日本橋三井タワー37階に位置し
「MANDARIN ORIENTAL TOKYO マンダリン オリエンタル 東京」内の「鮨 そら」さん。
大都会にそびえ立つ「東京スカイツリー」を一望できるロケーションを楽しみながら、
江戸前鮨がいただけるということで、なかなか予約の取れない人気店となっています。
この日のランチは「鮨 そら」さんで久しぶりのお鮨を堪能させていただきます。
「鮨 そら」さんは2011年4月15日にオープンされたのですが
限られたホテルスペースで新たにお店を計画されたため、
フィットネスクラブとコンシェルジュの一部分の空間を利用して改装されています。
店舗入口にある「鮨 そら」さんのロゴデザインは、JR東日本のCIを手がけた山本洋司さんが担当されています♪
店内は8席のみと非常にコンパクト。
漆黒に包まれた大変高級感漂う空間に入ると
窓の向こうに広がる大きな空と東京スカイツリーが出迎えてくれます。
カウンターは樹齢350年を超える端整な尾州檜を使用され、日本伝統の技法で土を積み上げた壁や、
重厚感ある御影石の床、瓦素材のタイルをちりばめた壁などが特徴のシンプルな店内です。
こちらのデザインを手掛けたのは、空間クリエイターの小坂竜さん。
37Fのレストラン・バーエリアも彼がデザインされています。
「鮨 そら」さんの板長に就任されたのはのは、鮨職人の今泉祐史さん。
1993年に鮨店の門をたたき修行されてきた20年を超えるベテラン職人です。
今泉さんは日本の四季を大切にされ、旬のネタを最適な状態でご提供するため、
同じ食材でも季節によって調理法を変えているといいます。
カウンターに座ってまず気になるのはお盆にセットされいる和紙による包み物。
包み物には着物を保存するときに用いるたとう紙を採用されていていて、
四季に合わせて包の色が変わるとお聞きしました。
説明を受けながら紐を左右に広げると簡単に開き、中からなんとナプキンが出てきました!
日本の文化要素を取り入れられており素敵な演出です。
さて、ランチメニューは6,000円~20,000円までのコースが用意されており、
金額によって鮨の貫数やネタ、お刺身などの一品料理の数が変わります。
今回は8,000円の茜(あかね)というコースを注文♪
「ビール」
瓶ビールを注文すると、小振りのサイズ感のうすはりグラスに注がれて、
飲み口が良く、喉越し最高です。
こちらのお店は、海外からのお客様も多いことから
職人さん他サービススタッフも英語を話せる方が多いようです。
この日もカウンターに海外のお客様が食べに来られていて、
職人さんがネタを英語で説明しているのがとても印象的でした♪
「しろ菜のお浸し(福井産)」
しろ菜は、アブラナ科のつけ菜の仲間で、不結球ハクサイ類、巻かない白菜です。
しろ菜は白菜と漬け菜を品種改良されたもので、関西の市場ではよく知られています。
クセが全くないのでとても使いやすい野菜です。
古くは江戸時代から大阪で作られてきたことから「大阪しろな」とも呼ばれ、
明治初期に天満橋や天神橋付近で盛んに栽培されたことから「天満菜」とも呼ばれています。
まずは、しろ菜を出汁であっさりと上品に仕上げたお浸しから頂きます。
「スナップエンドウ(愛媛産)、フルーツトマト(静岡産)」
こちらのフルーツトマトは、静岡県産とお聞きしましたので
おそらくホテル、有名シェフ御用達のアメーラトマトではないかと思います。
アメーラは潅水を抑えて、ふつうのトマトの約1/3の大きさで成熟する独特な技術で栽培されています。
甘さが凝縮されていてとっても美味しいトマトです!
