パタンにある小さな村ブンガマティのマチェンドラナート寺院の復興視察

ネパールのパタンから5kmほど離れたラリトプール地区にある小さな村・ブンガマティ(Bungamati)の中心的な儀式の場となる「マチェンドラナート寺院(Machhindranath Temple)」へ出向き、ネパール大震災後の復興状況を視察して参りました!

ブンガマティは、”雨の神”、”豊穣の神”としてブンガマティ渓谷の”谷の守護神”と崇められたマチェンドラナート(Machhindranath)の故郷とされており、村の広場の中心にある大きなシカラ様式(Shiikhara-Style)の寺院「マチェンドラナート寺院(Machhindranath Temple)」は、当時マチェンドラナートが半年間ほど滞在した場所になります!

シカラ様式(Shiikhara-Style)
サンスクリット後で「山頂」を意味し、北インドのヒンドゥー寺院建築の上昇する塔を指します。

ブンガマティ村の区長が挨拶に出向いてくださいました!ナマステ!(नमस्ते)こんにちは!

ガイドのマハラジャン ナレス (Maharjan Naresh)さんが視察団を代表して御本尊に礼拝!

こちらブンガマティにある御本尊は、ラト(赤)・マチェンドラナートとなり、真っ赤なお顔をされていますが、カトマンドゥにある「マチェンドラナート寺院」のセト(白)・マチェンドラナートのお顔は真っ白だそうです!

地元の人々が”雨の神”に敬意を表するために、毎年4月~5月に行う祭り「馬車祭(Bunga Dyah Jatra)」があるのですが、大震災の際、偶然にも御本尊のマチェンドラナートは山車(だし)に乗せられ、外に出されていたために被害を免れたのだとお聞きしました!本当に神がかり的な不思議なことはあるものなのですね!

全て崩壊してしまった寺院跡地は、石灰が舞い上がる中、赤煉瓦を積み上げ土台となる杭が打たれた状態で、復旧作業する人員も少なく、まだまだ復興という言葉には程遠い状態が伺えます。

ナレスさんが崩壊した寺院跡地を前にして、震災前の状況が判る写真資料を見せてくださりながら、悲しい現状を語ってくださいました。

ブンガマティの人々が礼拝に訪れている寺院の青空にそびえ立つその姿は、美しい石造の立派なシカラ様式となり、跡形もなく崩れ去ってしまった跡地からは、想像もできない状況になっています!

崩壊した赤煉瓦の瓦礫は山積みとなり、脆く使えなくなっているものとそうでないものとのが入り混じった様子が伺えます。
昔の面影のまま、材質も替えずに修復したいと願う気持ちは解りますが、硬度、強度の無い赤煉瓦での積み上げは、もしもの時の災害に備えるにしては不十分なように思います。

今にも崩れそうな建造物は、要所要所に竹を刺し固定しているようですが、その状態は何らかの拍子に崩壊を余儀なくされるのではないかと暗雲が立ち込めて参ります。

設計図を基に修復作業を進めるようですが、寺院だけではなく、周辺の住民の家屋なども壊滅しており、その復興も政府と住民の意見がなかなかそぐわず遅れを取っているようです。

震災から2年半の月日が経っているにも関わらず、この村の彼方此方には、未だ震災の爪痕が多く残っております。

金などの装飾が施されている神像は、強盗などに狙われてしまう可能性もあるため、警備員が常駐されていました!信じ難いのですが、罰当たりなことをする輩が後を絶えないそうです。

現在村人たちは、仮設住宅へ避難しておりますが、一部住民は留まっているとのこと。しかしながら、家々の壁面はひび割れが生じ、些細な衝撃で倒壊の恐れが残されている危険な状態となります。

ブンガマティ村の復興はまだ少し時間が掛かりそうです。

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