「和味の宿 角上楼」伊良湖の新鮮な地魚と郷土料理が楽しめるお糸路料理

夏の夜を迎える老舗日本旅館「和味の宿 角上楼(Kakujoro)」は、行灯の優しい灯火が、より一層館内の雰囲気を艶めくものに映し出し始めます!

お風呂上がりということもあり、肌に感じる風が心地良く、館内はとても静かで、涼やかな風に乗り虫たちの鳴き声が響き渡る癒やしの音色!

辺りはすっかり薄暗くなり、個室の準備が整う頃に、こちらでの御夕食時間を迎えます!今回頂くコースは、近海の海の幸と風土を大切に渥美半島の恵みを活かした郷土料理のコース「地魚会席お糸路料理」です!ここ渥美半島の先端伊良湖から伊勢神宮への絹糸の奉納路を、かつては「お糸路(おいとじ)」と呼んでいたそうです!

そんな「お糸路」の名に因み、渥美半島で育まれた山海の幸を活かした郷土料理の数々となる会席料理と、今回もLade企画の『器と旅するシリーズ』を御紹介させて頂き、企画第一弾で登場した陶芸家の「釋永 岳 (Gaku Shakunaga)」の無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインを誇るシャープな器と、企画第二弾で参加して頂いた下尾 和彦 (Kazuhiko Shimoo)さん&下尾 さおり (Saori Shimoo)さん御夫婦のユニット作家「Shimoo Design」の「日本の美」を象徴し、合理的且つ美しさを忘れない木製器とコラボレーションしていただきます!

こちらでも、仲居として務められるベトナム人のTanくんがわたし達の夕食をサーヴしてくれます!
とてもピュアな青年ですので、多少言葉足らずなところは御愛嬌!

当主でありながら料理人として腕も振るう上村 純士 (Junji Uemura)さんに料理に合う日本酒をお願いし、青森の銘酒「西田酒造店」の「田酒 特別純米酒」を用意していただき乾杯!青森県産酒造好適米の「華吹雪」を使用した銘酒は、コクのある味わいで、飲み飽きることのないスッキリとした旨味が楽しめます!

■「先付 山芋のすりながし」×「器:釋永岳 呑みすぎる杯 ゴブレット」

ひんやりと冷やした釋永岳の薄杯に流し込んだ山芋のすりながしは、上にオクラを添え、中には平貝が忍ばされており、とろみの効いた山芋がツルッと喉を通り、軽快な始まり!

■「御口取 日替わり旬の逸品」×「器:釋永岳 リバーシブル シャーレ Φ25」

渥美半島・伊良湖と言えば貝が有名で、シーズン毎に味わえる貝が異なるため、今回のコースにも貝がふんだんに盛り込まれています!
左手から「あさりの手毬寿司、ミニトマトのコンポート、枝豆、焼きヤングコーン、天然のもずく酢、豚の角煮」と、どれも素材の良さを感じられる優しい味付けで酒の当てに嬉しい一品たち!

■「御造 旬の魚介と地野菜お造り」×「器:Shimoo Design KAZARIDAI W500 × D90 × H30」

当主の上村 純士 (Junji Uemura)さん自ら伊良湖市場で仕入れるキトキトの地魚と日本一の生産高を誇る野菜王国渥美の新鮮な野菜を楽しめるお造り!瑞々しくシャッキシャキの歯応えで、甘みを感じる鮮度抜群の地野菜は、キャベツ、ズッキーニ、グリーンアスパラガス、赤黄パプリカとなり、もろみ味噌と塩でお好みで頂きます!刺身は、小葱を巻いた河豚はポン酢で、ぷりっぷりの白ミル貝や鯛、コリコリとした食感が美味しいサザエは醤油や塩で楽しみます!

■「焼物 岩牡蠣の蒸し焼き」×「器:釋永岳 新作áge Φ30」

器から零れ落ちんばかりの特大サイズの岩牡蠣は、殻ごと蒸し焼きで提供され、レモンをギュッと絞って頂くと、口一杯に溢れ出る大きさで海の香りが広がります!

