フランス三大地鶏の一つとなるブランド地鶏「プーレノワール(Pouletnoir)」の生産・販売をされている磐田見付の「フォレストファーム恵里(めぐり)」へ足を運ばせていただきました!
私たちは国内外の高級リゾートホテルやミシュランクラスのレストランを中心としたライフスタイルに関連する情報を配信して参りましたが、現在はコロナ禍ということもあり海外への渡航はおろか県外にも思うように足を運べておりません。そこで、コロナ禍でありながらもできることを始めようと、私たちが住まう静岡県を拠点にしながら全国の生産者さんとシェフの皆さんを繋ぐ活動を始めています。
先日、中国料理では初となるミシュラン三つ星を獲得された「茶禅華-SAZENKA-」の川田智也シェフも「ONESTORY」のFIND OUT SHIZUOKAの企画にてフードキュレーターと共に遠州の食材を探求されており、こちら「フォレストファーム恵里」の中安政敏さんの養鶏場も見学されています。
こちらで飼育されているプーレノワールは、フランス農務省認定のラベルルージュ(赤ラベル)の貼付認可を受けた黒い鶏で脂質が少なく肉のきめが細かいという特徴で独特な歯応えがあり、風味良くまろやかでジューシーな味わいとのこと。※Poulet noir=フランス語で「プーレ=鶏」、「ノワール=黒」
成体で5kgほどになるプレノワール。
迫力のある真っ赤なトサカを持つ大きな黒鶏がオスになり、小さい黒鶏がメスとなります。
養鶏場オーナーの中安政敏さんは春野町で8年、此処見付で8年とおよそ16年ほど養鶏を担っており、全国的にも珍しいフランスの原産の黒鶏プーレノワールを丹精込めて飼育されています。
昨年はコロナ禍のあおりを受け、一時は出荷ゼロの状態に追い込まれてしまい、苦肉の策として飼育量を極限まで減らし難をしのがれたと話してくださいました。
現在は浜松駅前商店街の人気マーケットとなる「浜松サザンクロス・ほしの市」などのイベントをはじめ、東京のマーケットへも足を運び、焼き鳥屋台を出店をされながら多くの人にプーレノワールを知っていただく活動をされています。
まずはプーレノワールの生後約2週間となる雛(ヒナ)を見せていただけるということでヒナ専用の小屋へ。
まだ産毛のように羽毛が柔らかくふわふわで、手の平にすっぽりと収まってしまうほどの小さなヒナ。
手乗りインコならぬ、手乗りプーレノワール!
孵化して直ぐに出荷されるヒナは、お腹の中に卵黄を蓄えた状態で出荷されるため、その卵黄の養分を少しずつ吸収しながら栄養を摂って過ごすそうです。卵黄の周りに存在する胚の部分がヒナに成長するのですが、卵黄がヒナになると思っていらっしゃる方もいますよね、と中安さん。私も初耳でした!
羽をパタパタと羽ばたかせ、仲間の元へと戻っていきました。
ヒナはおよそ150日前後の飼育日数をかけてじっくりと育て上げられます。
こちらでは新たに2月より希少価値の高いオランダ原産の黒鶏「ネラ」も300羽ほど入荷しており飼育を始められたとのこと。
縞模様の子がオス、小さな黒毛の子がメス。
「世界一綺麗な形の卵」、「世界一美味しい卵」と名高いネラの卵は8月に生んでくれるそうなので楽しみに待ちたいと思います♪
こちらでは鶏へのストレスを最小限にするため、直接地面で平飼いにされており、雄も雌も共に飼育することでより自然に近い環境を作られ、オスはメスの数に対して1割に抑え、メスにとっても負担がかかり過ぎないように配慮されています。
自然界に近い形ということで、オス同士の縄張り争いの喧嘩が行われることもしばしばあり、ドンのような存在感を放つオスがいれば、子分のような存在のオスもいます。
メスの背中の黒毛がむしり取られてしまっているのは、オスが交尾中に乗って爪を立ててしまうからと、なかなか聞けない生々しい話まで本当に貴重なお話を伺うことができました。
「良かったら中へどうぞ!」と、養鶏場内へ足を踏み入れさせていただくと、近寄る私を怖がってそそくさと足早に逃げ去ってしまうプーレノワールたち。
「大丈夫、怖くないよ!」と声掛けしながら、座ってジッとしているとそろそろと近付いて来てくれました!