また色鮮やかで新鮮なスナップエンドウは
さやがふっくらとハリがあり実がぎっしり詰まっていて豆本来の甘みが楽しめます。
添えてあるお塩で頂くとどちらもより甘みが増します♪
職人さんに一貫一貫丁寧に説明しながら提供して頂きます。
こちらの特徴的なユニフォームデザインは、
世界的に活躍するファッションデザイナーコシノジュンコさんが手がけられたそうです。
板前は侍をイメージし、シックな祭風の上着に、袴をモチーフにした前掛けで古風なスタイルです。
フロアスタッフは、空をイメージした着物風ドレスに西陣の帯で慎ましやかな大和撫子に。
和の伝統をモダンに表現されたユニフォームがこちらの空間に一段と映えて素敵です♪
新潟産コシヒカリ ※写真はイメージです
シャリは、新潟産コシヒカリのみを使用されています。
一般的にコシヒカリは水分含有率が高すぎもちっとしているためにシャリに向いていないとされ
使用するにしてもあきたこまちなどの硬質米とブレンドして使用されることが多いのですが
しっかり乾燥され管理されたコシヒカリの二年古米は、
板長が長年探求し続けた赤酢と出会うことで、最高のネタに相応しい至極のシャリとなったそうです。
口にしたシャリは硬めに炊き上げられており、食感がしっかりしていたため、
コシヒカリのみだとは思いもつきませんでした(驚)
本来の江戸前鮨のスタイルを取り入れ、
シャリは砂糖を使わず赤酢と塩のみで整えられています。
使用されている古代米酢と粕酢をブレンドした赤酢は、
鼻を突くような酸味が少なく、酒粕の芳醇な香りと旨み、まろやかなコクがあります。
旨みの強い醤油を使った煮切りを刷毛で塗り、食べる速度に合わせてゆっくり一貫ずつ提供してくれます。
「真子かれい(江戸前)」
握りの始まりは、真子かれいから。
ヒラメの方が高級とされる中、カレイ界の高級魚として君臨するのがこちらの真子ガレイ。
淡白な印象の強い白身魚の中でも脂が乗っており、さすが高級カレイと思わせる味です。
「たいらがい(愛知産)」
たいらがいはホタテに似ていますがまったく触感が異なります。
うまみや歯応えもあり、刺身や鮨以外でも、塩焼き等、どのような調理でも合います。
こちらのネタには隠し包丁を無数に細かく入れているため、口当たりがマイルドです。
「あおり烏賊(三重産)」
あおり烏賊はイカの王様と言われるほどで、
少し長い間噛んでいるとトロリと溶けて甘味が増し、本当に美味しいです。
またあおり烏賊の肉質は固めで弾力があるため、酢飯によくなじむよう、千切りされています。
内側に甘みがあるので切ったほうが甘みを感じやすいようです。
さらに甘みを引き立たせるため、沖縄の塩とすだちを一振りし、いただきます。
「しめ鯖(神奈川産)とバッテラ昆布(北海道産)」
「鯖の生き腐れ(生きているときから腐っている)」といわれるほどに、 鯖は鮮度が命です 。
江戸時代は交通手段が確立されていない上に、冷蔵庫や冷凍庫もありません。
新鮮な魚介類も、時間の経過とともに鮮度が落ちて品質が悪くなってしまいます。
そこで、魚介類が新鮮なうちに手を加え、生の状態よりも旨味を凝縮させ、
保存に適した状態に仕上げる工夫が開発されています。
その代表的なものが「塩や酢で〆る」という技法です。
バッテラ昆布を丁寧に添えた美しいしめ鯖。昆布の甘みがしめ鯖を引き立ててくれます。
「かつお(八丈島産)」
カツオというと一般的には土佐が有名ですが、八丈島産カツオは知る人ぞ知る逸品!
