我が家から程近く、閑静な住宅街となる大平台に、昨年2022年12月10日にオープンされた発酵スイーツ専門店の「発酵菓子kamoshi」へ!
こちらは木、金、土、日曜の週4日営業となり、開店10時にオープンされるも、お昼を迎える前の早い時間帯にその日の焼き菓子が全て完売してしまうほどに人気と話題の発酵スイーツ専門店となります!
駐車場は店裏に6台完備されていますが、早くも満車の様子。近隣の方は徒歩で来られている姿が目に付きました。この日は、日曜の朝。我が家のゲストにお出しする焼き菓子を求め、行列は覚悟の上でオープン10分前に出向いてみたものの、店前には既に開店を待つ人の列で賑わい、私たちは十数組目に並びます。店内に入店できるのは一度に三組までと入場制限されているため、一組が退店される毎に次の方が入店され、待つこと約一時間。ようやく私たちの番が回って来ました!
焼き菓子の甘い香りが漂う店内。スッキリとしたシンプルなデザインの内装で、温かみのある無垢材のカウンターに焼き菓子が並び、その空間はまるでヨーロッパのブーランジェリーのような雰囲気。
この日のお品書きは、Instagramの公式サイトから拝見しましたが、「キャラメルナッツパウンド」、「甘麹ブレッド(米粉・グルテンフリー)」、「白柳ネーブルのガトー」、「キャロットケーキ」、「バナナブレッド」、「生チョコブラウニー」、「栗のフィヤンティーヌ」、「バナナタタン」、「ファーブルトン」、「バルカヌレ(米粉・グルテンフリー)」、「カヌレプレーン(米粉・グルテンフリー)」、「フィナンシェ」、「フィナンシェ紅茶」、「レモンケーキ」、「米こうじ酵母スコーン(プレーン・ラズベリーショコラ・クランベリークリームチーズ・黒糖くるみ・パッションネーブル・2種のラムレーズン・あんず)」の約20種となります。キッチンとフロアを仕切る棚の上には、ズラリと並ぶ洋酒の数々。こちらは焼き菓子に活用されているようで、手書きのお品書きには「お酒を使ってます」と表されています。
その道一筋約30年間、パティシエとして活躍されてきた店主の水野秀幸(Hideyuki Mizuno)さんは、長きに渡るホテルでの経験を活かし、次なるステップアップを目指され、奥様の菜々さんと共に美味しさを追求し試行錯誤しながら考案した、米麹の天然酵母種を使った発酵焼き菓子を取り揃える発酵菓子専門店のオープンを決意。
地場食材も取り入れながら、身体に優しい米麹の持つ旨みを引き出した特有の香りと深い味わいを楽しんでいただきたいと、作り上げる発酵スイーツ。
発酵食は日本特有の食文化の一つでもあり、美容と健康、長寿の秘訣にも取り上げられ、近年、発酵スイーツは大人気!こちらでは、自家製の米麹酵母種で作る発酵菓子が主力商品となり、米麹酵母のスコーンだけでも7種類も並びます。
さらに、グルテンフリーとなる米粉を使用されている焼き菓子が多く目立ち、アミノ酸バランスに優れた米の高い栄養価を摂取できる米粉は、小麦粉に比べ油の吸収率が低く、小麦粉より消化も良く、胃もたれしにくいなどの特徴があります。また、米粉は小麦粉よりもアミロペクチン(デンプンの一種)が多いため、もっちりとした食感が特徴で、しっとりとした生地に。
地元の人参を使っている「キャロットケーキ」。初回にいただいたこの「キャロットケーキ」の美味しさに、思わず再訪を決めたと言っても過言ではありません。この日も水野さんはとても大きな人参を片手に仕込みに励まれていました!
個包装の焼き菓子も用意されており、こちらは賞味期限が三週間ほどあるため、手土産や贈り物にも良いでしょう。
焼き菓子にも用いているのは、紅茶の国から生まれたアイルランドの紅茶「キャンベルズパーフェクトティー(Campbell’s Perfect Tea)」。ゴルデンイエローが愛らしいこちらの紅茶は、ミルクティーでいただくのがお勧めのようで、茶葉を販売されています。その他にも、焼き菓子にも相性の良いジャムなどの販売も。
こちらの焼き菓子は賞味期限が「購入日の翌日まで」となるため、食べ切れる量をいただきましょう。どれもとても美味しそうな顔をしており迷ってしまいますが、前回いただいた御品とは異なるものを試したいと思います!
オリジナルの「米粉のカヌレ」から「米麹酵母のスコーン」に、この日で終了と言われていたフランスの郷土菓子「ファーブルトン」などをはじめ、7種類の焼き菓子を購入し、ゲストの皆さんと楽しいティータイムを過ごします!
