新市場入口の幸せの「イノシシの像」とフィレンツェの人々が誇る「花の聖母の大聖堂ドゥオーモ」

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フィレンツェの街の中心にあるメルカート・ヌオーヴォ(新市場)のロッジア(開廊)の南側脇には、「幸運の子豚」と称されるフィレンツェのシンボル・イノシシの像があります。現在の共和国広場にかつてあった市場を旧市場と呼ぶのに対して、こちらを新市場と呼んでいます。当時は、高価な絹織物や毛織物にフィレンツェ伝統の麦藁の帽子などを販売していたようですが、現在はリーズナブルな革製品の屋台が並んでいてショッピングが楽しめます。そしてその南側に座っているのが、この“子豚(伊:Porcellino ポルチェッリーノ)”と呼ばれている”イノシシの像”です。1640年頃に、彫刻界の大御所ジャンボローニャに学んだピエトロ・タッカによって作られたものですが、当時の愛称で“子豚”と呼ばれていたことから、そのまま名称として今に残されています。表面に施された毛並みや、イノシシの棲む沼地の様子(植物、両棲類や爬虫類)など、リアリティ溢れる表現力は大変評価されているブロンズ像なのです。画像をご覧いただければお判りのように、このイノシシの像は、「鼻を撫でると幸運がもたらされる」との言い伝えがあり、観光客はこぞってこのイノシシの像の周りに集まるため、大変賑わっております。鼻を撫でるだけではなく、口の中にコインを入れて手を離し、そのコインが土台の格子の下に落ちればとても縁起が良いとされ「望みが叶う」又は「フィレンツェに再訪できる」とされています。イノシシの鼻だけが金色に輝く姿、一体どれだけの人々がこの鼻を撫で願いを唱えて来たのでしょう。ちなみにこのイノシシの像はレプリカで、2004年よりオリジナルはバルディーニ美術館に保管されているとのことです♪

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賑やかな新市場メルカート ヌオーヴォ(伊:Mercato Nuovo 別名:ポルチェッリーノ市場)では、バッグやポーチ、ベルトなどの革製品から、衣類、マーブル紙の文具など、工芸品を中心に販売されています。敷地内に露店が軒を連ねており、革製品といえども、リーズナブルな掘出し物探しにお勧めです。ツアー観光中には、なかなか自分のペースではゆっくりとショッピングを楽しむことができませんので、自由行動になってから、夜にもう一度こちらの新市場に舞い戻っていろいろと物色することにしました。そして、見事なまでに色鮮やかなお気に入りの赤革の長財布を見付けることができ、さっそく優しそうなシニョール(伊:signore 男性)に値段交渉し、お安く購入することができました!覚えていますか?「まけてください Sconto,per favore(スコント ペル ファボーレ)」必ず笑顔でお願いしてみましょうね(笑)

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シニョーリア広場、そしてメルカート ヌオーヴォ(新市場)の幸せのイノシシ像を後にし、旧市街地を徒歩で観光しながらサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂ドゥオーモに向かいます。

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アスファルトにアートを施しているアーティスト達の姿があり、決められたスペースに描いているように見受けられたので、何かのイベントでしょうか?このように街のいたるところでアーティストたちの作品を垣間見ることができるのです。さすが芸術の街フィレンツェですね♪

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メルカート・ヌオーヴォ(新市場)より旧市街地を徒歩8分ほど行くと、突如パッと視界が広がる大聖堂広場に天高くそびえ立つジョットの鐘楼(伊:Campanile di Giotto カンパニーレ・ディ・ジョット)が目に飛び込んできます。1334年~1359年にかけて建設され、大聖堂と同じく赤、白、緑の大理石で作られているゴシック様式の鐘楼で、塔の高さは約84m。当時、建築を担当した画家であり、建築家でもあったジョット・ディ・ボンドーネは、着工わずか3年で第1層を完成させ他界してしまい、その後、第2層をアンドレア・ピサーノが引き継ぎ、さらに第3~5層をフランチェスコ・タレンティが完成させています。塔の外壁をじっくりと見ながら、3人の建築家に拠って成せられた階層ごとに異なる様式を観察するのも楽しいでしょう。この大鐘楼は今も時を告げる鐘を鳴らし続けているのです。そして見晴台スポットとしても有名で、414段の階段を上った先には市内を360度見渡すことができるのです。見晴台への入り口は、サン・ジョヴァンニ洗礼堂を正面にすると裏側に存在します。階段は狭く段差も厳しいので、体力に自信のある方は軽装で臨むと良いでしょう♪

