伊豆長岡・温泉旅館「三養荘」静寂さが広がる早春の回遊式庭園を独り占めする朝-6-

春の気配がそっと庭を包み込む時期、歴史薫る名宿「伊豆長岡温泉 三養荘」に訪れ、一夜明けた早朝。空がゆっくりと明るみはじめ、朝日がそっと姿を見せるころ、私たちは離れの「藤裏葉」のお部屋を出て、お庭の散策へ。庭に咲く桜の木の下で、春の訪れを感じながらも、朝の空気はまだ少しひんやりとしていて、頬をかすめるその冷たさが、目覚めたばかりの一日の始まりをそっと教えてくれました。

三養荘の広大な敷地に広がるのは、四季折々の表情を見せる回遊式庭園。

静まり返った朝の空気のなかを、ゆるりと歩き、誰にも邪魔されない光景は、なんとも贅沢な時間。

朝の光を纏いはじめた建物は、やわらかな茜色を帯び、夜とはまた違う表情を見せています。

時はまだ、動き出していないような、そんな静けさがあたりを満たしています。耳を澄ませば、風が木々を揺らす音だけが響きわたり、池では、優雅に泳ぐ鯉の姿がゆったりと行き交い、アメンボが水面を飛び跳ねれば、その波紋は輪を重ねて静かにそっと広がっていく。その光景を眺めていると、緩やかに流れる自然のリズムに呼吸が重なり、心がゆっくりと整っていくのを感じます。

庭に深く根を張る赤松の大樹。その堂々とした枝ぶりに抱かれるように、歴史ある「本館貴賓室 御幸」が静かに佇んでいます。幾年もの歳月を重ねてきた建物の風格と、赤松の力強い姿が重なり合い、この場所に流れる悠久の時を感じさせる光景に出会えます。貴賓室は、新館玄関からおよそ300mほど離れた奥まった場所にあり、そこへ続く専用の畳廊下も約50mにも及び、館内でありながら、まるで一軒の離れのような静けさに包まれ、豊かなプライベート感と情緒を味わえる特別なお部屋です。

三養荘の庭は、ただ美しいだけではなく、長い年月をかけて育まれてきた景色には、人の時間を静かに受け入れるような懐の深さがあり、安らぎに満ちた場所。

朝の光に包まれた三養荘の庭園。宿泊者だけが訪れることのできる時別な場所であり、より豊さを感じさせてくれます。

庭園の中に佇み、四季の移ろいが美しい庭園を一望することができる「本館離れ 高砂・花月」。

庭の一番奥まで歩むと、会員制クラブ「PRINCE VACATION CLUB」のために用意された特別な客室が8室あります。宿の奥に位置するため人の往来も少なく、静けさとプライベート感が際立つ空間。

三養荘の美しい庭園をより身近に感じながら、まるで別荘のようにゆったりとした滞在を楽しめるのが魅力です。

庭の一角では、艶やかな紅梅がひっそりと花開き、まだ冷たさの残る朝の空気の中で、やわらかな紅色の花びらがほころび、静かな庭にそっと春の気配を添えています。凛とした佇まいの中にも、どこか愛らしさを感じさせるその姿は、長い冬の終わりを告げる小さな知らせのよう。

庭を一周して戻る頃、差し込みはじめた朝日が次第に力を増し、庭全体をやわらかな光で満たしていきます。

四季折々に表情を変える三養荘の庭。春は桜や花々がやわらかな彩りを添え、夏は深い緑が庭全体を包み込みます。秋には紅葉が庭を鮮やかに染め、冬は凛と澄んだ静けさの中に、また違った趣を見せてくれる。訪れる季節ごとに新しい美しさに出会える、時の流れそのものを映すような庭。

今日もまた、穏やかな一日でありますように。そんな願いが自然と浮かぶ、静かな春の朝。この景色に、またいつか帰ってきたいと、そう思わせてくれる場所でした。

伊豆長岡温泉 三養荘
住所:〒410-2204 静岡県伊豆の国市墹之上270
TEL:055-947-1111
https://www.seibuprince.com/ja/sanyo-so-ryokan

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