浜松・手打ちそば「蕎麦家おおもり」一年の締めくくりに香り高い手打ち蕎麦で迎える大晦日

全国から選んだ玄そばを週替わりで粉を変えて打ち、極の蕎麦を提供している浜松は中島の「蕎麦家 おおもり」にて、久しぶりに年越しそばを頂き、2025年を締めくくります。大晦日の営業は通常より時間を早めて朝10:30〜14:00の営業時間となり、蕎麦が売り切れ次第終了となります。

11時前に到着した頃には、すでに駐車場は満車。日本列島を強い寒波が襲い、浜松特有の冷たい風が吹き付ける厳しい寒さとなりましたが、今年は比較的スムーズで、30分程度の待ち時間で済みました。

こちらの駐車場はスペースが限られていることもあり、この日はコンパクトな愛車のポルシェ991.2で伺ったのですが、一緒に並んでいたお客様から「カレラいいですね」と声を掛けていただいたのです。以前996後期に乗られていたとのことで、そこからポルシェ談義に花が咲きました。共通の趣味の話で盛り上がっているうちに、凍えるような待ち時間もあっという間に過ぎ、心まで温まるひとときとなりました。

店内は、10名ほどの座敷と4名ほどが腰掛けれるカウンター席とのこじんまりとしたお店となり、天井は高く、木の温もりが溢れる空間。向かい合わせの席は止められたようで、両脇に一枚板のテーブルを配置し、横一列に並びます。

こちらは、現店主である大森正人さんが丹精込めて作られる手挽きの打ち立て蕎麦と、奥様の三枝子さんが丹念に揚げられる天ぷらがいただけ、御夫婦で切り盛りしているお店。ここ数年の間に、大森さんが引退を考え始めていたことをキッカケに、娘さんが跡継ぎとして手伝われるようになり、今も家族で協力し合いながら営業を続けられています。

大晦日に縁起をかついで蕎麦を食べる習慣は江戸時代から始まり、日本の文化として「年越しそば」と言われ定着しています。年越しそばを食べることには意味があり、諸説あるようですが、特に有力な5つの話を紹介致しましょう。

1.厄払い
そばはほかの麺類に比べて切れやすいことから、「1年の厄災や苦労を切り捨てて翌年に持ち越さない」という願いを込めて年越しそばを食べる、というもっとも有名な説。そこから悪いものと縁を切り、新年を気持ちよく迎えたいという意味が込められ、「縁切りそば」という別名が付いたとも言われています。

2.長寿祈願
そばは細く長い麺であることから、延命や長寿を祈願して食べることが年越しそばを食べる意味と言われています。引っ越しの際に贈る引っ越しそばもこの意味が込められています。

3.健康祈願
そばの原料であるそばの実が、激しい雨風を受けてもその後の晴天で日光が当たるとすぐ元気になることから、健康への縁起を担ぐものとして食べられるようになったという謂れ。

4.金運上昇
昔、金細工職人はそば粉を団子状にしてその団子に金粉や銀粉をくっつけ、団子を水に入れてそば粉を溶かすことで、が金粉銀粉を集めていました。また金箔を延ばす時もそば粉を用いたこともあり、そばは金を集める縁起物であるという考えが生まれたそう。

5.運気上昇
古く鎌倉時代には博多の承天寺で貧しい人々へ、年越しのための「世直しそば」というそば餅を振舞っていました。
その「世直しそば」を食べた人は翌年から運が向いてきたそうで、そこからそばを縁起物と考えるようになり、年越しそばに繋がったという説。

本日のそば粉は、せいろには「新そば 福井大野産」、田舎二八には「茨城 常陸秋そば」となっています。

メニューも以前の渋い縦書きのメニューから手描きの愛らしい横書きメニューに変わりました。

この日はタイミング良く大好きなカウンター席へ座れ、厨房内の様子を眺めながら、そばを楽しみに待つことができました。

「たべくらべ」¥1,200

たべくらべは、せいろと挽きぐるみの田舎そばの2種類を食べ比べできます。手前が皮を取ったせいろは、新そば 福井大野産」を使用し、色鮮やかなグリーンで甘みを感じとても美味しいです。奥が挽きぐるみの田舎そばで常陸秋そばを使用。こちらは挽きぐるみでそばの味わいを濃く感じます。塩でいただくと蕎麦の香りと甘みをまた違った味わいで楽しめます。丸抜きし電動石臼で挽いたそば粉を二八で打ったそばで喉越しの良さが楽しめます。先ずは香りを楽しむためにも、卓上にある塩を少し付けていただくことをお勧めします。その後に蕎麦汁でも楽しみましょう。

「天ぷら」¥900

野菜が茄子に隠元豆、舞茸、にんじん、さつま芋と5種類入り、海老天1本付いてくる天ぷらは抹茶塩でいただきます。

「温 かけそば」¥900

寒波で極寒続きの日々は、ほっこりとする温かいそばが恋しくて、汁を一口、口に流して癒やされます!その後は、熱々の蕎麦を一気にずずっと流し込み、最後は蕎麦湯が来るのを待ちましょう!

久しぶりにいただいた「おおもり」の手打ちそば。新そばの香りと熟練の打ち手の成す技を堪能。

三回転ほど回った蕎麦湯は、とろみの利いた蕎麦湯となり、ほっこりとする〆の一口。

つい先日、体調を崩され伏せっていた大森さんも「暇な時にまた寄ってよ!」と元気に挨拶を交わしてくれたので、お元気そうな姿を見れて一安心。大森さんたちとの変わらぬ掛け合いも嬉しくなりました♪

大忙しの店内でしたが、大森さん家族の結束力を感じながら、美味しい年越しそばにあり付けて、大満足の大晦日。今年もお世話になった方々の笑顔が沢山見れて、私たちも有難いことに無事に年を越すことができ、嬉しい限りです。来年もどうぞ変わらぬお付き合いの程、何卒宜しくお願い致します。

蕎麦家おおもり
住所:静岡県浜松市中区中島1-31-1
TEL:053-463-2879
営業時間:11:30~14:00
定休日:月、火曜日、金曜日、第一日曜(公式Instagramで御確認ください)
https://www.instagram.com/sobaya.omori/

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