
今年の誕生日旅行は、愛犬ショコラと一緒に“箱根”へ紅葉狩り。翌朝、ホテルをチェックアウトしたその足で訪れたのは、関東屈指のパワースポットとして知られる「箱根神社」です。

境内の手水舎は三ヶ所あり、こちらは正参道石段前、第四鳥居の横にある手水舎になります。

龍の口から絶え間なく流れ落ちる清水は、箱根の山々が育んだ自然そのもの。

お参りの前に心身を清めてから参りましょう。まず左手を洗い、次に右手を洗い、左手に水を受けて口をすすぎ、最後に左手を清める(柄杓がある場合:柄を洗い、元の位置に伏せて置く)という流れになります。

芦ノ湖畔に佇む「箱根神社」は、約1,200年前に創建された古社で、源頼朝や徳川家康も参拝した歴史を持つ神社。老杉に抱かれた清々しい景観となる正参道の石段を90段ほど登り、御本殿へと進みましょう。

大きな杉の木々に囲まれた境内は、ひんやりと澄んだ空気に包まれ、都市の喧騒を忘れさせてくれるような神聖な空間。

箱根屈指のパワースポットとして知られるだけあり、境内には平日にもかかわらず多くの参拝者の姿があり、国内外から訪れる人々が絶えず、参道には穏やかなざわめきと人の流れが続いています。それでも、大きな杉の木々が作り出す静寂の空間は、人の賑わいを包み込むように、どこか凛とした静けさに満ちています。

紅葉の赤や黄金色がやわらかく彩りを添える社務所。

神印帳への御神印を求める人々で、社務所の受付には自然と列ができていました。多くの参拝者が、この地のご加護をいただこうと、静かに順番を待つ姿が印象的。

箱根神社の御本殿は、静寂に包まれた境内奥に佇む朱塗りの社殿で、心願成就、勝運守護、交通安全など多くのご利益で知られています。

箱根神社の御本殿にお祀りされている御祭神は「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」、「木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)」、「彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)」の三柱で、総称して「箱根大神(はこねのおおかみ)」と呼ばれています。

さまざまな願いを託した絵馬がずらりと掛けられており、その願いは、良縁祈願、安産祈願、交通安全、仕事運など、一枚一枚に込められた想いからは、この場所が今もなお多くの人々の「人生の節目」に寄り添っていることが伝わってきます。

御本殿前に佇む狛犬は、長い年月のなかで全身を覆うように苔をまとい、まるでこの地の自然の一部になったかのような姿。風雪に耐えながら、変わらぬ眼差しで参拝者を静かに見守り続けています。

箱根神社右隣の「九頭龍神社(新宮)」には、芦ノ湖の守護神、九頭龍大神がお祀りされています。九頭龍祈祷では、人生の節目や新たな一歩を踏み出す際に、霊験あらたかな龍神様の御威徳を授かりたいと願う人々が今も絶えず訪れる場所。九頭龍大神は、「九頭龍神社(本宮)」と「九頭龍神社(新宮)」の二ヶ所に祀られています。

二つ目の手水舎となる龍神水で身を清めてからお参りしましょう。

龍の口から潔く流れ落ちる清水は、心身の垢を洗い流すかのように澄みきっており、静かに手を清めるたびに、自然と気持ちも引き締まります。

その横には、龍神水がそそぐ「成就水盤」があり、水溶性の「誓願符(初穂料500円)」 を流せば、溶けて流れ、その願いは芦ノ湖 の九頭龍大神に届くとされています。

新宮の天井には、力強く躍動する龍の絵が描かれており、天井いっぱいに広がるその姿は、まるで空を舞う龍が参拝者を力強く見守っているかのように肌で感じる龍神様の御威徳。

御祭神の九頭龍大神は、昔から人々に「九頭龍さま」と崇められ、商売繁盛・金運守護・心願成就・良縁成就等に特に御神徳の高い龍神様として信仰されています。

駐車場横に設置された休憩所周辺は、多くの参拝者が集う心安らげる憩いの場。

休憩所で販売する「幸せのかしわ餅」は、パワースポットの”大きな幸せのかしわの木”が由来となり作られており、縁起のいいお土産ものとして喜ばれています。

「弁財天池」 では、大きな鯉がゆったりと泳ぐ姿が見られ、水面に映る紅葉や空の色とともに、静かな時間が流れ、参拝の合間に心を落ち着けるひとときとなります。

箱根神社は、”箱根七福神めぐり”の一つで、恵比寿神を祀っています。”箱根七福神めぐり”は、恵比寿神の箱根神社を含む七つの寺社を巡ることで福を授かるというもので、守源寺(大黒天)、興福院(布袋尊)、本還寺(寿老人)、駒形神社(毘沙門天)、阿字ヶ池弁財天(弁財天)、山王神社(福禄寿)の七柱。福の神を巡る巡礼スポットでは、健康・長寿・縁結び・商売繁盛など、さまざまなご利益を授かることができるとされており、芦ノ湖の景色を楽しみながら巡るのもおすすめです。

紅葉に彩られた休憩所周辺は、秋の柔らかな光と色づく葉に包まれ、訪れる人々がひと息つくのにぴったりの場所。

木々の間から差し込む陽光が暖かく注がれ、自然の豊かさを感じる心安らぐ時間。

箱根の紅葉は、11月下旬までが見頃とされています。紅葉狩りにお出かけの際は、箱根神社の紅葉もおすすめです。

参道を下り、道路を挟んだ先に見えてくるのは、

芦ノ湖にそびえる「平和の鳥居」。湖畔に佇むこの水中鳥居は、1952年(昭和27年)、当時の皇太子の立太子の礼とサンフランシスコ講和条約の締結による日本の独立回復を記念して建立。さらに、1964年(昭和39年)には、箱根神社御鎮座1200年と東京オリンピック開催を記念して、講和条約に調印した吉田茂元首相による「平和」の扁額が掲げられ、それ以来、この鳥居は「平和の鳥居」と称され、訪れる人々に静かで厳かな存在感を届け続けています。

湖面に映る朱色の鳥居と、周囲の紅葉や山々の景色が織りなす風景は、思わず息を呑む美しさで、訪れる人々は、その光景を一目写真に収めようと、長蛇の列を成しています。可能な方は、人気のない早朝時間などに訪れると良いかもしれません。

湖畔の空気までも澄んで感じられる、特別な時間が流れる場所。

紅葉や湖面の景色と調和し、訪れる人々に静けさと平和を感じさせる、箱根神社を象徴する風景です。
次回予告:「サロン・ド・テ ロザージュ」芦ノ湖畔を一望する絶景カフェ
箱根神社
住所:〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
TEL:0460-83-7123
24時間営業
参拝:愛犬同伴可
https://hakonejinja.or.jp/