「坐漁荘」伊豆半島の幸を日本茶と共に嗜むフレンチディナー!◆前編◆

伊豆高原の浮山温泉郷にある高級旅館「ABBA RESORTS IZU – 坐漁荘(Zagyosoh)アバリゾート・イズ・ザギョソウ 」に新設されているフレンチレストラン「やまもも」にてバースデーディナー!

天然記念物「山もも」の巨木が群生する広大な自然庭園内に佇むことから付けられた店名「やまもも」では、料理長である山本晋平/Shinpei Yamamotoシェフが腕を振るう伊豆高原の海の幸と静岡の厳選素材を用いり、フレンチのテクニックと日本の魂を掛け合わせ、「和魂洋才」で織り成す伊豆ならではのフレンチが頂けます!

また、京都祇園のフレンチ「MAVO」の西村 勉 (西村勉)シェフのお茶に特化したメニュー「tea pairing aya / 彩」に感銘を受けられた山本シェフが、お茶の名産地でもある静岡ならではの日本茶を取り入れ、静岡茶のティーペアリングと共に楽しめるコースを用意されています!

1階フロアは緑豊かな庭園と本館が望め、純和風の茶室を設けた落ち着き溢れる空間となり、この日の夜は、台湾からの団体客で賑わい華やぐ店内!

わたし達は2階の個室「蕾」に案内していただき、山本シェフおまかせのフルコースを頂きながら、1つは「ティーペアリング」3,500円を、もう1つは「ワインペアリング」9,500円を合わせてオーダー!

また、同じ2階には、伊豆の海が広がるカウンター席6席が用意されており、ヴィラ宿泊客限定で提供される「鉄板焼」も大人気メニューです!

今回「坐漁荘」にも、わたし達Lade Gourmet & Hotel Web Magazineが企画する『器と旅するシリーズ』を御紹介させていただき、企画第一弾として登場した陶芸家の「釋永 岳 (Gaku Shakunaga)」の無駄を削ぎ落としたシンプルなデザインを誇るシャープな器と、企画第二弾で参加して頂いた下尾 和彦 (Kazuhiko Shimoo)さん&下尾 さおり (Saori Shimoo)さん御夫婦のユニット作家「Shimoo Design」の「日本の美」を象徴し、合理的且つ美しさを忘れない木製器(※後編で登場します)と「やまもも」の素晴らしい料理をコラボしていただくことに!

「やまもも」では、本来「カマチ陶舗」にてオーダーされた個性的な器や伊豆の陶芸家作品、また、伊豆諸島の海岸で採取された新島ガラスの器など素晴らしい器を採用されていますが、この日は一部の器をわたし達が持参した器に変更してくださっています! 久々の『器と旅するシリーズ』です!

今回は特別に、日本茶のティーペアリングについては、山本シェフ自らが料理と共に紹介してくださり、ワインペアリングについては、テーブルを担当してくださるホールスタッフの永田良太さんがサーヴしながら説明してくださいます!

[やまももSpecial Dinner Menu]
①「戸田の本エビと人参 メヒカリ 伊豆のお米とひじきのチップス」
最初にテーブルに用意されたのは、レストランで取り扱う無農薬野菜を栽培され、三島の鈴木 達也 (Tatsuya Suzuki)さんが手掛ける「フードカルチャー・ルネサンス」の現在の畑を肌で感じて頂くようにと、オクラの下にマリーゴールドが咲き乱れ、華やかさと儚さが混在する様子をそのままイメージされてのあしらい!

曲げわっぱにアイアンを施した2段重ねで、和のアフタヌーンティーセットのような飾り台。上段には、小枝に刺した軽やかなメヒカリのフリットを添えて!

下段には、戸田の特産である本エビを藤枝の日本酒や醤油にて軽くマリネ、本エビの甘味を人参のムースの甘味と合わせて楽しめる一品!伊豆のお米とひじきを合わせてチップにし、西伊豆の伝統食品となる潮鰹をフレンチの調理法となるブランダードで仕上げ、塩辛さと奥深い味わいを楽しめます!

日々、畑に足を運ばれる山本シェフが、現状の畑にフェンネルの種が豊富だったことから、卓上に添えてくださったドライ状のフェンネル・シード!「良かったら食べてみてください!」とシェフに誘われ一粒パクリ!お口の消臭効果のようなものを感じる爽やかさと甘味!スパイス好きには堪らない粋な演出です!

<焙じ茶(藤枝)>
藤枝市瀬戸谷で、40年間無農薬で自然のサイクルを大切にされながら栽培されてきている杵塚さんが運営する「人と農・自然をつなぐ会」の綺麗な味わいを楽しめるお茶で、最初の一杯は彩り鮮やかな焙じ茶にヴィネガーを合わせて!香ばしさの中に爽やかな酸味が広がり、食前茶として食欲を掻き立てます!

<Champagne ボランジェ(Bollinger Special Cuvee Brut)>
ぶどう品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ25%、ピノ・ムニエ15%
香ばしいアロマと力強い味わい、シャープな余韻が楽しめる一杯!

②「戻り鰹 ビーツ」
燻製香に包まれて登場するのは、今が旬の戻り鰹!

満点の伊豆高原の星空をイメージしたかのような器に真紅の鰹とラディッシュ、ビーツが良く映えます!

