
毎年恒例となっているのが、愛犬と共に過ごす“おうちクリスマス”。我が家のクリスマスは、一夜限りでは終わりません。構想から買い出しまでにも時間をじっくりとかけ、三日三晩かけてゆっくりと味わうフルコースディナー。慌ただしい日常から少し距離を置き、灯り、香り、会話、そして料理、とすべてを丁寧に重ねていくことで、心まで満たされていくような、そんな特別な時間が始まります。

身長ほどの高さにすっと佇む白いクリスマスツリー。雪をまとったような枝先には、赤や緑、そしてゴールドのオーナメントが静かに吊るされ、やわらかな光を受けて煌めきを放ち、灯された電飾は呼吸するように穏やかに輝き、冬の夜にそっと寄り添う温もりとなり、祝祭の気配を運んでくれます。

クリスマス仕様に彩るテーブルコーディネートは、赤と白のテーブルランナーに、松ぼっくりや燭台にキャンドルを添えて、温かな雰囲気が灯される夜を演出。クリスマスリースは毎年お願いしている花屋「草々-sousou-」にオーダーしたアレンジメントで、白で統一したパンパスグラスのリース。ルナリアとペッパーベリーにふわっと羽が添えられた“ふわもこ”仕様で、テーブルを華やかに盛り立ててくれています。

リース中央には、毎年ひょっこりと顔を出す「とんがりサンタ」。銅色に輝き、髭長でロン毛、団子のような鼻に、ほんのりピンク色に膨らんだ頬。その優しげな表情は、眺めているだけで思わず微笑みがこぼれ、近くで見つめるほどに愛おしさが増していきます。富山の木工作家「Shimoo Design」によって誕生した「とんがりサンタ」は、もともとは、その年にお世話になった方々へ感謝を伝えるためのギフトとして制作されたもの。しかし、あまりの可愛らしさから「ぜひ販売してほしい」という声が相次ぎ、商品化されるまでになり、現在は、2022年に独立した「 Tongarisanta Ltd. 」による作品として、毎年多くの人に愛され続けています。心を和ませてくれる存在に出会えたこと、そして生み出してくれた方々への感謝を込めて。今年のわが家のクリスマスも、この「とんがりサンタ」とともに過ごします。

この日のために用意したフルコースは、見た目にも心躍る、クリスマス仕様のコース料理。リースをイメージした前菜や、彩り豊かな野菜料理に、流行りの蒸篭を使った魚料理、そして、手間暇をかけてハーブやスパイスで二日間寝かしてからじっくりと火入れする渾身の肉料理、そしてプロフェッショナルにオーダーする食後のデザートに香り高いコーヒーと〆の一杯としていただくクリスマス限定の紅茶まで。一皿一皿に“季節”と“遊び心”を込め、食卓そのものがクリスマスの物語になるよう構成しています。

「Quinconce Blanc de Blancs – Champagne Baron-Fuenté /
キャンコンス ブラン・ド・ブラン シャンパーニュ バロン・フエンテ」
グリーンがかった淡いイエローの色調が美しく、グラスの中で軽やかに立ち上る泡が華やかな印象を与え、ミネラル感を軸にエレガントな香りが広がり、繊細さと爽やかさを兼ね備えた味わいで、シャルドネの魅力を純粋に表現した一本で乾杯。

「前菜の盛り合わせ」
サーモンのマリネ、キャロットラペ、ローストビーフ、ソーセージ、きのこのマリネ、小海老とブロッコリーのサラダ、セミドライトマトとモッツァレラ、小豆島産オリーブ。少しずつ盛り込んで、ワンプレートで楽しむ前菜の盛り合わせを用意し、温菜が出来上がるまでの時間稼ぎをいたしましょう。

「ロースハムと彩り野菜のアスピック」
角切りにしたロースハムと一緒にグリーンアスパラガスや赤黄のパプリカをゼリーで冷やし固めたアスピックにディルや菜花、スプラウトを添えたクリスマス仕様に。塩味優しく華やかで食べ応えもあり、泡にピッタリ。

「LENRI:浜松野菜パフェ」
浜松のレストラン「LENRI / 連理」にて販売されている「浜松野菜パフェ」。20種類以上の野菜がこのワンカップ内に詰め込まれた栄養価満点で見た目も愛らしい野菜パフェ。下層部には満足感のある十六穀米をベースにし、カラフルな4層の野菜ムースが重なり合い、連理農園で採れた美しいエディブルフラワーや新鮮野菜がたっぷりと添えられた人気の一品。濃厚なムースがドレッシング代わりとなり、ソース要らずなところも魅力的。

