一台のバイクに乗せた想いは、7年の歳月を経て”ETALON”として誕生した!

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「自分たちが乗りたいバイクをつくろう、本当に作りたいバイクをつくろう」

そんな想いが合致したのは、バイクをこよなく愛するプロフェッショナルな4人の男たち。最高の一台を創るためにコンセプトや基本設計の話し合いを積み重ね、一切妥協せず、とことん納得のいくまで試作とテストを繰り返し、開発に7年もの歳月を費やし、待望の発売を果たした日仏合作の新しいバイクブランドLEON BIKEは、初代モデルを”ETALON”(種牡馬)と名付けた。このバイクに跨った瞬間に、幼き頃のはじめて自転車で走れた時の感動と興奮を呼び覚まし、学校帰りの毎日が冒険であったように、見る景色すべてがキラキラと輝いていたあの頃の記憶、あの頃の愉しさ、そして無限の可能性を生み出す力を信じ、”ETALON”。こう、名付けたのである。

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黒田 武儀(通称:レオン)LEON BIKE ASSOCIATES株式会社代表

 ”ETALON”を世に出したLEON BIKE ASSOCIATES株式会社代表である黒田武儀氏、通称レオン。彼は20年もの月日をアメリカで暮らし、その頃に付いた愛称がレオン。日本に戻り、今から18年前は鎌倉に所在を置いていたが、夢が山で暮らす”スローライフ”であったため、終の棲家となる場所を探し求めていた。現在、レオン一家が身を寄せる愛知県新城市の作手は、マウンテンバイクスクールの依頼をキッカケに、何度か鎌倉より足を運び降りた街。山と川、緑溢れる田舎町の澄んだ空気を肌で感じ、ここでなら望む生活が送れる。と、迷うことなく移住を決めたという。

「1日として同じ夕陽は沈まない」と、目の前の海を眺め1日を振り返る鎌倉時代に過ごす贅の中で、物をつくらず、生み出すことのない生活を孫たちに伝え続けていくものではない。と悟り、家族を引き連れて移り住むこととなる作手。そこでレオンは「サローネ・デル・モンテ」という自転車屋をオープンさせる。イタリア語で”山のサロン”を意味するそうだ。ここでは、本物の自転車選びをはじめメンテナンスはもちろん、チューンUPもお手のもの。2Fの一角では、レオンの愛妻ローザさんがオーガニックカフェ「ル・カフェ」で無農薬コーヒーや手料理を振る舞い、そしてアロマテラピー&エステサロン「ローザ・ナチュレル」も同時に営まれている。レオンは、自転車屋を営む傍ら、現在、東日本大震災の被災者の方々へ、作手が作り出す野菜や果実を寄贈する活動や、被災地を巡回し、語るに辛い震災自体を「明日は我が身」と受け止めて、千年桜を植樹する活動「明日は我が身の桜ライン」をされている。ただただ消費する側としてではなく、つくり手として与える側の人間でありたい。その想いが今、彼の原動力となっている。

「サローネ・デル・モンテ」にて、マウンテンバイクやロードバイクのコーチングを務め、ツーリングやイベント企画の中でリーダーシップをとり活躍しているのは、MTB全日本チャンピオンの経験を持つ鎌苅ゆうみさん(写真右)だ。元プロライダーとしての経験があるからこそ、LEONの発揮する力を最大限に伝えることができる人材のひとりであろう。仕事と子育てを両立し、レースからは遠ざかる多忙な日々を送っているが「MTBと出会って人生が変わった」と感じてくれるファンがいる限り、この仕事を続けていけることが彼女の喜びのようだ。

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LEON BIKEが生まれるまでの経緯としては、世界最強とまで呼ばれたチームを率いるsunn(サン)のサポートライダーとして走っていた鎌苅ゆうみさんの活躍があり、それを支えるレオンのサポートと、sunnのブランドを築き上げてきた主要人物たちの存在がある。

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フランスのsunnというブランドを築いた彼らは、会社が大きくなりつつある中で、自分たちの意思とは反する壁にぶち当たってしまう。出資株主たちが、商業ベースのコンセプトで大量生産を望むようになってしまったのだ。理想のバイク造りを続けるために、彼らは退社という道を選択する。その後、代表となるマックスコメンサル氏が開発スタッフ、グラフィックデザイナー、HPデザイナーと共にアンドラに拠点を移し、コメンサルというブランドを立ち上げる。しかし経営者側にまわったマックスとは、バイクづくりの方針でここでも食い違いが生じ、レオンはマックスを懇々と説得したが、残念ながら別々の道を歩むことを決断した。コメンサルを跡にし、行く当てを無くしてしまった男たちは、南フランスの小さな村の中庭で納得のいくまで話し合いを重ね、ひとつの結論を出した。彼らのバイクづくりにかける情熱を一挙に注ぎ込むNEWブランドの立ち上げようと。「ブランド名は既に決まっている。」と、彼らの口からレオンに告げられた。そう、レオンの名前以外にない。それが彼らの答えだったのだ。