軽く炙った戻り鰹には燻製香を纏わせ、生ハムの塩気を添えて、中にビーツのソース、葱、オリーブなどの薬味とマイクロハーブと共に頂きます!今時期だからこその戻り鰹は脂のノリも良く濃厚な味わい!

<深蒸し茶 菱東(掛川)>
世界農業遺産に認定された掛川の「原田園」の最高金賞を受賞した深蒸し茶の水出し!ほのかに磯の香りを感じさせ、上品な旨味のあるバランスの良いお茶ゆえに、戻り鰹の脂を調和させるように合わせた一杯!

<日本酒・臥龍梅 純米大吟醸 山田錦35 無濾過生貯原酒>
静岡の地酒「三和酒造」の「臥龍梅(がりゅうばい)」は、精選された酒造好適米の山田錦を35%まで精米し、新酵母により南部杜氏が伝統の酒造りを守り真心こめて醸造。大吟醸らしく芳醇な含み香に豊かな味わいでうっとりする飲み口で、戻り鰹の濃厚さに負けない味わいを醸し出しています!

③「黒アワビ 河豚白子 自然薯」
柔らかく蒸し上げた黒アワビと濃厚な河豚の白子、富士宮の長谷川農産のシャンピニオンを自然薯の粘りに全て絡ませて頂く一品!ナッツの食感をアクセントに!
伊豆諸島、新島のガラス質の鉱物が主体の砂浜を利用した新島ガラスの器は、無着色でこの美しいオリーブ色に仕上がるそうで、抹茶玄米茶との色のバランスも絶妙で最強の組み合わせです!

<抹茶玄米茶(藤枝)>
無農薬の抹茶玄米茶に酢橘を浮かべて、アワビや白子のふんわり感と自然薯のまったり感に、抹茶玄米茶の香ばしさと酢橘の酸味が良いテンポを刻みます!
グラスから香る玄米の香ばしさだけで御飯が進みそうです!(笑)
山本シェフは、静岡茶の美味しさを素材そのままに感じていただけるよう、抽出法には気配りするものの、あまり手を加えずに提供されており、お茶本来の香りや味わいを十二分に楽しむことができます!

<アルザス・リースリング 2013 トリンバック(Trimbach Riesling)>
アルザスのロマネ・コンティと呼ばれる単一畑クロ・サンテューヌを単独所有する造り手のスタンダードなリースリング。辛口でエレガントな味わいをアクセントに楽しみます!

④「情景」×「釋永岳 gen台皿、áge」
通常メニューには存在しない、冬の畑をイメージした料理を特別に用意してくださいました!
下には潮鰹を用いたバーニャカウダソース、ほうれん草やお味噌、ナッツ類とそれぞれのクッキーを焼き上げてから砕き散りばめることで土に見立て、その上には、この時期の根菜類として蕪、牛蒡、ラディッシュや蕎麦の実、衣に茶炭を加えた里芋のベニエに菊芋と蕪のピュレを添えて!

自然の大地をイメージさせて造った年輪模様の「áge」と「冬の畑」をイメージしてくださった「情景」の一皿は、互いの良さを引き出し合った相性抜群の仕上がりです!

こちらの料理には、別添えで、調理の際に必ず出る野菜の皮や端切れを、全ての恵みを有り難く食すという意味で「野菜のコンソメ」にして提供!野菜の皮や端切れは栄養価も豊富で身体に嬉しい一品!香り優しく、野菜の旨味が凝縮された甘味豊かな極上スープです!

⑤「駿河湾の赤座海老 天城軍鶏 柑橘風のサバイヨン」
伊豆の海を彷彿とさせる白と青が織り成す水平線のような器に盛られた駿河湾の赤座海老は天城軍鶏と合わせて、海と山の難しい組み合わせを敢えて一皿に!しっとりとした食感を残した赤座海老と西京漬けにしてからコンフィした軍鶏。一口目は別々に、二口目は一緒に頂き、サバイヨンで中和させながら、燻製紅茶の香りで頂く一品!キャラメリゼされたオレンジでリフレッシュ!

<燻製紅茶(島田)>
島田の世界農業遺産にも選ばれている、伝統的な茶草場農法を行っている生産者「カネロク松本園」のユニークな燻製紅茶。

海老も軍鶏も燻製が良く合うため、この燻製紅茶を口に含ませた時初めて完成となる料理をイメージ!
直接、淹れる前の燻製を施した茶葉を嗅がせていただくと、アタックの強い香りに驚きを隠せません!

<ピュリニー・モンラッシェ 2015 ジャン・ルイ・シャヴィ(Jean-Louis Chavy / Puligny-Montrachet)>
コルクを抜くことなくボトルの中のワインを注ぐことができるため酸化させない「Coravin(コラヴァン)」を使用!
複雑味を帯びながら、気品のあるフローラル香が楽しめ、ミネラルたっぷりの口当たりはスムースで、思わず溜息が溢れるほどの優雅なピュリニー!

<後編へ続く>

ABBA RESORTS IZU 坐漁荘(Zagyosoh)アバリゾート・イズ・ザギョソウ
住所:静岡県伊東市八幡野1741
TEL:0557-53-1170
フレンチレストランやまもも営業時間:
ランチ11:00~15:00(L.O. 14:00)
カフェタイム:11:00~16:00( L.O. 15:30)
ディナー:17:30~21:00(L.O. 19:00)
http://zagyosoh.com/坐漁荘 / 台灣預訂網站
https://www.abba-travel.com.tw/stay/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

先頭に戻る