一つひとつの焼き菓子がどっしりと、しっかりとしたボリューム感となるため、色々食べ比べるためにも、カットして少しずつテイスティング!
「白柳ネーブルのガトー」¥340(税別)
細江産の白柳ネーブルは、果実が大玉で香りが強く、酸味が少なく、糖度が12~13度くらいで、まろやかな品種となり、柑橘類の中でも栽培が難しく「果物の女王」と呼ばれているそうです。そんな白柳ネーブルを使ったカトルカールです。「Quatre quarts(カトルカール)」とは、フランス語で、「1/4が4つ集まった」という意味を持っています。バター・砂糖・卵・小麦粉の4つを同量ずつ使用して作る「4同割」のお菓子のことを指します。マーマレードの甘ほろ苦さとさっぱりとした酸味とネーブルの風味が存分に楽しめる焼き菓子。
「米粉のカヌレ」¥340(税別)
kamoshiオリジナルレシピの米粉のカヌレ。カヌレは、16世紀頃のフランスのボルドー地方にある女子修道院で生まれたお菓子だと言われており、正式名称は「Cannele de Bordeaux(カヌレ・ド・ボルドー)」。フランスの伝統焼き菓子となります。こちらのカヌレは米粉を用いており、洋酒の芳しい香りが漂い香ばしく、外カリッカリ、中はもっちもちのグルテンフリーのカヌレとなります。
「生チョコブラウニー」¥380(税別)
お品書きに「ブラウニーらしくないブラウニー」と書かれたこちらは、生チョコのような口当たりで、濃厚且つしっとり食感を楽しめ、食感の良い胡桃がザクザクとたっぷり詰まっています。
「米こうじ酵母スコーン クランベリークリームチーズ」¥400(税別)
型でしっかりと焼かれた縦長寸胴のきのこの様なその姿は、一見、スコーンというよりもマフィンのような出立ち。しかし、食感はほろほろ感もあり、やはりスコーン。赤ワイン漬けのクランベリーとクリームチーズの組み合わせで、ワインの当てにも。
「ファーブルトン」¥420(税別)
この日の提供が最後とInstagramの公式サイトに記されていたため、迷わず購入したのがこちら。フランスの北西部にあるブルターニュ地方で古くから親しまれてきた郷土菓子「ファーブルトン」。ブルターニュ地方の言葉で、「ファー」は「牛乳で煮た粥」、「ブルトン」は「ブルターニュ地方」という意味があります。プルーンを使うのが特徴で、ドライプルーンを赤ワインで漬けたものをセンターに用いて、プリンとブリュレの中間のような味わいが楽しめるよう、焼きはレアに仕上げているため、半生のようなプルプル滑らか食感が堪らない美味しさ!水野さんの気まぐれでまた再開されるかも!?と、書かれていましたので、皆さんもInstagramを随時チェックされると良いでしょう(笑)
「浜松レモンケーキ」¥280(税別)と
「紅茶のフィナンシェ」¥300(税別)
個包装の焼き菓子二種。浜松産のレモンをふんだんに使用した「浜松レモンケーキ」は、果汁もピールもたっぷりと用いて、米麹酵母も入り香り良く、優しい甘酸っぱさが楽しめます。そして、先ほど紹介したアイルランドの紅茶「キャンベルズパーフェクトティー(Campbell’s Perfect Tea)」を用いたフィナンシェは、香り高い紅茶の風味を楽しめるため、是非紅茶と共に楽しんでいただきたい一品です。
こちら「kamoshi」の焼き菓子は、流行りのふわふわ食感や、シュワシュワとした口溶けや、とろける半生系の焼き菓子とは異なり、基本に忠実な焼き菓子のようなどっしりとした食感が印象的。それでいて、グルテンフリーとなる米粉や米麹酵母を使用されていることから、重さを感じることなく、味わいの奥深さを楽しめる焼き菓子たち。シンプルで素朴な見た目、生地はずっしりと重みがあるけれど、甘み優しく、自家製米麹酵母の風味豊かな味わいで、噛む毎に味わい深く感じる不思議な発酵スイーツ。罪悪感なく食べれることも人気の理由かもしれません!
皆で何種類もテイスティングをし、ワイワイとお喋りしながら、楽しいティータイムを囲むに相応わしい焼き菓子となりました!
発酵菓子kamoshi
住所:静岡県浜松市西区大平台3丁目 パレスポート 1F東
営業時間:10:00〜商品なくなり次第閉店
定休日:月、火、水曜日
駐車場:店裏に6台有
https://www.instagram.com/kamoshi_kashi/