「フランス産生ハム ジャンボンセックと林檎のサラダリース」
フランス産生ハム「ジャンボンセック」を主役に、瑞々しい林檎と香り高いオーガニックのホワイトマッシュルームを合わせ、オーガニックのベビーリーフやサラダを、クリスマスリースのように美しく仕立てた一皿。生ハムの凝縮した旨みとほどよい塩味に、林檎の爽やかな甘酸っぱさ、マッシュルームの繊細な香りが重なり、軽やかでありながら奥行きのある味わいに。EXヴァージンオイルにゲランド塩、粗糖入りのマイヤーレモンヴィネガーを乳化させて作るドレッシングを添えて。

「スモークサーモンと蕪のローズマリネ」
薄くスライスした蕪をマリネしてやわらかく仕上げ、スモークサーモンと交互に重ねてくるくると巻き、薔薇の花に見立てた前菜。とびっこのプチプチとした食感が心地よいアクセントとなり、ディルの爽やかな香りが全体を華やかに引き立てます。見た目にも美しく、白ワインと相性の良い一皿に。

「ビーフシチューコロッケ」
じっくり煮込んだビーフシチューの旨みを、そのままコロッケの中に閉じ込めた一品。衣はサクッと香ばしく、中からとろりと広がる濃厚な味わいは、まさに“夢のようなコロッケ”。ひと口ごとに、心まで満たされる贅沢な美味しさ。

「洋梨のキャラメリゼとカマンベールチーズのブルスケッタ ベリージュレ添え」
香ばしくキャラメリゼした洋梨のやさしい甘みと、まろやかなカマンベールチーズを重ねたブルスケッタ。そこにベリー系ジュレのほのかな酸味を添えることで、味わいに奥行きと軽やかさが生まれます。仕上げに国産蜂蜜「Honey boy 08」を添えて、甘味・塩味・酸味が美しく調和した、ワインとともに楽しみたい、見た目も華やかでおもてなしにもピッタリなおすすめの食べ方です。

「南瓜のスパイスポタージュ リース仕立て」
南瓜のやさしい甘みに、玉ねぎの旨味を重ね、クミンとシナモンのスパイスがふわりと香る豆乳仕立てのポタージュ。松の実やクコの実にカボチャの皮や、ヒマワリの種、レーズン、クランベリー、アーモンド、クルミなどをクリスマスリースに見立てて浮かべ、食感のアクセントを添えました。とろりとまろやかな口あたりが、心も体も温めてくれる一皿です。
「帆立のムース クリスマスカラー コンソメ仕立て」
塩を施した帆立に、生クリームと帆立だしを合わせてなめらかなムースに仕立て、泡立てた卵白を加えてふんわりとした食感に。セルクルの中に、胡瓜、赤・黄・橙のパプリカ、蕪をスティック状に配し、蒸篭でやさしく蒸し上げました。彩り豊かな見た目がクリスマスを思わせ、澄んだコンソメスープとともに味わう、温かく上品な一皿です。

「CONFONDO Bianco – Buccia Nera / コンフォンド ビアンコ – ブッチャネラ」
「ジェイアール名古屋タカシマヤ」の地下街に11月にオープンしたばかりの日本最大級の品揃えとなる「ワインメゾン」。地下街を歩きながら、数多のワインが集う空間を堪能できる造りとなっており、ワインを保存・熟成させるための地下貯蔵庫「ワインカーヴ」を再現した世界観も魅力的。さらに、常時15000本の高品質なワインが徹底された温度管理のもとに集結しており、常時試飲も可能となるワインショップ。そこでセレクトした中の1本で、あまりの可愛さに思わず二度見してエチケット買いしたイタリアはトスカーナのワイン。澱と一緒に瓶詰めされ、酵母の香りと複雑な味わいを魅せる一本。

「鴨ロース肉のオイル漬け」
旨みのある鴨ロース肉を、チーズとともにオイルに漬け込み、ゆっくりと味をなじませた一品。鴨のコク深い風味に、オイルとチーズのまろやかさが重なり、ひと口ごとに豊かな余韻が広がります。

「魚介のパエリア」
海老やイカ、浅利、ムール貝と魚介の旨みをたっぷりと閉じ込めたパエリア。サフラン香るライスに、海のエキスがじんわりと染み渡り、噛むほどに奥行きのある味わいを楽しむ一皿。

「イカ墨のパスタ パルメザンチーズ」
イカ墨の濃厚なコクと旨みをまとわせたパスタに、パルメザンチーズをたっぷりと。海の香りとチーズの塩味が重なり合い、奥深くも洗練された味わいに仕上げ、黒と白のコントラストが美しい、印象的な一皿です。

