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「熱海の三大別荘」の「起雲閣」日本を代表する文豪たちがこよなく愛した宿

2015/12/16

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熱海の三大別荘」と賞賛された名邸が基となり、多くの文豪たちに愛された宿「起雲閣」。
1919年(大正8年)に当時、海運王と呼ばれ、最初の持ち主であった内田信也が実母の静養の場所として建てた別荘は、
非公開の「岩崎別荘」、今はなき「住友別荘」とならび「熱海の三大別荘」と賞賛され、
その後、1947年(昭和22年)に旅館として生まれ変わり、熱海を代表する宿として数多くの宿泊客を迎え、
中には、山本有三、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治、舟橋聖一、武田泰淳など、
日本を代表する文豪たちにも愛されて参りました。
起雲閣」の表門は、1919年(大正8年)に創建され、薬医門(やくいもん)とよばれる造りになっており、
現存する事例が少なく、貴重な文化的、歴史的遺産であると言えます。
2000年(平成12年)より、熱海市指定有形文化財として熱海市が運営され一般公開し、
年々入館数は増加傾向にあり、2012年には入館者数100万人を突破しています。
さらに、2014年に放送されたNHKの連続テレビ小説「花子とアン」では、
九州の石炭王である嘉納伝助の屋敷として使われており、大いに話題を呼びました!
今では、多くの観光客が訪れる熱海の観光名所になっています♪

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起雲閣」は、大正から昭和にかけて3人の富豪と共に歴史を歩んで参りました。
内田信也時代 1918年(大正7年)年~1925年(大正14年)
根津嘉一郎時代 1925年(大正14年)年~1944年(昭和19年)
桜井兵五郎時代 1947年(昭和22年)年~1999年(平成11年)

館内は、広大な敷地3,000坪を誇り、
その内の1,000坪が池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)の壮大な日本庭園が広がり、
お時間の許す限りまで楽しむことが可能です♪

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1919年(大正8年)の内田信也別邸を創建する以前に、
既に存在していた蔵とされており、修復を経て現在に至り、
蔵内には、写真展示などを行い、お客様が自由に見学することが可能です。
土・日・祝日は、ボランティアが常駐されており、
起雲閣・熱海市内の見どころや美味しい食事処、お土産物などを紹介してくださいます♪

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先ずは、こちらの入口入って右手の受付にて大人1人510円の入園料を支払います♪

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敷地案内図

広大な敷地ではありますが、館内には観覧する「順路→」が示されているので、
案内に従いお進みください。

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和館「麒麟・大鳳」

麒麟・大鳳」の間と玄関を含む建物は、1918年(大正7年)に着工し、翌年の1919年(大正8年)に完成。
当時、海運王と呼ばれ、最初の持ち主であった内田信也が実母の静養の場所として建てた別荘で、
伝統的な和風建築の佇まいで、随所に斬新で先駆的な技術も見受けられます。
座敷は、床の間や付書院まわり、欄間など、豪華な装飾や際立った特徴のない簡素な造り。
高い天井や座敷の三方を取り囲む畳廊下、
そして、一際目を引く群青色の壁は、旅館となってから塗り替えられたものです。
加賀の青漆喰」と呼ばれる石川県加賀地方の伝統的な技法で、
旅館を開業した桜井兵五郎が石川県金沢の出身で、かつて東洋一のホテルであった
格式高い「白雲楼」の創設者であったため、こちらにも取り入れたといわれています。
目の冴えるような鮮やかな群青色は、前田家のお殿様のみ許される高貴な色とされており、
金沢の高貴な色として用いられ、「北陸新幹線」の色としても利用されています。
2階座敷「大鳳」には、旅館当時「太宰治」が宿泊したといわれております。
麒麟・大鳳」の間では、ボランティアスタッフが一定の時間毎に細かくアナウンスガイドしてくださるので、
見どころポイントが判りやすくて嬉しいです。
館内をぐるりと1周案内してくださる「スルーガイド(有料)」は、予約が必要となります♪

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庭園の風景は、今では見ることの少なくなってきた贅沢な空間となります。
畳廊下の窓ガラスは、当時の職人が一枚一枚流し込んで作った「大正ガラス」が残っており、
その微妙なゆがみの美しさを感じ取ることができます。
座敷の周囲を座敷と同じ高さに揃えた畳廊下で囲む造りは、入側造(いりかわづくり)といい、
車椅子で生活していた実母に対する内田信也の思いやりと考えられます♪

