「Wine&Cafe夏目」1日1組限定レストランで「ワインと映画」をテーマに忘年会

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豊橋で1日1組しか営業されないフレンチの「Wine&Cafe夏目」さん。店主であり、料理人であり、そして日本ソムリエ協会認定シニアソムリエの肩書を持つ夏目晴夫さんが2012年11月にオープン。隠れ家的存在のレストランで夜のみ営業とされています。贅沢にも1晩に1組2名~8名(もしくは2組)のお客様限定で完全予約制の貸切。メニューは置かず、シェフである夏目さんおまかせの魚料理を兼ねたオードブル、野菜料理(またはサラダ)、メインのお肉料理、デザート、コーヒーの4,000円(税込)セミコースのみ。事前に、好きな食材や調理法を伝えておけば、それを盛り込んだ内容で提供してくれます。そして1皿1皿毎の料理にソムリエでもある夏目さんがマリアージュさせたワインをセレクトしていただくのも愉しみの1つです。レストランというよりも、彼の居城に招待されたかのようなサーブの徹底ぶりで贅沢極まりない時間を共有できます♪

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豊橋駅より趣のある路面電車(豊鉄市内線:運賃前線均一大人150円小児80円)に乗り換え、駅前から11個目の競輪場前で下車すれば、目と鼻の先にあるのので交通の便が良いです♪

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路面電車越しの夏目さん。今でこそあまり見られなくなった路面電車が走る姿は、なかなか風情があります♪

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路面沿いのお店とはいえ、庭先には、白樫や山茶花、シマトリネコなどが植えられており、外界の喧騒を遮断する役目を果たし、とても落ち着く空間になっています。もともとこちらは、夏目さんがお父様と営まれていた肉惣菜店があった場所をリノベーションされています。その殆どが美術家でありデザイナーでもある味岡伸太郎氏と夏目さんの手作業で行われ、一番苦労したのは店前のコンクリートを剥がすことだったそうです。剥がしたコンクリートの瓦礫の総量は5tにも及び、その作業を終えた後、夏目さんは腰を痛めて何日か寝込んでしまったというほど。しかし、味岡さんのアイデアと創造性により産まれた空間は、夏目さんご自身でも手を加えたことから喜びも愛情もひとしおで、味岡さんの作品の中でも、手前味噌ながらにここが一番の出来と自負されているほどです♪

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この日は、先日浜松で開催したリーデルのワインセミナーにお誘いした夏目晴夫さんと今井憲彦さんをご紹介させていただいたことから生まれたご縁で、今井さんから「是非とも夏目さんで忘年会と称して感謝の会を開催したいです!」と1ヶ月も前より強く希望されたことによって開催。予約の手配から準備まで、主催であり幹事でもある今井さんが全てまかなってくださいました!ありがとうございます!今回、今井さんが提案される忘年会のテーマは「ワインと映画」。さてさて、今井さんセレクトのワインと映画がどのように絡み合って、夏目さんの美味しい料理とマリアージュするのか楽しみですね♪

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店内の木のテーブルや椅子は、リサイクルショップから購入してきた安価な物だと味岡さんから伺っておりますが、その味のあるテーブルや椅子は、味岡さんの手にかかりリサイクルすることで、本来の素材の持ち味を残しつつ、この世にたった一つしかない味のある価値あるものとして生まれ変わっています。最初に運ばれたテーブルや椅子を見た時、夏目さんは「これを使うのですか?」と、とても心配されたそうです(笑)木を削り、パッチワークを楽しむようにツギハギを施し、色を塗装し直し、わざと傷を創ることでアンティーク感を出し、完成した味のある家具たち。まさに味岡イズムにより創られた世界がここに在るのです♪

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壁面のアート作品とも捉えられる壁掛けの照明は、小枝を広い集めてきては和紙と古紙でこしらえた大作。テーブルを彩るランプシェードも同じテイストで裸電球の傘に使用。そこから漏れる灯りや手作りの小物たちが、このお店の温かみを醸し出しています♪

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夏目さんの静かでゆっくりと、そして淡々と語られる聴き心地の良い低音ボイス。この声に魅了されるファンも少なくないでしょう♪

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1日1組しか取られない貸切のお店だからこそできる贅沢な空間で、自由なカタチを演出。この日のメンバーが全員揃うまでの間も、一足お先に1本目のスパークリングワインで立ち呑みスタートです(笑)

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今井さんの中学校時代からの同級生であり大親友の村上記克さんが、この日のBGMをセレクトし、コンピレーション・アルバムにしてCDに納めてきてくれました!中には、アップテンポで軽快なものや、こちらの雰囲気に合うしっとり系もあり、中でもお亡くなりになった俳優の高倉健さんがとても好きだった曲で、映画「スモーク」のエンディング曲でもあるTom Waitsの「Innocent when you dream」など本当に素敵な選曲です!そしてそのCDを全員にプレゼントというサプライズ付き!村上さん、ありがとうございます♪(感謝)

