パタンのダルバール広場にて「生き神クマリ」から祝福のティラカを

ネパールの首都カトマンドゥの南に位置するパタンの「ダルバール広場(Durbar Square)」にある「クマリの館」へ出向き、「生き神クマリ」のもとへ!「クマリ(Kumari)」とは、密教女神ヴァジラ・デーヴィー、ヒンドゥー教の女神ドゥルガーが宿り、ネパール王国の守護神である女神タレージュやアルナプルナの生まれ変わりとされています。クマリは、満月の日に仏教徒の家に生まれ、ネワール族のシャカ(Shakya)のお家柄である少女の中から占星術により選ばれ、幾つもの厳しい基準を満たすことが条件となります。クマリとして選ばれた幼き少女は、初潮を迎えるまでその役割を果たし、人々から生き神として崇められるのです!

クマリの身体的条件の中には、1.均並のとれた足、2.足の轟に螺旋形の紋様、3.生った爪、4.長くて形状の良い足指、5.アヒルのような手足、6.柔らく、しなやかな手足、7.肩幅が広く、肢がくびれた身体、8.鹿のような股、9.小さく、上品に隠れた性器、10.獅子のような胸など、32項目もの細かな条件が課され、身体的に怪我や不自由な箇所がないことも条件に入ります。さらには、動物の頭部が生贄として並べられた暗い部屋に閉じ込められても怯えること無く耐えることも条件の1つだというから驚きです。物心が付くか付かない3歳ぐらいの幼き子から選出されるそうですが、この制度は、幼児虐待や軟禁状態などの観点から人権擁護団体からの非難もあるようです。しかしながら、伝統を重んじる人々のクマリに対する信仰心は根強いものがあり、今後、クマリの存在が存続するか否かは決められておりません。

今回は、カトマンドゥのロイヤル・クマリにはお会いできませんでしたが、パタンのローカル・クマリには、特別に視察団全員が順にお目通りできることとなり、館内に入らせていただきます!

クマリのいらっしゃるお部屋は、それはそれは厳かな雰囲気が漂い、一斉に緊張が走ります!

真っ赤なネワール族の礼装に身を包んだクマリの表情は凛としており、少しも笑うことなく堂々とした佇まいで、瞬きも感じぬほどに大きな瞳でジッと見つめられると、ただただ吸い込まれてしまいそうな不思議な感覚に陥ります!

クマリは、地面に足を付けてはいけないそうで、金のタライに足を乗せ、足の爪は真っ赤なペディキュアが施されています!

アイラインに特徴がある独特なメイクを施されているクマリ。お膝元にて、祝福のティラカ(Tilaka)を受ける際に、御挨拶させていただきましたが、目を見つめるだけで精一杯!たった数秒間のことでしたが、時が止まったように感じられるひとときでした!絶大な神の力が宿るとされ、幸運をもたらすとされるクマリにお会いできて大変貴重な体験となりました!

クマリと一緒に撮影することは禁じられているため、部屋に掛けてあったクマリの御写真と一緒に記念撮影させていただきました!ここ最近では、2017年9月28日に、ネパールの首都カトマンドゥにて、3歳の女の子のトリシュナ・シャキャ(Trishna Shakya)が新たな生き神「クマリ(Kumari)」に選ばれたというニュースを目にしました!神秘的なお話ですが、就任されたクマリが多くの貢献を終え、退任された後は幸多き人生であってほしいと願います!

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