伊豆長岡・温泉旅館「三養荘 -5-」夏の朝を華やかに彩る十二割の弁当箱で身体喜ぶ和朝食

眩しい夏の陽射しを感じながら迎えた「伊豆長岡温泉 三養荘」の朝。木陰の下をゆっくりと歩きながら、新館の朝食会場へ向かいます。青々と茂る木々の葉が強い陽射しをやわらげ、足元には夏の庭の濃い緑。春にはまだ芽吹きの気配を残していた庭も、今は生命力に満ちた緑に包まれています。木々の間を抜ける風を感じながら歩く、夏の朝のひととき。この季節ならではの清々しい景色を楽しみながら、三養荘でいただく朝食へ。

深緑に囲まれた新館。整然と連なる開口部と水平に伸びるラインが美しい調和を見せ、数寄屋建築らしい端正な美しさが、夏の朝の光の中でより印象的に感じられます。

光と影に包まれたこの場所から一日の始まりを迎えます。

深い緑に包まれ、柔らかな光を受け、庭の景色に溶け込むように佇むロビー。

夏の光が差し込む新館で、ひときわ目を惹く西陣織の襖絵。夜に見せた表情とは異なり、光の加減によって織りの表情が変わり、色彩や文様がさまざまな趣を見せてくれます。

静かな和の空間に、華やかな彩りを添える美しい設えです。

大きな窓越しに庭の緑を取り込む新館。自然と建築がひとつの景色を描くように調和し、洗練された美しさと風情が漂います。

涼やかに水が流れる庭園を眺めながら、静かな長い廊下を進み、朝食会場へ。

お着物姿の仲居さんたちに笑顔で出迎えていただき、夕食と同じお席へ。

青々とした木々が広がる庭を眺めながら迎える朝は、それだけで清々しく、ゆっくりと身体が目覚めていくよう。

「苺のスムージー」

最初に運ばれてきたのは、目覚めの一杯にうれしい「苺のスムージー」。苺の甘酸っぱさにバナナのまろやかな甘みが重なり、朝の身体にすっと馴染むような一杯。

今回も三養荘らしい、宝石箱のような弁当箱を中心に、品数豊かな和朝食が並びました。十二割の弁当箱には、玉子焼き 大根おろし、煮物、香美楽、ひじき煮、法蓮草お浸し、シラス卸し、野菜サラダ 箱根西麓人参ドレッシング、刺身、蒲鉾 明太子 山葵漬け、天城 山葵茎の醤油漬け、塩鮭と、朝からこれほどたくさんの味わいを少しずつ楽しめる嬉しさがあります。

まずは、おめざのスムージーをいただき、ゆっくりと味わいましょう。

実は春に訪れた際、この見事な十二割の弁当箱にすっかり惚れ込んでしまい、帰宅してから九分割のお弁当箱を購入。今では我が家でも愛用しているほどです。そんな思い入れのあるお弁当箱に、今回も色とりどりの料理が美しく収められている姿を目にすると、思わず嬉しくなります。彩りよく盛り付けられた一品一品は、どれも奇をてらうことなく、素材の持ち味を大切に丁寧に仕立てられた和のおかずばかり。小さな仕切りの中に、それぞれ異なる味わいが並ぶことで、ひと口ごとに楽しみがあり、まるで宝箱をひとつずつ開いていくような朝の食卓。

「釜炊きご飯」

一人一釜で炊き上げられる「釜炊きご飯」は、蓋を開ければふっくらと艶やかで、箸が止まりません。

「大見豆腐の湯豆腐」

中でも、今回特に印象に残ったのが「大見豆腐の湯豆腐」。天城山の名水と大見の大豆で作られた豆腐は、なめらかでコクのある味わい。浅利の旨みが凝縮された澄み切った出汁スープとともにいただくことで、豆腐そのもののやさしい味わいを楽しめます。夏の朝とはいえ、こうした温かな一品が添えられていると、身体の内側からゆっくりと整っていくような心地よさ。

「釜炊きご飯、味噌汁、フルーツ」

土地の恵みと丁寧な仕事を一品一品味わう朝食は、旅の朝にふさわしい、身体も心も喜ぶ和朝食を堪能しました。

春の訪れを感じた前回とは違い、今回は濃い緑に包まれた夏の三養荘。

食後はコーヒーをいただきながら、朝日に包まれる月見台へ。

夏の日差しを受けた庭の木々は生命力に満ち、建物の中に明るい光と陰影が美しく広がります。

月見台

夜のしっとりとした雰囲気とは異なり、朝日を浴びて爽やかな風が吹く月見台。

美しく整えられた庭を眺めながら、腰を下ろし過ごす、静かな朝の時間。

目の前に広がるのは、夏の陽射しを浴びて鮮やかさを増す深い緑の庭。木々の葉が幾重にも重なり、その先には、清らかな水の流れが静かに続いています。

耳に届くのは、涼やかな小川のせせらぎのみ。苔むした岩の間を縫うように水が流れ、木々の葉を揺らす風さえも遠くに感じられるほど。しばし足を止めて耳を澄ませば、心まで静かにほどけていくような時間です。

三養荘には、心ほどける静かな時間が流れています。

伊豆長岡温泉 三養荘
住所:〒410-2204 静岡県伊豆の国市墹之上270
TEL:055-947-1111
https://www.seibuprince.com/ja/sanyo-so-ryokan

 

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