八丈島では、2月~5月頃にかけて北上してくる「上り鰹」を、
巻き網などを使わずに一匹ずつ曳き縄釣りにより漁獲するため、
八丈島産の鰹は傷もなく、市場では「東京ブランド」として高級魚扱いとなります。
黒潮の豊かな恵みが育てた豪放な味覚とねっとりした食感が楽しめます。
「煮ハマグリ(千葉産)」
江戸時代からある正統派な鮨ネタである煮ハマグリ。
こちらのお店では、大物のハマグリのみ仕入れされています。
ハマグリの汁気がなくなるまでじっくりと煮、
醤油、砂糖を加え、煮汁が冷めたら肝を抜き、その後じっくり漬け込んで寝かしています。
旨味がギュッと滲み込む握りの1つです。
「ひらまさ (鹿児島産)」
ヒラマサはブリ属の魚で、卸す前の魚の見た目は、一見素人にはブリにしか見えません。
味は殆どブリと同じ味ですが、両者を比べて生食すると歯応えの違いが分かります。
脂は少なくサッパリしており、後に残らないすっきりとした旨味が持ち味です。
「きんめだい(千葉産)」
金目鯛は、魚体からは想像もつかない鮮やかな白身で、
旬を迎えた身には均一に脂があり甘みも十分。
刺身はもちろんこれからの時期は、煮付け・あら汁にしても煮汁に脂が溶け、
鮨以外でも贅沢な旬の味覚を味わえます。
「本マグロの中トロ(和歌山産)」
3月は、小型の壱岐(長崎)などの日本海産の小型マグロが主流ですが、
定置網で獲れるため身質も柔らかく、身に力がないため比較的色変わりの早いものが多いようです。
そのため、和歌山勝浦産のような大型が重宝されています。
大間などの冬マグロに比べると甘味にかけますが、
中トロはあっさりめで、赤身は鉄分や酸味の含んだものが多く、近海春マグロ独特の香り、酸味を味わえます。
ねっとりとした良質の脂がのって身肉は柔らかいです。
「煮アナゴ(江戸前)」
ふっくら感と、口の中でとろける柔らかさを出すために、じっくり煮込まれたアナゴ。
関東と関西では卸し方が違います。
江戸前では背方から捌き、関西では腹側から卸していきます。
どちらの卸し方が良いと言う訳ではありませんが、
関東地方では「腹を裂く」とを「切腹」と捉え嫌い、背のほうから捌くようになったとか。
穴子につけるねっとりとしたタレは「ツメ」と呼びますが、
これも穴子の煮汁に穴子のアラと調味料を加えて煮詰めたもので、
「煮はまぐり」などにも使われる、江戸前鮨に欠かせない調味料です。
「たけのこ(福岡産)と菜花(千葉産)のお吸い物」
たけのこの生産量一番は福岡です。
昼夜の寒暖差が激しい土地で育ったたけのこは味、食感、風味がよく、この時期のお吸い物の定番です。
旬の菜の花を入れれば、さらに春を感じられるあっさりしたお吸い物に。
「鉄火巻き」
鉄火巻きの「鉄火」は、もともと真っ赤に熱した鉄を指す言葉です。
マグロの赤い色とワサビの辛さを「鉄火」に喩えたもので、細巻きの定番です。
パリッとしたこだわりの海苔で巻かれています。
「イチゴとゴマのブランマンジェ」
ブランマンジェの甘みとイチゴの酸味は間違いなく美味しい組み合わせ。
ごま独特のコクと香りにイチゴの甘酸っぱさが口一杯に広がる、滑らかな食感の良いデザートです。
素晴らしい眺望とカウンターのみという贅沢な空間で、板さんとの会話を楽しみながらいただく江戸前鮨を堪能しました。
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MANDARIN ORIENTAL TOKYO マンダリン オリエンタル 東京
東京都中央区日本橋室町2-1-1
TEL:03-3270-8800(代表)
03-3270-8950(宿泊予約)
E-Mail motyo-reservations@mohg.com
http://www.mandarinoriental.co.jp/tokyo/
鮨 そら
営業時間:11:30~14:30、17:30~22:00
Eメールアドレス:motyo-fbres@mohg.com
TEL:0120-806-823(9:00~21:00)