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廊下床には、カーペットが敷かれ、膝や腰に負担がかかりにくい造りとなっています。
アップダウンが多少あり、非常に長い廊下です。

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洋館「玉姫」

木造2階建ての洋館は、2代目の持ち主で当時「鉄道王」と呼ばれた根津嘉一郎の手により、
1931年(昭和6年)に着工し、1932年(昭和7年)に完成しました。
玉姫」の間は、正面中央に暖炉があるヨーロッパのデザインを基本にしていますが、
折上格天上(おりあげごうてんじょう)」など日本の神社仏閣に見られる建築様式が用いられています。
また「」の文字をデザインした中国風の彫刻や、シルクロード沿いで見られる唐草模様の彫刻で飾られています。
天井、床、壁、そして設置されたインテリアの数々、どれをとっても目を見張る貴重なものばかり!

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「サンルーム」

玉姫の間」に併設されたサンルームは、柔らかな陽をふんだんに取り入れることができ、
思わず溜息が漏れてしまいそうなほどに美しい姿を現します。
大きな窓とステンドグラスの天上、
色鮮やかなタイルの床が特徴で、「アールデコ」のデザインを基調にしています。
サンルームの名のとおり、たくさんの日光を取り入れるために、
天井とともに屋根もガラスで葺かれており、これらは鉄骨によって支えられています。
天井と高窓の間には、唐草模様が刻まれた石膏の装飾が施されています。
素晴らしいステンドグラスは、国産初のステンドグラスを製造した宇野澤辰雄の作品で、
床のモザイクタイルは、陶芸家でもあり、日本の建築にも多くの作品を残している池田泰山の作品です♪

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洋館「玉渓(ぎょくけい)」

洋館「玉渓(ぎょくけい)」は、中世英国の「チューダー様式」に
名栗仕上げ」を取り入れたヨーロッパの山荘風の造りになっています。
しかし、暖炉の覆いにはサンスクリット語の飾り、
入口の天井には茶室のように竹が用いられるなど、独特の空間となっています。
暖炉脇の太い円柱は、古い寺か神社の柱とも、江戸時代の帆船の帆柱ともいわれており、
この柱と暖炉は、日本建築の「床の間」と「床柱」にも見立てることができます。
廊下を含めた各部屋の窓のうち、上下に開閉する窓の両側の柱は内部が空洞となり、
この内部にワイヤーで、窓に繋がれた鉛の錘が吊り下げられており、
滑車によって上下に開閉する窓の動きをスムーズにしています。
贅を感じながらも、和と洋をミックスさせた造りは、とても不思議な感覚に陥ります。
当時、使用されていた家具やインテリアは希少なものとなり、
御手に触れることはできません。

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「初霜」(起雲閣ゆかりの文豪の間)

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初霜」の間は、「文豪の間」とされ、「太宰治」をはじめ、文豪たちゆかりの間でもあります。

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太宰治」、「三島由紀夫」、「舟橋聖一」、「武田泰淳」と数々の著名な文豪と
起雲閣」の深い関わりと略歴が記されています。

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「大鳳」(尾崎紅葉の間)

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大鳳」の間は、「金色夜叉」で有名な「尾崎紅葉の間」ともされており、
紅葉の名前をイメージするかのように、壁は鮮やかな紅葉色で染まっています♪

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1948年(昭和23年)3月18日に太宰治がこちら「大鳳」の間に宿泊し、
この前後の3月7日~31日までは別館に滞在し、「人間失格」を執筆されています。
奥には、「お宮の松」の写真も飾られています♪

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暗しとは柳にうきなあさみどり」と「尾崎紅葉」の句がガラス戸に刻み込まれています。
窓から伺える素晴らしい日本庭園にゆったりと身を委ね、
静かに心休まる時を過ごしながら、数々の文豪らが、どれほど執筆活動に励まれたことでしょう。
その気分をわたしも少しだけ味わってみることにしました♪

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洋館「金剛(こんごう)」

建物は、2代目の持ち主で当時「鉄道王」と呼ばれた根津嘉一郎の手により、
1928年(昭和3年)に着工し、翌年の1929年(昭和4年)に完成しました。
その後、何度か改築されていますが、1989年の改築により、ローマ風浴室の位置と向きが変えられています。
建築当時は独立した建物で、部屋への入口あたり、石張りの廊下部分が玄関となっていました。
金剛では、暖炉上方のスペード、ハート、ダイヤ、クラブを象った模様をはじめ、
草花の模様などが、洋館では大変珍しい螺鈿細工(らでんざいく)によって施されています。
この他にも、柱などの随所に面取りや名栗仕上げといった加工が施されています。
建築当時は、すべての床が入り口右手の小部屋と同じタイル張りでした。
蝶番やドアノブなど、細工が施された建具金物は建築当時の物となり、大変貴重なものとなります。

