
昨年秋に訪れた箱根・芦ノ湖。新年を迎えた2026年の冬、再びこの地へと足を運びました。今回の旅のパートナーは、PORSCHE 911 Carrera。澄み切った冬の青空のもと、ミッドナイトブルーのボディが静かに存在感を放ちます。深く落ち着いたその色合いは、冬の芦ノ湖の静かな湖面、遠くに連なる山々の陰影、そして凛と張りつめた空気感と美しく呼応し、まるでこの季節、この風景のために誂えたかのような一体感を生み出します。

車を停め、外に降り立つと、ひんやりと澄んだ空気がそっと頬を撫で、静けさの中に凛とした気配が漂う冬の芦ノ湖。その空気に包まれるだけで、自然と背筋が伸び、心が整うようです。

冬の芦ノ湖には、新緑の季節や紅葉の頃の華やぎとは異なる、ひときわ静謐で、揺るぎない美しさが息づいています。湖面は風を受けて流れるように揺れ続け、その上を冷たい空気がすっと通り抜けてゆきます。

温暖な時期に比べたら、観光客の足音が少しだけ遠のく冬だからこそ、水のきらめきや木々の枝を揺らす風の気配、そして刻一刻と移ろう光の陰影までもが、驚くほど鮮明に響きます。賑わいに包まれた季節には気づけなかった、自然の小さな呼吸や、ゆっくりと流れる時間のリズム。そのすべてが、冬の芦ノ湖では静かに、しかし、確かな存在感を放っていました。

湖越しに仰ぐ霊峰富士は、澄みきった冬空を背景に、その輪郭をいっそう際立たせながら佇んでいました。思わず言葉を失い、ただその姿を見つめてしまうほどの存在感。胸の奥がじんわりと熱くなり、しばらくの間、その場に足を留めていると、湖面をゆっくりと進む海賊船が姿を現し、静かに佇む平和の鳥居、そして山間からのぞく霊峰富士が重なり合い、まるで一幅の絵画のような風景を描き出します。新しい年の始まりにふさわしい、どこか“祝福”を感じさせるその光景に、自然と心まで晴れやかに。

海賊船の乗り場には、ゆるやかに連なる長い列。色とりどりのコートに身を包んだ人々が、冷たい空気の中で肩を寄せ合いながら、静かにその時を待っています。

海賊船を背に、すっと背筋を伸ばすように佇む愛犬ショコラの姿が。澄んだ冬の空気を胸に、凛とした表情でこちらを見つめるその眼差しは、どこか誇らしげで、そしてとても穏やか。冷たい風に立て髪を揺らしながらも、落ち着いたまなざしを崩さないその姿は、此処にいることの心地よさがにじんでいるようでした。

湖畔に立つ、箱根神社の第一鳥居。湖のほとりに静かに構えるその朱の姿は、まるでこの地を訪れる人々を、温かく迎え入れる結界のようです。

観光地でありながらも、不思議と足取りがゆっくりになり、心が落ち着き背筋が伸びる、そんな空気をまとった芦ノ湖周辺。

芦ノ湖の散策は、愛犬家にとっても、とても心地よい時間を過ごせる場所。湖畔に続く遊歩道はゆったりと整備され、澄んだ空気の中を愛犬と過ごせば、それだけで特別なひとときに。

人の流れが穏やかな冬の季節は、私たちにとっても、愛犬にとっても落ち着いて過ごしやすく、その景色は、よりやさしく、より深く心に残ります。澄んだ空気に包まれながら歩く湖畔の足音と風の音、穏やかに寄り添う愛犬と共に、“今”を味わう贅沢がここにはあります。心と身体をそっと整えてくれる、冬の箱根旅が幕を開けます。