シンガポールを代表するマーライオン像が立つ広場マーライオン・パーク

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シンガポールの国名のもととなったのは、サンスクリット語の”シンガプーラ”。この名前は、はるか昔に活躍した1人の王子さまの冒険譚に由来しています。15世紀に書かれた”マレー年代記”によると、インドネシアのスマトラ島で栄えたスリヴィジャヤ帝国の王子サン・ニラ・ウタマが、11世紀に新しい町を建設するため、土地を探す旅に出ました。当時、ジャワ語で”タマセク(海)”と呼ばれていた、現在のシンガポールに上陸した際に、王子はシンガポール川の付近で白いたてがみを持つ獅子に似た動物に出会います。そこで王子はこの地にライオンを意味する”シンガ”と町を意味する”プーラ”を合わせた”シンガプーラ”という名前を付けました。この伝説が現在においてもシンガポールの象徴が獅子であるもとになっているのです♪

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国のシンボルであるマーライオンは、ライオンの頭を持ち魚の体を持ちます。これは”シンガプーラ”と名付けられる前のシンガポールが、ジャワ語で海を意味する”タマセク”だったことに由来しています。魚の尻尾は海の象徴。つまりシンガポールを表す2つの名前を合体させたものがマーライオンなのです。海に囲まれた島国であるシンガポールにとって、昔も現在も海の交易は国の要。マーライオンは、国の成り立ちと繁栄を象徴する存在でもあるのです。ライオンの頭部と魚の下半身というユニークな形を考案したのは、ヴァン・クリーフ水族館(現在は廃館)で学芸員を務めていたフレイザー・ブラナー氏。氏はシンガポールの土産物委員会のメンバーでもありました。マーライオンの彫像は、シンガポールの著名な彫刻家リム・ナンセン氏によって作られました。高さ8.6m、重さ70tの巨大なライオン像を完成させるのにかかった期間はおよそ10ヶ月。1972年9月15日、シンガポールの初代首相リー・クアンユー首相によって、マーライオンの除幕式が執り行われました。2009年に落雷をうけ、たてがみと耳の一部などが破損してしまいましたが、現在は修復されもとの姿を保っています。そして8.6mのマーライオンの後ろにいる、高さ2mのミニマーライオンもリム・ナンセン氏が制作したもので、2体を一緒に撮影するのもオススメの構図です。シンガポールには、マーライオンが全部で4体存在します。セントーサ島に1体、こちらのマーライオン・パークに2体、マウント・フェーバーの丘に1体です。そして、セントーサ島の中央部にそびえ立つ全長37mのシンガポール最大のマーライオンは、内部にS$8(日本円640円ほど)で入場することができ、1Fではマーライオン伝説のアニメ上映がされており、9Fのマウス展望デッキからはマーライオンの口の中から本島側を一望でき、さらに12Fのヘッド展望デッキへ訪れれば、島全体360度の壮大なパノラマが楽しめます。時間のある方は、是非4体のマーライオンに会いにいってみてください♪

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シンガポールの顔ともいえるマーライオン像ですが、かつては”世界三大がっかり”などと憎まれ口を叩かれていたことがあります。1972年にマーライオンが設置された場所は、エスプラネード近くのシンガポール川の河口でした。しかし、この場所には後にエスプラネード橋が架かったため、正面からマーライオンの姿が見えなくなってしまったのです。さらに、当初は勢いよく水を吐き出していたマーライオンでしたが、後年ポンプが故障し口から水が出なくなってしまったことがありました。そんな残念な姿が”世界三大がっかり”と謳われてしまったゆえんなのだとか。

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今でこそ快調に水を吐き出し続けているマーライオンは、2004年4月に、マーライオンは現在のマーライオン・パークに移されました。再び水を吐くようになった現在のマーライオンの背景には、壮麗なフラトン・ホテルとラッフルズ・プレイスの高層ビル群。さらにマリーナ・ベイの対岸には、エスプラネード・シアターズをはじめとする煌びやかな建築が並んでいます。そしてマーライオンが見つめる先には2010年にオープンしたマリーナベイ・サンズのそびえ立つ3つのビルと、空中庭園サンズ・スカイパークの宇宙的な光景が見られ、マーライオンの顔を正面から拝めるられるように長い桟橋も造られました♪

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連日この景色を観に訪れる観光客で溢れるマーライオン・パークは、今や、シンガポールで最も印象的な景色の1つといえるでしょう♪

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