映画「リトルブッダ」撮影地となったバクタプールのダルバール広場!

首都カトマンドゥ(Kathmandu)より東へ12km程の丘の上に、中世の美しい街並みを色濃く残すバクタプール(Bhaktapur)の「ダルバール広場(Durbar Square)」へ!「ダルバール(Durbar)」とは、ネパール語で「宮廷または王宮」を意味し、マッラ王朝時代の3人の兄弟となるそれぞれの王が宮廷の美しさを競い合い、見事な装飾を施した宮殿や寺院を建設したため、現在もカトマンドゥ、パタン、バクタプール3つの王宮広場がネパールの一大観光名所となっております!

こちらでは、バクタプール出身で活躍するコメディアンのラズ・マナンダー(Raju Manandhar)兄弟が地元を案内してくださいました!

こちらの広場も2015年4月25日に見舞われたネパール大震災の大きな被害を受けており、あちらこちらで修復作業に取り組む様子が伺えますが、カトマンドゥやパタンの王宮広場に比べると復旧が進んでいるように思えます!

広場中央は、1427年建立の「ダッタトラヤ寺院(Dattatraya Mandir)」やその向かい側の「ガルーダ像(Garuda)」が建つタチュパル広場(Tachupal Square)となり、マッラ王朝初期以前から残る一番古い街並みが残されています!

15世紀~18世紀にかけてのマッラ王朝時代に3王国の首都の1つとして栄えたバクタプール(Bhaktapur)は、「帰依者の町」という意味を持ち、別名「バドガオン(Bhadgaon)」とも言われています!マッラ王朝はヤクシャ・マッラ王の死後、3人の王子によって、カトマンドゥ、パタン、バクタプールの3つに分裂してしまい3王朝時代に突入します。兄弟間の激しい勢力争いにより、より豪華に、より強大にと王宮を拡張し続けた結果として、この豪壮な宮殿の建設や芸術文化の発展に繋がっていったのです!

マッラ王朝時代に建てられた王宮の入口「ゴールデンゲート(Golden Gate)」をくぐり、「旧王宮(Royal Palace)」へと参ります!ゴールデン・ゲートの彫刻は素晴らしく、頭上にはガルーダが羽ばたき、さらに4つの顔を持ち10本腕のマッラ王朝の守護女神タレジュ・バワニの姿が伺えます!

旧王宮左側は「国立美術館(National Art Gallery)」として公開されており、仏画や神像などが展示されています。右側は、17世紀~18世紀にかけて造られた55窓の宮殿が伺え、木彫りの細やかな装飾の窓がネワール建築の傑作として残されています!奥にある「タレジュ・チョーク(Taleju Chowk)」はヒンドゥー教徒以外立ち入り禁止となります!

王家の沐浴場となるナーグ・ポカリ(Nag Pokhari)は「ナーグ=蛇)」と言うだけあって、浴場中央にはコブラの姿があり、周囲にも蛇のデザインが施されており、蛇と蛇が尻尾で絡まる様子は、まるで1匹の巨大な大蛇のように見えます!

17世紀に建てられた石造りの「シッディ・ラクシュミ寺院(Siddhi Lakshmi Temple)」も震災で倒壊しており、基盤となる石段に建つ人間や動物の像だけが残されています。

各広場に抜ける細い路地も風情があります。

広場で一際目を惹くのは「トウマディー広場(Taumadhi Square)」です!1993年に公開された映画「リトル・ブッダ(LIttle Buddha)」を撮影するにあたり、ベルナルド・ベルトルッチ(Bernardo Bertolucci)監督は、キアヌ・リーブス(Keanu Reeves)演じる若き日のシッダールタ(Siddhartha)王子が過ごした町のロケ地に、このバクタプール(Bhaktapur)の街並みを起用しています!

18世紀はじめに建てられた5重の塔「ニャタポラ寺院(Nyatapola Mandir)」で視察団一同記念撮影!こちらは、カトマンドゥ盆地にある寺院の中で最も高い30mの高さを誇り、見上げれば圧巻の迫力です!正面石段の両側には、下から順に伝説上の戦士、象、獅子、グリフィン、女神の石像が守護神として1対ずつ配されています!

石段を登り、広場を見下ろしてみたいと思います!しかしながら、手すりなどは無いため足腰の弱い方はお気を付け下さい!

鳩が舞う青空の先に望むヒマラヤ山脈は壮観で、広場の賑わいや地元民の自然な生活が伺える壇上は最高の眺め!左手には1934年の震災後に再建された「バイラヴナート寺院(Bhairavnath Mandir)」があります。ニャタポラ寺院の壇上を一周回り、御参りさせていただきました!

カトマンドゥやパタンの喧騒とはかけ離れており、古き良き時代の美しさが残り、静かで落ち着きのある古都バクタプール(Bhaktapur)は何処か王宮の品位を感じ、わたしのお気入りとなりました♪

タチュパル広場(Tachupal Square)へ戻り、バクタプールの名物で「ズー・ズー・ダウ(juju dhau)」と呼ばれるヨーグルトをこちらの売店でいただきます!こちらでは、店先に「King Curd(王様の凝乳)」と英語で書かれた看板が出ております。バクタプールの中にあるカフェやレストランでもこの名物は何処にでもあります!

「ズー・ズー・ダウ(juju dhau)」50ルピー(日本円にして約54円)※観光客は100ルピー(日本円にして107円)

ズー・ズー・ダウ(juju dhau)は、バクタプールが誇る甘くてクリーミィーなヨーグルトで、地元民のみならず観光客にも大人気!素焼きの器で提供されまるところがまた素敵!「juju=王様」、「dhau=ヨーグルト」で「王様のヨーグルト」と呼ばれております!

水牛のミルクで作られたヨーグルトは、濃厚ながらに爽やかな味わいで、シュワッと弾けるような口当たりはインパクトがあり、まるでチーズケーキのようなリッチなテイストで絶品!これはバクタプールに訪れたら是非とも食べて欲しい一品です!穏やかな顔を覗かせる山羊さんと一緒にハイ・チーズ!

広場の脇道には、様々な土産物屋が並びます!

木彫り彫刻の置物が陳列され、民族楽器店などが建ち並ぶ中、ネワール彫刻の掘り出し物が見つかるかもしれません!

こちらのショップは、優しく声がけしてくれた女性オーナーが運営されており、店頭に置かれた商品の殆どが彼女の家族の手彫り作品だそうです!ネワール彫刻の最高傑作と言われる「孔雀の窓(Peacock Window)」は、「うちの2階に上がると真正面から良く見えるよ」と案内してくださいました!

現在は「木彫美術館(Wood Caving Museum)」となっている、かつての僧院「プジャリ・マート(Pujari Math)」。その建物の左側面には、「孔雀の窓(Peacock Window)」が伺え、初代の物から、改良され、より細やかな細工を施す物までを見比べることができます!

バクタプールの裏路地で糸を紡ぐお母さんの姿。

この日より2日間、ツーリストバスのドライバーとして活躍してくれたサーザン(Sajan Ghimire)は、23歳とまだ若く、とても爽やかなイケメンです!

サーザン(Sajan Ghimire)のみならず、ネパールのドライバーは皆、かなりのドライバーテクニックを持っており、人や自転車が溢れかえる、ありえない細道やデコボコ悪路を難なくクリアしてくれ、逞しい限りです!

夕陽が沈む頃、お次はネパール民謡の生演奏と民族舞踊のショーが繰り広げられるレストラン「ボージャン・グリーハ(Bhojan Griha)」に向かいます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

先頭に戻る