰹節の出汁も加え、鶏肉や海産物の旨味、畑の食材の甘みとコク、深みのある醤油を用いた贅沢なスープで泳ぐフカヒレを味わいます。
後乗せする赤酢炒飯も小分けに。
「赤酢炒飯」
黄金色に輝く赤酢炒飯は、ほんの一口二口サイズで提供。
「三口ほど残しておいてください」と言われた濃厚な味わいのフカヒレスープに、赤酢の酸味を利かせた炒飯を加えることで、軽やかな味をプラスし、味わいの変化を楽しみます。フカヒレに赤酢、そして炒飯とくれば間違いないでしょう。
後半は、紹興酒をいただきます。
「紹興酒 古越龍山 陳年10年 茶甕」
甘味と酸味のバランスが良く、口当たりがまろやかな味わいの紹興酒。
「蒸九絵/クエの蒸し物」
淡泊ながら上品な味わいのクエを蒸し、刻んだ大豆と浜納豆を炒め、大豆のふくよかな旨味や食感を加えることで、より深みのある味わいに仕上げています。
ダイナミックに大きな中華鍋を振り上げ、その熱量を目の当たりにすると、パフォーマーのようなアクロバティックさに思わず歓声が沸きます。
シャッターチャンスを逃さぬようにと、熱々の土鍋を手に、ゲストを楽しませてくれる菅谷シェフ。
海鮮の香りとおこげの香ばしさが漂います。
料理だけではなく、目でも楽しめる色鮮やかな器の数々。
「鍋粑/海鮮おこげ」
自家製発酵唐辛子の酸っぱ辛く深みのある辛味がアクセントになり、鮑やつぶ貝、生わかめの海鮮の旨みが滲み出る濃厚スープにキレを加えた味わい深い一品。
お次は、長崎牛のヒレ肉を炭火で焼き上げて。
表面を香ばしく仕上げ、中は美しいロゼ色に仕上がり、スライスして提供。
「長崎和牛/長崎牛ヒレ肉の炭焼き」
長崎牛の肉本来の旨みとまろやかな脂身、その柔らかな食感とジュワッと溢れ出る脂の口溶けを、炭火焼きで仕上げることで、最大限に引き出し、香ばしく、迸るジューシーさを、ホワイトアスパラガスと共に楽しみ、キッコーマン丸大豆醤油と香辛料を利かせたソースでいただきます。
〆の麺とご飯料理は、「陳麻婆豆腐とご飯」、「マーボー白子とご飯」、「豆乳担々麺」、「鶏と葱の正油そば」の中から、それぞれが一品ずつお好きなものを選べます。
こちらへ伺ったからには、「四川飯店」を代表する「陳麻婆豆腐」を味わいたいもの。
「陳麻婆豆腐とご飯」
本場四川の味わいとなる「陳麻婆豆腐」は、花椒の強い痺れと唐辛子の辛さが特徴的で、四川料理独特の「麻辣」の風味が際立つ、後引く旨さの一品。
「マーボー白子とご飯」
豆腐の代わりに白子を用いた濃厚麻婆ですが、クリーミーな白子で豆腐よりもまろやかな味わいに。
「豆乳担々麺」
芳醇な芝麻醤をたっぷり使用し、クリーミーで奥深いコクが感じられるスープに、四川山椒や唐辛子の麻辣と、自家製ラー油が添えられ、奥行きのあるスープに。麺はスープによく絡み、滑らか食感。豆乳を加えることで、よりマイルドでクリーミーな味わいになっています。
「苺杏仁/苺の杏仁豆腐」
〆のデザートは、旬の苺をたっぷりと使い、優しい甘さと香り高さを楽しむ濃厚な杏仁豆腐。
フレッシュな茶葉をふんだんに用いた香り高いお茶で、食後にスッキリと。
「中国茶」
素晴らしい料理と楽しいひとときをありがとうございました。
「1022 T.T.T」では、伝統と革新が融合した中華料理を心ゆくまで楽しめます。香りとスパイスの魔術師、菅谷シェフの手にかかった本格中華のフルコースを堪能できた夜。余韻に浸りながら、今後の「和中華」の世界的な広がりを応援し、活躍を楽しみにしています!
1022/Ten twenty-two
住所:愛知県名古屋市西区那古野1-20-28-2 endoji square 2F
TEL:052-526-7332
営業時間:18:30〜一斉スタート
定休日:日曜日、祝日、不定休有り
https://1022ttt.com/