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サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(伊:Cattedrale di Santa Maria del Fiore)のファサード(正面)は、着工当時アルノルフォ・ディ・カンビオが手掛けた装飾は1587年に取り壊され、現在のものは19世紀の再建です。白大理石を基調とし、ピンクやグリーンの色大理石を使用した幾何学模様は精緻でネオ・ゴシックによる混成様式となります。

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そしてサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂付属の洗礼堂であるサン・ジョヴァンニ洗礼堂(伊:Battistero di San Giovanni)は、大聖堂の正面玄関に向き合って立っている八角形の建築物で、ロマネスク様式の最も重要な集中形式の教会建築の1つとなり、聖ジョヴァンニ(洗礼者ヨハネ)に捧げるため11世紀に建設されています。14~15世紀には建物に青銅製の3つの門扉が取り付けられ、南門はアンドレア・ピサーノが、北門と東門は ロレンツォ・ギベルティが制作しています。完成までに27年もかかった画像にもある東門は、左右10枚のパネルで構成されたレリーフで旧約聖書をモチーフとし、そのあまりの美しさに感動したミケランジェロが「天国の門」と賞賛したことから、現在はこの名前で知られ注目スポットとなっています。今回のツアーでは、この大聖堂広場からフリータイムとなり自由行動となります。わたし達夫婦は、映画「冷静と情熱のあいだ」で話題となったドゥオーモのクーポラの見学は時間を考慮し諦め、目的の中央市場(伊:Mercato Centrale メルカート・チェントラーレ)とお目当てのレストランでのランチへと向かいます♪

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大聖堂広場より徒歩5分ほど北上すると、サン・ロレンツォ教会(伊:Basilica di San Lorenzo)があります。こちらのファサード(正面)はレンガがむき出しになっており未完のまま。内部は9年の歳月を費やして完成させ、未完のファサードからは想像だにできない洗練されたものになっており、老コジモの父であるジョヴァンニ・ディ・ピッチが眠っています。鮮やかな天井ドームや主祭壇、ドナテッロ作の説教壇などが見所です♪

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サン・ロレンツォ広場の南東角にあるジョヴァンニ・デッレ・バンデ・ネーレ(伊:Giovanni delle Bande Nere)黒旗のジョヴァンニ、トスカーナ大公コジモ1世の父親の像がある交差点が目印となり、露店が繰り広げられる道を進めば、目的の中央市場(伊:Mercato Centrale メルカート・チェントラーレ)へ到着します♪

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サン・ロレンツォ広場からアリエント(伊:Ariento)通りにかけてズラリと立ち並ぶ露店では、フィレンツェの工芸品や革製品、マーブル模様の紙製品、衣類やお土産ものも所狭しと並んでいるのでショッピングが楽しめますよ♪(※日曜と月曜は市場はお休みだそうです。)さて次回は、楽しみにしていた中央市場(伊:Mercato Centrale メルカート・チェントラーレ)を紹介しましょう♪

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 Cattedrale di Santa Maria del Fiore
所在地:Piazza del Duomo, Firenze, イタリア TEL:+39 055 230 2885
営業時間:10:00~17:00(5.10月の木曜は~16:00、11月~4月の木曜は~16:30、土曜は~16:45)
入場料:無し※ドゥオーモのクーポラは€8(日本円でおよそ1,120円ほど)

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