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Marc Etienne Dalge(メッド)
プロダクトマネージャー 、品質管理責任者、テストライダー

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Philippe Garcia(フィル)
プロダクト・デザイナー

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Zoobab(ズーバブ)
グラフィック ・デザイナー

元BMXのフランス・ナショナル・チャンピオンの経歴を持つ、sunn時代からのBMXのプロダクトデザイナー、メッド(写真左)。彼の鍛え抜かれた鋭い感性と経験により、天才プロダクト・デザイナー、フィル(写真中)設計のバイクに名車の磨きをかけていく。そして、独特のセンスとスタイルで、個性的で愉しいロゴやカラーのバイクデザインを手懸けるグラフィックデザイナー、ズ ーバブ(写真右)。彼がカタログやウェアも含めトータルでデザインする。デザイナー暦20年以上の彼のセンスが、sunnやコメンサルのイメージを創ってきた、と言っても過言ではないようだ。

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そんな熱い想いを引っさげた4人の男たちがつくり上げるバイクLEON BIKE ETALONが、日本先行で限定100台発売された。これまでにないバイクになること、10年間基本デザインを変更しないこと、フレームはクロムモリブデン鋼材を使用すること、資源のムダ遣い、廃棄物の徹底した削減、完全なリユース、リサイクルの実現への強い志向、誰が乗っても心地よく強い走りを実現する他に類のないバイクの完成、そのための”LEON BIKE The Classic from It’s Birth”が基本戦略と方針だと、社長のレオン自らが示し、道が開かれた瞬間だ。初代モデルをつくり上げるまでにかかった歳月の重みを残そうと、ボディカラーもクロムモリブデン鋼材にクリアを吹きかけただけのものとし、溶接の跡や鍛金の跡を敢えて痕跡として残している。我々は、ただ派手にカラーリングされ、ファッションの一部のように塗られたバリエーション豊かなカラーのバイクばかりを目にしていたせいか、このシンプルさゆえに訴えかけるつくり手たちの想いを感じ取ることとなる。ここでいう”飾らない美しさ”とは、日本人ならではの初心に還る美徳精神とつくり手の魂を表すのではないだろうか。

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ふと、完成したバイクのフレームに目をやると、メジャーのようにも取れる、目盛りのステッカーデザインが不思議に思えた。グラフィックデザイナーのズ ーバブが「このバイクこそが基準になるんだ。」と、想いを込めて描いたものだった。そして、日仏合作である証として、日本とフランスの国旗も掲げるそのフレームを握りしめ、レオンはETALONができるまでの歴史を熱く語ってくれた。そしてバイクの新しい歴史がここから始まり、彼らのつくり出すバイクが、君の人生を変えてくれるのかもしれない。そんな風に思わずにはいられない時を過ごさせてもらった。

可能性を大いに秘めたバイクLEON BIKE ETALONが近々に出場を予定としている大会は、愛知県豊田市三河高原キャンプ村で開催される「第3回シングルスピードMTBジャパンオープン」である。この大会は、シングルスピード世界選手権の日本予選。日本選手権(約20km)とファンレース(約10km)、さらにファットバイク選手権(約20km)とキッズクラスが初開催となり、男女混合で実施し、健脚に自信のある強豪たちが勢揃い!なんといってもこの大会の目玉は、仮装レースだということ。単速好きの猛者たちが集い、観客も楽しめるよう、女装や目を惹く仮装で燃え尽きるデッドヒートを繰り広げてくれるに違いない。

第3回シングルスピード
MTBジャパンオープン

<開催日時>
2013年5月11日(土)
ファットバイク選手権
2013年5月12日(日)
キッズ、ファンレース、日本選手権
<開催場所>
愛知県豊田市「三河高原キャンプ村」
http://singlespeedjapan.info/

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LEON BIKE ASSOCIATES
愛知県新城市作手黒瀬字下山37-30
TEL:0536-37-5000
http://www.leonbike.com/

バイシクルプロショップ サローネデルモンテ
http://www.salonedelmonte.com/

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