時折、脱走兵がいるようですが、不思議なことに遠くへ行ってしまうこともなく、朝晩と2回、餌箱に餌を入れる時間が来ると必然的に脱走兵も鶏舎へ戻ってくるそうです。
砂遊びのように穴を掘っている光景を目にしましたが、これらは砂浴びと言われており、寄生虫退治のためと羽の汚れを落とすためと言われ衛生管理、体調管理の役割を担っています。
今年の3月からヒナの入荷数を戻されつつあるようで、現在こちらの鶏舎では1,000羽ほどを飼育されていますが、コロナになる前は2,000羽もの鶏を飼育されていたこともあるため、マックス時に比べればまだまだ半数とのこと。
コケコッコーと元気にプーレノワールの鳴き声が響き渡る長閑な午後。
炭をおこし、私たちのためにプーレノワールの炭火で焼いた焼き鳥を提供してくださいました!
串打ちもご自身でされ、流れるような手際の良い手付きで焼かれている様子を見て不思議に思っていたのですが、実はイベント等で焼き鳥屋台を出店するために、浜松は入野町の有名店である「炭焼のっぽ」で修業されていたご経験があるとのこと。
数ヵ月程度の修行のつもりで立たれた中安さんですが、店主から「今、戦力に止められては困る」と続けられること3年。
既に職人の域の腕前を披露してくれました!
プーレノワールの味わいを楽しめるように味付けはシンプルにフランス産のゲランド塩のみでいただきます。
イベントでの焼き鳥屋台では、3年熟成再仕込栄醤油に本みりんやザラメ、和三盆、りんご、パイナップル、昆布を独自の配合で作った秘伝のタレでも焼き上げています。
「もも肉、せせり」
今回の試食は生育約3ヶ月のプーレノワールで中抜き1.3kgぐらいの子を試食させていただいたのですが、火入れも抜群で、香ばしい香りを楽しみながら堪能。もも肉でも脂はしつこくなく、臭みは全く無く、あっさりと上品な味わいで、噛めば噛むほどに出てくる肉の旨味の味わい深さが楽しめます。
肉質がとてもきめ細かいため、水分の保持力も高く、冷めても固くならない焼き鳥。
「ハツ、レバー」
「胸肉、ササミ」
「ふりそで、鶏皮」
最後に飼料小屋を見せていただきます。
一般の飼料だとビタミンAからはじまり25種類ほどのマルチビタミンで構成されており、防カビ剤や抗生物質、着色料などが含まれるため安心安全とは言い難いと中安さん。
此処ではただひたすらにプーレノワールの健康やそれを食する人の健康を考えられており、朝晩2回の餌やりでは抗生物質・化学添加物・遺伝子組換え等の飼料を与えることなく、お米、大麦、小麦などの飼育米を主体に天然飼料を乳酸菌、酵母で発酵させた安心安全な飼料を与え、約5ヶ月の飼育となります。
飼料の中には竹酢液も混ぜ合わせられているようで、長年、竹炭を焼く事業にも取り組まれていた中安さんだからこその成せる技。
現在の飼育状況に満足することなく、常に、より健康でより美味しい鶏となるよう飼育や飼料について思慮されているご様子が伝わってきました。
オーガニックな卵の殻はしっかりと固く、全てが有精卵となり生命力に満ち溢れています!
伸びやかにスクスクと育つここの鶏たちは、自然に自生している草も食べているため卵黄は眩いばかりに鮮やかなレモンイエローになります。普段はオレンジ色の卵を食していることが多いので、これぞ本物の卵と思わず頷いてしまいました。
2日に一度しか生まない貴重なプーレノワールの卵をいただき、最後に中安さんと一緒に記念撮影!
「プーレノワールの卵かけご飯」
翌朝、炊きたてのご飯にプーレノワールの生みたて卵を割り入れ、ゲランドの塩と太白胡麻油をかけて葱を添えていただきます。プルンと弾力のある白身、張りのある卵黄、ねっとりと濃厚な味わいが楽しめる究極の卵かけご飯を楽しませていただきました!
中安さん、ありがとうございます。また伺いますね!
フォレストファーム恵里
住所:静岡県磐田市見付1720-107
TEL:090-7610-6796(中安)
https://www.instagram.com/pure0141/
2021/05/31
お世話になります。
エルルカンビスの澁谷です。
プーレノワールを新メニューで考えております。
また、鈴木農園さんの野菜も使ってみたいです。
根建さんのご紹介と言う事で連絡してもよろしいでしょうか?