味岡伸太郎氏主催による「豊川沿岸の野草料理 Vol.5 in 湯谷の家」で野草を食す!

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豊橋駅(愛知県)~辰野駅(長野県)まで195.7kmの間に94もの駅があり、平均駅間距離がわずか2.1kmJR東日本飯田線。その飯田線の途中駅(中間駅)の1つである湯谷温泉駅を超えて、のどかな小路を飯田方面に5分ほど歩き、田の島踏切を過ぎて線路を渡ると見えてくる赤い屋根の小さな家。これがアーティスト味岡伸太郎氏の別邸「湯谷の家」となります。

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見渡す限り緑の森と山々に囲まれ、清流の涼しげなせせらぎが聞こえる長閑な土地。踏切もない線路をまたいだ向こうに湯谷の家があります。この線路を渡らずして湯谷の家には辿り着けません。飯田線は、1時間に1本程度のダイヤとはいえ、慎重にスリルを味わって渡りましょう(笑)

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湯谷の家では、昨年2013年5月より、四季に1度、3年の月日をかけて行われる野草料理を体験する会が行われており、2014年4月26日(土)第5回「春野草」の会となります。この日は、主催者の味岡さんにお誘いをいただき、夫婦2人で参加させてもらいました。開始時刻より少し早めに到着したものの、既に準備に取り掛かる方々の姿が。

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湯谷の家の向かいには宇連川(うれがわ)が流れており、四季折々の様子が板敷川の清流に映え、現在は新緑の若々しい芽吹きが堪能できます。今回は、この付近で採れる野草を野草の達人である山野草研究家のゲーテ高橋氏と食・酒・旅の探求人露久保瑞恵さんの御2人が様々な野草料理で味岡さんの器でおもてなししてくれるというから楽しみです♪

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丸八不動産グループの平野夫妻も到着されたところで、野草料理の会、開幕です♪

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味岡さん自身も準備に精を出しており、陶器を焼く用に使用していた煉瓦の窯を組み直し、この日のメイン料理となるピザ窯を造ってしまったというから驚きです!薪をくべる姿に皆さん興味津々!この窯では、野草の野蒜(ノビル)を使用してピッツァを焼いてくれます♪

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20名以上の方々が集い、湯谷の家の中では、既に用意された20種以上の野草料理たちを前に、今か今かと「いただきます♪」の挨拶を待つ皆さん(笑)箸を付ける前に、主催者の味岡さんからのご挨拶♪

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囲炉裏を囲んで、木のテーブルに並ぶ数々の野草料理たち。野草の種類にも驚きましたが、シンプルでありながら同じ味わいのものは1つもなく、それぞれの野草に合う調理法で素材そのものの自然の味わいを上手く表現されています。そんな野草料理たちを彩るように盛られた味岡さんの無骨で荒々しくも自然に溶け込むかのようなありのままの姿で模る器たちもまた風情があります♪

春の野草料理おしながき
薮甘草の土佐和え、アメリカフウロの胡麻味噌和え、ウコギ飯、タンポポの根のキンピラ、浜大根の実の塩茹で、虎杖の柴漬け風、擬宝珠(ウルイ)の磯部和え、タンポポの葉の胡麻和え、擬宝珠(ウルイ)のサラダ、浅葱焼き、野蒜(ノビル)とイカのヌタ、二輪草とお揚げの海苔サラダ、スカンポの浅漬け、薮甘草とイカの酢味噌和え、浜大根の実と海老の揚げ春巻き、イタドリの油炒め、山ウド(野竹)の含め煮、浅葱と手作り味噌、スカンポのおかか和え、浅葱のフィッシュケーキ、野蒜(ノビル)とモッツァレラの窯焼きピッツァ、桜茶、タンポポコーヒーと全部で23種の素晴らしい品揃え。