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「クラウディ・ベイ ペロリュス ブリュット NV」ニュージーランド、マールボロー地区

ペロリュスは、1888年~1912年に、船がクック海峡の危険な海域を渡る時に水先案内をしていたといわれているマールボロの有名なイルカの「ペロリュス ジャック」 にちなんで命名されたクラウディ・ベイが造っているNZのプレミアムスパークリングワインです。今回のワインは今井さんがセレクトされるにあたって、事前に参加メンバーに「好きな映画は何ですか?」と質問し、すべてその映画にちなんだワインが用意されています!(驚)こちらのワインは、リュック・ベッソン監督、ジャン・レノ主演の「レオン」が好きな村上さんのために用意された1本。リュック・ベッソンの1988年の監督作品でジャン・レノも出演している「グラン・ブルー」に出てくるイルカをリンクさせてセレクト。フレッシュなパンのような味わい、ナッツの後味、クリーミーな複雑さと爽やかさ、全てのバランスが良く本当に美味しいスパークリングです。今井さんの粋な演出に、残りのワイン5本がどのような想いでセレクトされたのか楽しみでなりません♪

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遅れて廣海遼くんとハルミちゃん夫妻が到着したところで着席し、今井さんが主催する「感謝の忘年会2014」スタートです♪

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今井憲彦(性格:控え目・内心情熱家・ワイン好き・彼女募集中)

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乾杯!

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村上記克さん夫妻

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廣海遼&ハルミ夫妻

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今井憲彦さん

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夏目晴夫オーナーソムリエシェフ

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料理の基本技術はフレンチであるけれど、日本人であることを捨てる気にはならないと、夏目さんの曾祖父が所有していた上品な和食器などをはじめ、古伊万里などを探しては求め、または昭和ヴィンテージのノリタケなども購入されており、それらをテーブルに並ばせます。フランスパンのお供に出されているのは、エクストラ・ヴァージン・オリーブ・オイルと中近東由来の混合スパイスであるデュカ。このデュカは、コリアンダーやクミンシード、胡麻、アーモンド、クルミを炒って岩塩(この日は沖縄のぬちまーす:塩)を加えたもので、パンにエクストラ・ヴァージン・オリーブ・オイルを浸し、そこへこのスパイスを一撫ですることで、口中に広がる複雑なスパイスと香ばしさを感じながら楽しむことができます。パンのおかわりはいくらでも♪

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「シモン・セロス ブラン・ド・ブラン ブリュット グラン・クリュ」フランス シャンパーニュ

今年も映画界で最も活躍し、アニメ映画の代表作といえば「アナと雪の女王」。興行収入ランキング2014年では、259.2億円を稼ぎ出し堂々の1位!「興行収入2番目は何かわかります?」と、今井さん。答えは、91.8億円の「STAND BY ME ドラえもん」だそうです!その流れで今井さんが大好きな映画「ルパン三世 カリオストロの城」の中の石川五右衛門クラリスを観てたった一言放ったセリフ「可憐だ・・・」をこのシャンパーニュに例えてセレクト。そのセリフは、あの銭形警部の名言とも言える「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」ではないところが今井さんらしさを感じます(芸が細かいです:笑)フィリップ・シモンの哲学として、「コート・デ・ブランのシャルドネが持つぶどう本来の繊細な味を、極限までピュアに表現する」こと。「それが、美味しい料理に本当の意味で合うシャンパンであると、信じています」というしっかりした信念のもと造られたシャンパーニュは、まさにその繊細さえゆに可憐です♪

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「三河湾のイナダの蒸焼 シャコのアメリケーヌソースで」

三河湾で漁れたイナダを奉書焼のように薄紙に包んで高温のオーブンで蒸焼、新鮮なシャコの甲殻と舌平目から取った濃厚なアメリケーヌ風のソースでいただきます。付け合せのちじみほうれん草は、湯を使わずに乾煎りして茹でた状態にして塩とアーモンドオイルで和えたもの。オイルを酸化させないことでほうれん草のえぐみを緩和し甘さを強調して風味を添えています。ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリと成長するにつれて呼び名の代わる出世魚、ブリの幼魚イナダのように弾力のある白身にこのようなコクのあるソースの組み合わせも良いですね♪

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ワインのサーブから、厨房での料理、配膳まで全て御1人でこなされる夏目さん。次の料理を待つ間に、赤ワインが開けられました♪

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「ブルゴーニュ ルージュ 2011 ルーデュモン」フランス ブルゴーニュ

「天・地・人」のラベルでお馴染み、日本人の仲田晃司さんが造るルー・デュモン。ピノ・ノワールの魅力を余すところなくワインに仕上げたACブルの傑作は、映画に関係なく今井さんのお好きなワインの1つ♪

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「カレラ ジョシュ ジェンセン セレクション セントラルコースト ピノノワール 2012」カリフォルニア