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「ローマ風浴室」

洋館「金剛(こんごう)」に併設されたローマ風浴室は、
1989年の改築の際、多くの部分で現代の材料に改められてしまいましたが、
ステンドグラスの窓やテラコッタ製の湯出口などは、建築当時の物です。
肌触りの良さや滑り止めの効果を考慮して、浴槽の周囲には「木製のタイル」が敷かれている他、
建築当時は畳敷き、あわせて9畳の脱衣室と化粧室も敷設。
こちらでは、「舟橋聖一」が離れの「孔雀の間」で執筆した「雪夫人絵図」の映画化
(監督:溝口健二 出演:久我美子・浜田百合子・柳永次郎ほか)の際に、シーン撮影が行われています。
2015年2月~3月末まで、およそ2か月間に渡り改修工事を実施されており、見学不可能でしたが、
現在は、改修工事を無事に終え、開放されています♪

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「染殿の湯」

庭園を眺めることができる広々とした大浴場もございます。

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熱海市立図書館」が創立100周年を迎えられています。

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丁度、創立100周年を記念する式典を開催されておりました。
このように施設内は、各種イベント毎に施設の貸出が可能となります。
貸出施設の施設使用料については、スペース毎に異なりますので、お問い合わせしてみてください♪

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「人力車」

風情溢れる当時の人力車は、乗車はできませんが、記念撮影することが可能です♪

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喫茶室「やすらぎ」

旅館時代にバーであったスペースをそのままに、
趣(おもむき)のある調度品に囲まれた気品溢れる喫茶室として営業されています。
丁寧に立てられたお抹茶や起雲閣オリジナルの珈琲を飲みながら、
ゆっくりとお庭を眺めまったりとしたひとときを味わえる空間です♪

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施設内を見学した後は、1,000坪もの広大な日本庭園にも足を運びたいと思います。
庭園から、大正から昭和にかけて造られた
歴史的存在価値のある木造建築の風情溢れるその様をじっくりと眺めるのも良いでしょう♪

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「池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)の日本庭園」

起雲閣」の庭園は、池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)と呼ばれており、
眺望を楽しむことと、散策を楽しむという両面性をもった大変素晴らしい庭園となっています。
眺望については、敷地内の各建物、各部屋それぞれの場所から眺めた時、
どこから眺めても快適な庭となるように設計されています。
1,000坪の広大な庭園は、四季折々に色彩に変化をもたらし、季節毎の良さを楽しめます♪

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庭園内の池周辺を散策し、色鮮やかに優雅に泳ぐ鯉を眺めていると、
丁度、池の鯉に餌を与えるためにスタッフのおじさんが出ていらっしゃいました。
毎日定時に鯉の餌やりをされるそうです。
何というナイスタイミングでしょう!
一緒にいかがですか♪」とわたしにも餌やりを参加させてくださいました!(嬉)
毎日世話をされることで、いつしか鯉たちに愛着が湧いてしまったというスタッフのおじさん。
鯉が可愛くて仕方ないそうです。
穏やかで優しい口調で語り掛けてくださり、庭園の魅力も教えてくださいました♪

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熱海の三大別荘」と称され、数々の文豪たちに愛された「起雲閣」は、
想像していた以上に素晴らしく、見事なまでの緑豊かな日本庭園で心も癒され、
是非とも熱海観光の1つとしてお勧めしたい名所となります。
広大な敷地内は、平坦とはいえ距離がかさみます。
足腰の弱い方は、時間に余裕を持って、ゆっくりと休憩を挟みながら楽しまれることをお勧め致します。
四季折々の花々も美しく、
来年早々には、梅や河津桜より早い熱海桜も咲き始め、一足早い春を感じられることでしょう。
大正と昭和のロマン溢れる「起雲閣」お勧めです♪

起雲閣
所在地:静岡県熱海市昭和町4-2
TEL:0557-86-3101
開館時間:9:00~17:00(最終入館4:30まで)
休館日:水曜日(祝・祭日の場合は開館)
入館料:大人510円(団体は410円)
高校生・中学生300円(団体は200円)
http://www.city.atami.shizuoka.jp/

静岡県熱海市昭和町4-2

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