「白身魚のパイ包み焼き ホワイトクリームソース 蓮根チーズ添え」
ふっくらとふわふわに練り上げた白身魚の旨みを、香ばしいパイ生地でやさしく包み込み、焼き上げた魚料理。サクサクのパイの中から広がる繊細な味わいに、まろやかなホワイトクリームソースが寄り添います。香ばしく焼いた蓮根チーズを添え、食感とコクをプラスした、満足感のある一皿。

「Sirita Merlot Napa Valley / シリタ メルロー ナパヴァレー 2003」
「娘が20歳になったら一緒に飲めるワインを造りたい」そんな想いから、世界No.1マスター・ソムリエ、ラリー・ストーン氏がプライベートワインとして生み出した、情熱とロマンに満ちた一本。長い熟成を経たことによる複雑で奥行きのある味わいの中に、メルローならではの滑らかさとやさしさが美しく溶け込み、時間とともに表情を変えていきます。背景となる物語とともに味わいたい一本。

「紅茶鴨のロースト ポルチーニソース キャンドルナッツ味噌」
紅茶鴨のロース肉にしっかりと塩を施し、アールグレイ茶葉にシナモン、クローヴ、カルダモン、ローレル、ローズマリーを纏わせて二日間じっくりと寝かせました。常温に戻してから皮面を下にプレスしながら火入れし、香ばしくカリッと焼き上げ、裏返して軽く火を通した後はアルミホイルで休ませ、仕上げにサラマンダーで火入れ。縦にカットすると、身はふっくらとした鮮やかなロゼ色に。ローストしたキャンドルナッツとシャロット、素揚げした牛蒡を添え、芳醇なポルチーニソースと、砕いたキャンドルナッツを合わせた味噌でいただきます。

皮面は香ばしく、中はしっとりと肉厚な旨みが迸り、一口一口が生み出すふくよかな香りと味わいで、おうちレシピの中でも過去一の鴨料理となり、主人も大絶賛してくれて嬉しい限り。香り、食感、旨みが幾層にも重なり合う特別な日のための一皿になりました。

「チーズとドライフルーツの盛り合わせ」
程よいコクと香ばしさが楽しめるスモークチーズ、滑らかな口当たりのデンマーク産クリームチーズ&全粒粉クラッカー、ブルーチーズの刺激をまろやかに楽しめるミセラには国産蜂蜜「Honey boy 08」を添えて、ドライマンゴー、クミン香る風味豊かなオランダのゴーダクミン、無花果&プルーン&クランベリー。中央には、ペッパーサラミを薔薇に見立てて。ワインと共に楽しみたいワンプレートに。

「パティスリーラヴェリテ:ショコラオランジュ」
クリスマスケーキは今年も、お気に入りの「Patisserie La Verite / パティスリー ラ ヴェリテ」に予約。このショコラオランジュは、オープン当初に情報誌の特集で試食した方々の投票により、1番に選ばれたという思い出深いケーキとのこと。今年、21年目を迎えた節目に、復刻・記念として作られた思い入れの強いケーキだとお聞きしました。そんな素敵な節目のケーキをいただけるなんて、味わう前から幸せ気分に浸れます。

コクのあるチョコレートムースに、爽やかなオレンジのジュレ、ソテーしてコンフィにした林檎を重ね、チョコレート生地でサンド。濃厚さと果実の瑞々しさが美しく調和した、リッチで特別感のある一品です。このケーキに合わせるドリンクは、我が家の定番でもある「まめやかふぇ」の深みのあるコクと力強い苦味が楽しめるゴールデンマンデリンを。

「TWG TEA / JOY of CHRISTMAS」と「焼き菓子」
食後の〆には、「TWG TEA」 がクリスマスシーズン限定で届ける「JOY of CHRISTMAS」を淹れて心穏やかにいただく特別な紅茶。華やかで甘やかな香りが広がる一杯は、余韻を楽しむひとときにふさわしい紅茶です。焼き菓子は、「VINCENT GUERLAIS BISCUITS / ヴァンサン ゲルレ」の人気商品〈ビスキュイサンド〉、と「maison du miel / メゾン デュ ミエル」の〈マカダミアとキャラメルのショコラサンド〉とともに、穏やかな甘さと香りに包まれながら、クリスマスディナーの締めくくりを楽しみます。

作っては食べ、飲んでは食べ、時間をかけて、ゆっくりと家族で食事を楽しむ特別な夜。愛犬ショコラを迎えてから、より”おうち時間”が特別なものになり、穏やかな存在が、この時間をより温かいものにしてくれています。ちょっぴり背伸びして、贅沢で、穏やかで、記憶に残るクリスマスディナーとなりました。