カリフォルニアのロマネ・コンティとも言わしめるピノ・ノワールの専門家カレラキャメロン・ディアスケイト・ウィンスレットが主演するアメリカ映画の「ホリデイ」が好きなハルミちゃんに贈るワイン。ラズベリーやチェリー、若干感じられるジビエの野生的な香りが複雑に絡み合い、ひそかに感じる森の下草の香りの上にプラムや熟したチェリーの味わいが複雑な層を成し、クリーミーさも感じられるバランスのとれた中に深い味わいが楽しめるワインです。キャメロンの愛らしい演技力と魅力にも相応しいワインで、最高に美味しいです♪

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「岩手産の牡蠣と野菜のオーブン焼」

低温で1時間半加熱して水分を飛ばした茄子に、山形の乾燥えだ豆と岐阜の椎茸と岩手の牡蠣、ベーコンの薄切りを乗せて焼汁が茄子に滲み込むように焼き上げ、その上にオーブンで焼いた赤パプリカのEXヴァージンオリーブオイル漬けとブロッコリー(スティックセニョール)を添えていただきます。野菜の甘みと牡蠣のジューシィーさが見事にマッチング!意外にも牡蠣にシャンパーニュや白ワインではなく赤を合わせても美味しいということが判明!カレラとの相性が抜群です♪

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「シャトー・カロン・セギュール 2002」フランス ボルドー サン・テステーフ

恋人たちに愛され続けるハートラベルが人気のカロン・セギュール。こちらのワインは、美容師に憧れたキッカケとなったジョニー・デップ主演のファンタジー映画「シザーハンズ」が大好きなわたしのためにセレクトしてくださいました!純真無垢な心を持つ人造人間を演じたジョニー・デップが愛して止まないワインがこちらだそうです!18世紀にこのシャトーを所有したセギュール侯爵が、当時ラフィットラトゥールも所有しながら、「我が心はカロンにあり」と言及したことに因み、ハートラベルになったこのワイン。両手がハサミの人造人間でありながら、発明家の老人の手によって大きなハート形のクッキーを心臓に持ち、温かい心を持ったハートフルなエドワードにピッタリのワインですね!今井さん、すっごく嬉しかったです!ありがとうございます♪

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「静岡そだち 和牛もも肉のロースト」

浜松の渋川で鈴木政夫さんが育てている和牛「静岡そだち」をロースト。ジャガイモはじっくり1時間半ローストしているため、外はカリッと中はふっくらほくほくです。土佐甘長唐辛子とトリュフ風味の塩を添えていただきます♪

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「ルーシーマルゴー・ノワール・フルーレット」オーストリア アデレード・ヒルズ

ワイナリーの名前にもなっている、醸造家の娘で日本のアニメが大好きなルーシーマルゴーちゃんの描いた可愛らしい絵がすべてのワインのラベルとなっています。バナナ紙再生紙を利用するのも個性的。10年以上に渡る料理人としての経験の中で多くの偉大なワインに出会い感化されたことから、自らの手でブドウ造りをする意思を固め、アデレード大学で醸造学と農業科学を学び、首席で大学を卒業し学位を取得したアントン・ファン・クロッパー氏。2002年に妻のサリー、娘のルーシーマルゴーと共に、アデレード ヒルズの16エーカーのチェリー果樹園を購入し、自らのワイナリーを立ち上げ、酵母、バクテリア、酸、糖など一切の添加物を加えない自然派ワインを造り出しています。今年は「WINE DIAMONDS ワインダイヤモンズ」さんのワインに出逢えて嬉しかったですね♪

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「北海道広尾郡大樹町のはんだふぁーむのチモシー」

まだ22、23歳の若いチーズ職人が作り出す「はんだふぁーむ」さんのセミハードタイプのチーズ・チモシーをルーシーマルゴーに合わせていただきます。まだ少し若いチーズでしたが、国産の美味しいチーズがもっと増えてくれることを願っています♪

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「苺のコンポートと焼リンゴ」

45℃のアカシアの蜂蜜で1時間加熱した苺と少量原糖とバターのみで2時間半焼き上げた林檎。苺は、シュワシュワッとソーダのような不思議な食感で後味爽やかで、林檎はしっとりと自然の甘みを楽しみます♪

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「コーヒー」

食後にあっさりとほうじ茶のようにコーヒーを楽しんでいただきたいと、夏目さん自らの手で中浅炒りの豆を砕いて粗挽きし淹れるコーヒーで食事の最後を締めくくります♪

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「ワインと映画」というテーマに基づき、今井さんがセレクトしてくれた素晴らしいワインたち。そこへ夏目さんの料理が見事にマリアージュされ、楽しく愛溢れる演出で過ごした時間は、とても贅沢な時間です。それも、貸切レストランだからこそ叶うひとときでしたね♪

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今井さん、夏目さん、参加された皆さん、ありがとうございました!

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wine&cafe 夏目
豊橋市東田町3-2 TEL:0532-61-0670
定休日:不定休 営業時間:18:00~ ※完全予約制

豊橋市東田町3-2

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