
主人の50歳の誕生日を祝う、真夏の伊豆旅。春の結婚記念日に訪れて以来、季節を変えて再び「伊豆長岡温泉 三養荘」へ。今回も、愛犬ショコラと一緒に過ごせる離れ「藤裏葉」の「栄の間」に滞在します。春には桜や春の花々が彩っていた庭園も、夏になると一変。太陽の光をたっぷりと浴びた木々は、より濃く、深く、生命力に満ちた緑へと姿を変えていました。そんな夏の庭を望みながら、この部屋で過ごす時間は、旅の始まりからとても穏やかなものでした。

深緑の庭を眺めながら、「美人の湯」へ

荷解きを済ませ、ひと息ついたところで、まず向かったのは客室に備えられた専用の温泉。「藤裏葉」の魅力のひとつでもある、かけ流しの温泉“美人の湯”です。

旅館に到着してから大浴場へ移動するのではなく、自分たちの客室で好きな時間に湯浴みを楽しめる贅沢。

窓の向こうには、夏色に染まった庭園。濃い緑の木々を眺めながら湯に身を委ねれば、外の暑ささえ忘れてしまいそうです。温泉の心地よい熱に包まれながら、窓の外へ目を向けると、風に揺れる葉が陽の光を受けてきらめいています。深い緑、木漏れ日、静かな庭。都会の喧騒から離れ、ただ湯に浸かりながら庭を眺める。日常ではなかなか味わえない贅沢を感じます。

湯上がりには、特別な日のシャンパーニュを
温泉でゆっくりと身体を温めたあとは、楽しみにしていた一杯を。この日のために冷やしておいたのは、大好きな「LOUIS ROEDERER(ルイ・ロデレール)」のシャンパーニュ。特別な日には、やはり特別な泡を。主人の50歳という節目を祝う旅だからこそ、いつもより少しだけ贅沢に、好きなものを持ち込んで楽しむことにしました。冷えたボトルを開栓すると、軽やかな泡がグラスの中で静かに立ち上がり、琥珀色が柔らかな光を受けてきらめきます。合わせるのは、シャンパーニュと一緒に楽しめる軽いおつまみ。こうした準備も、記念日の滞在をより楽しむための大切な時間。華やかなレストランでいただく一杯とはまた違い、誰にも急かされず、好きな場所で、好きな人と味わうシャンパーニュ。
「50歳、おめでとう。」
その言葉を交わすだけで、この一杯がいつもより特別なものに感じられました。湯上がりの身体に心地よく染みわたる泡と、夏の緑、そして愛犬と過ごす静かな時間が流れます。

ふと庭に目を向けると、青々と茂る紅葉の葉陰を、一羽のアゲハ蝶がひらひらと舞う姿が。まるで、この特別な日を祝ってくれているかのように、静かな庭を優雅に横切る姿。深い緑の中に浮かぶ黒と白の羽が美しく、ほんのひとときながら、私たちの時間にそっと寄り添ってくれているようでした。

私たちが味わいたかったのは、まさにこうした穏やかなひととき。何にも縛られず、ただ庭を眺め、ゆっくりとグラスを傾け、ゆったりとした時間を過ごす。すっかり寛いだショコラの姿を眺めていると、その穏やかな表情にこちらまで心がほどけ、自然と笑顔になります。愛犬が安心して寛いでいる姿を見られることも、私たちにとっては何よりの癒し。

広縁でちょこんと座り、庭を望むショコラ。ガラス越しに外を眺める様子が、どこか「お庭に出たいな」と言っているよう。

まだ強い日差しが残る時間だったので、陽が傾き始めるのを待ってから。

プライベートな専用坪庭へと降り立つ縁側へ。

青々とした芝が広がり、木々は揚々と枝葉を広げ、自然石とやわらかな土の感触が心地よく、愛犬が自由に駆け回れるのびやかな空間。ショコラはいつものようにクン活に勤しみながら、庭全体を見回り、まるで小さなパトロール隊のよう。

夏の日差しは思いのほか強く、専用庭でほんの少し遊んだだけでも、じんわりと額に汗がにじみます。そんなとき、客室にかけ流しの温泉があるありがたさを実感。汗を流すために、二度目の湯浴みへ。時間を気にすることなく、思い立ったときにいつでも温泉へ入れるのは、大きな魅力です。夏の庭で遊んだ身体を、ゆっくりと湯に委ね、窓の外に映る静かな庭を眺めながら温泉に浸かっていると、外で感じた暑さもいつの間にか遠のいていきます。“美人の湯”の名の通り、湯上がりの肌はしっとり。身体の芯まで温まり、こわばっていた気持ちまでも、ゆるやかにほどけていくようです。「好きなときに、好きなだけ。」そんな贅沢を味わえるのも、客室に温泉を備えた「三養荘」ならではの楽しみです。

湯上がりには、寝室となる次の間に用意された、涼しげな浴衣に袖を通します。

化粧部屋の鏡台の前で襟元を整え、身支度。

夏の三養荘には、団扇も用意されていました。傍らには、ラウンジでいただける夏限定メニューが紹介されたパンフレットも。天空の抹茶を使用したあずきかき氷に、クリームソーダと涼やかな夏の涼味。涼しげな写真を眺めながら、「愛犬も一緒に行けるなら、行きたいのにね」と、思わず願わずにはいられません。そんなひとときもまた、愛犬と旅をする私たちならではの、夏の思い出です。

浴衣姿で涼もうと、咲き始めたばかりの秋明菊が愛らしい姿を見せるもう一つの小さな縁側へ。

そよぐ風に団扇をゆっくりと仰ぎながら、静かな庭を眺めて過ごす、夏の夕涼み。
伊豆長岡温泉 三養荘
住所:〒410-2204 静岡県伊豆の国市墹之上270
TEL:055-947-1111
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