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ゲーテ高橋さん(写真右)が手掛けられた野草料理のレシピや野草の特徴など1品ずつ詳細を説明してくださいます。特にゲーテ高橋さんのタンポポコーヒーの煮出した香りが部屋中に漂い、香ばしくあっさりといただける味わいはとても印象的。コーヒー豆を使用しないタンポポの根を使ったタンポポコーヒーは、カフェインを含まないため、不眠症患者や子供、妊娠・授乳期の女性でも飲用でき、二日酔いや肝臓、便秘にも良いとされています。タンポポは、花びらを天ぷらでいただくことはあっても、根の部分までいただくことはなかったので、余すとこなくいただける食材の素晴らしさを堪能。食したことのない浜大根の実の塩茹でなどは、食感が楽しめ、珍しい野草料理にも出会え、桜の花びらを塩漬けにしていただく桜茶も、春の香り優しく食卓を華やかに飾っておりました♪

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お次は、露久保瑞恵さん(写真右)から、手掛けられた野草料理のレシピや野草の特徴など1品ずつ詳細を説明していただきます。味岡さんより、「天ぷらとかありきたりの調理法ではなく、嗜好を凝らして欲しい」と事前に要望があったようで、「野草にこういう調理法もできるんだ!」という驚きの発見も多々あり、楽しく食事させていただきました。女性らしさが溢れる料理として印象的だったのは、果実も使うことでさっぱりと仕上げられた二輪草とお揚げの海苔サラダ。そして、表面パリッと中はしっとりの浅葱のフィッシュケーキや、ノビルとモッツァレラのピッツァは、野草が立派なメインディッシュになることにも感動し、それ以上に味わいも美味しかったことに大満足です♪

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味岡さんのお嬢様、宮田明里さん(写真左)は、今回の野草料理たちを1品ずつカメラに収めています。最終的には、3年かけて作られる四季折々の野草料理たちの本を出版される予定の味岡さん。前回拝見した花頌抄の生花たちの写真集も素晴らしかったですが、野草料理と味岡さんの器たちのコラボ集も楽しみでなりません♪

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様々な野草の中には、食べられるもの、または毒素があり食べられないものも存在します。知識なくして無闇に口にするのは危険です。このように、野草研究家の方々の安全下であれば、自然の恵みを食すことができるのです。勉強にもなりますし、有難いですね♪

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取り皿と箸をそれぞれに持ち、全種の味わいを堪能しようと角テーブルに移動しながら食と会話が進みます♪

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主催者である味岡さん夫妻。一皿一口ずつ噛み締めては味わっておいでです。前回の時は、庭に自生する山葵なども堪能されたようで、本当に四季毎の恵みをご存知の御2人です♪

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小さな参加者、お子さん達にとってみれば、野草料理より自然一杯の遊び場に夢中のようです(笑)開放された縁側、春のそよ風を感じながら、清流のせせらぎが心地良いBGMとなっています♪

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シャボン玉を膨らませることに夢中の子供達。ふわりふわりと飛んでは弾け、淡いシャボン玉には、緑溢れる木々の姿がキラキラと映し出されてとても綺麗。穏やかに過ぎ行く時間の緩やかさ、長閑な午後のひとときを過ごします。

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味岡さんにべったりのお孫ちゃん。味岡さんも愛らしいお孫ちゃんを前にしては、このほころびようです♪

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味岡さん愛犬の花子ちゃんは、穏やかな子で大人しく、子供達に尻尾を触られても動じずお利口さんです。しかし、とてもグルメ犬らしく、ご飯にはちと口うるさいそうですよ(笑)

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味岡伸太郎(あじおかしんたろう) 1949 / 愛知県豊橋市生まれ
ART ・デザイン略歴

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1日に数本、飯田線電車が走りゆく音に耳を傾けながら過ごした、うららかな春の週末の午後。次回、野草料理の会は2014年7月12日「夏」の会を予定されているようです。また皆さんとお会いできるのを楽しみにしております♪

味岡伸太郎
http://www.ajioka3.com/

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