■日本酒「黒龍 純吟 純米吟醸」

福井県産五百万石が持つ米本来の旨みがあり、爽やかな飲み心地!

■「鍋物 保美豚の南蛮鍋」×「器:釋永岳 大工カットΦ30、Φ20」

「安全で美味しいお肉」とシンプルな目標を掲げ、病気を防ぐ抗生物質や抗菌剤等の薬を一切使わず、開放豚舎でのびのびと育てられた渥美半島のブランド豚「保美豚(Houbiton)」を用いています!水菜、白葱、豆腐、えのき茸、人参の上に保美豚を添えて、蓋をし蒸らしながら火入れしていきます!乾燥させた実山椒をミルで細かく砕き、それを振りかけ、香りを楽しみながら頂く南蛮鍋!きめ細やかで見事な薄紅色をしており、しっとりとした肉質は旨味と甘味が堪りません!

■「煮物 夏野菜の炊合せ」×「器:釋永岳 gen 薄鉢 Φ23」

地鶏の煮寄せ、人参、茄子、冬瓜、南瓜、オクラをあっさりと炊き合わせ、柚子の香りを少々纏わせて!

■「揚物 鱧の香り揚げ」×「器:釋永岳 gen 台皿 Φ20」

鱧に大葉を巻き、レモンを絞ってさっぱりと味わいます!

■「御飯 しらすと大葉の炊き込みご飯」×「器:釋永岳 mars bowl Φ10」

土鍋で炊き上げたばかりのご飯は、どっさりと大葉を散らして、しらすの風味と大葉の香りを楽しむ逸品となり、鍋底に付いたお焦げも最高です!おかわりもしましたが、残ったご飯はお夜食用におにぎりにしていただきました!

■「止椀 郷土料理 八杯汁」×「器:釋永岳 gen bowl Φ11」

■「香物 自家製新香」

郷土料理となる八杯汁は、あまりに美味しいことから「八杯ものご飯をおかわりしてしまう」などということから名付けられたと言われており、野菜をたっぷりと頂く汁物で、煮干しの出汁の香りが食欲をそそります!自家製のお新香は、大根、人参、茄子となり、ご飯のお供に丁度良い浸かり具合です!

■「甘味 水菓子」×「器:釋永岳 新作mars 平皿 Φ25」

冷やしぜんざい、西瓜、メロン、さくらんぼ、紫陽花をモチーフに色付けしたゼリーとミルク寒天を合わせて涼し気に!

食後は、手の空いた当主の上村さんに「角上楼」の歴史や秘話を伺いながらの歓談タイム! ありがとうございます!
上村さんは元々全く畑違いのお仕事に従事されていたそうですが、結婚を機に、先代の御両親が営んでいたこの旅館を受け継ぐ決意を固められたそう。しかしながら、当時の経営状況は、先代で尽きるかのように廃館に近い状態であったため、何とか夫婦で案を出し合い試行錯誤を繰り返し、紆余曲折ありながらも、先を見据え少しずつ手を加え、今残せる旅館として再生されてきたとのこと!

今でこそ歴史ある老舗旅館を立派に再生されておりますが、その当時の事を振り返れば、御苦労が絶えなかったことなども包み隠すこと無くお話してくださるので、その飾り気の無い実直な姿勢で、まるで家族のような親しみさえも感じる上村さん。ここ「角上楼」が醸し出す雰囲気が、心温まるおもてなしで居心地が良いと感じるのも、そんな当主に恵まれたからこそなのかもしれません!

現在、上村さんは「角上楼」を代表し、若き次世代を未来へ繋ぐ第一歩として、新たな試みを目標に動かれ、日々お忙しくされているようです!
いつかそのお話が実現する際に、また御紹介できればと思います!

和味の宿 角上楼
住所:愛知県田原市福江町下地38
TEL: 0531-32-1155
https://www.kakujoro.com/

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