「KAWASAKI」旬の野菜やジビエを通じて静岡の自然を感じ取れるレストラン

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静岡市青葉通り沿いに、アンティークブロックが特徴的で、
まだ新しくも、以前からその場所に建っていたかのようにひっそりと馴染むビル
BROOKLYN SQUARE ブルックリン スクエア ビル」があります。
こちらの集合ビルは、鷹匠で人気のある「パサージュ鷹匠」を手掛けられた
アンフィニホームズ INFINI HOMES」が2年前に企画された物件です。
アンフィニホームズは、その場所に溶け込むような建物を設計し、
観る人の興味を惹くものを提案することと同時に、徹底してセンスの良いものを提供し注目を集めています。
BROOKLYN SQUARE ブルックリン スクエア ビルの1Fには、
ヨーロッパのインポートブランドを中心としたセレクトショップ「Giotto」もあります。
今回は、こちらのビル内2階にあるフレンチに足を運びます♪

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こちらのBROOKLYN SQUARE ブルックリン スクエア ビルの2Fに2014年12月
富士宮市の名店「レストランビオス restaurant Bio-s」のシェフを長年務めていた河崎芳範さんが
食材の自給自足をコンセプトにレストラン「KAWASAKI」をオープン!

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KAWASAKI店内

シンプルでシックな落ち着きのある店内は、
テーブルが2卓8席カウンターが11席とシェフとの距離が近い造りとなっています。
オープンキッチンで繰り広げられるライブ感さながらの調理を観ながら
食事を楽しめるカウンター席は、女性1人でも気軽に立ち寄れる雰囲気です♪

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オーナーシェフ 河崎芳範

兵庫県出身。東京の音楽専門学校卒業後、兵庫県明石市の和食店でキャリアをスタート。
食べ歩きでフランス料理に出会ってから、フレンチを学びたいと、東京代々木「レストランキノシタ」、
表参道「レストランポワロー」、高田馬場「ラミティエ」、丸の内「ブラッスリーオザミ」にて修業。

修業した東京の店に、食材を届けていたのが旧芝川町(現富士宮市)の有機農園「ビオファームまつき」。
勉強のため農園を訪れた際、東京で食べた野菜との味の違いに驚き、
この新鮮な食材で料理をしたいと強く想うようになり、
2007年に町内に移住し、農園直営のレストラン「レストランビオス restaurant Bio-s」で経験を積まれます。

その経験を活かして、
2014年12月に「KAWASAKI」を静岡市常盤町に自身の店をオープンさせ、現在に至ります。

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こちらのお店では、狩猟免許を所持する河崎シェフが自ら仕留めたジビエ(野生鳥獣の食肉)や、
収穫した野菜を使った料理を提供しています。

店内には竹で編みこまれた格子に立派な鹿の角がディスプレイされていますが、
実際に捕獲した鹿の角なんだそうです!(凄)

現在は、レストランに出勤する前に、
富士宮市の芝川地区の提携農家さんの畑で食材を調達するのが日課となっており、
朝6時頃には既に畑で一作業されているとのこと。
キジやカモ、シカなどを罠にかけたり、猟銃で撃ったり、
地元農家の畑で無農薬の野菜を収穫される日々。
このような厳選した食材の中からフレンチを主としたメニューを考え、
素材に最適な料理法を生み出しているのです♪

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熟成庫・保冷庫

食材の良さをお客様に知っていただきたいという想いから、
レストランに入ってすぐの場所に、ジビエの熟成庫や野菜の保冷庫が置かれています。
現在は自家製の生ハムを仕込まれていてもうすぐ完成するそうです。
ジビエの時期には、猪が半身でぶら下がっていることもあるというから驚きです(笑)

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KAWASAKI」ではランチ、ディナーともコース料理を中心にアラカルトも用意されています。
夜にワインを嗜みながら、好きなアラカルト料理を楽しむこともできます。
この日は、友人とわたし達夫婦で出向き、ランチメニュー【MENU B】 2,800円をオーダー。
メーンの鹿肉が朝獲れたばかりとのことで、
この日だけ特別に「心臓」や「レバー」も提供してくださるとのことで、とても楽しみです!(嬉)

Lunch Menu

【MENU A】 1,800円
オードブル、本日のスープ、メインディッシュ、自家製パン
※プラス500円でデザート、カフェ付

【MENU B】 2,800円
オードブル、本日のスープ、野菜料理、メインディッシュ、デザート、自家製パン、カフェ

【カレーランチ(鹿が入荷した時限定)】 1,200円
オードブル、本州鹿のカレー
※プラス500円でデザート、カフェ付

Dinner Menu

【MENU Saison】 4,800円
アミューズ、オードブル1、オードブル2、メインディッシュ、デザート、自家製パン、プチフール、カフェ

【MENU Terroir】 6,200円
8皿の野菜中心のお任せコース

【MENU Degustation】 8,000円
11皿からなる、その日だけのシェフのお任せコース

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「自家製パテドカンパーニュ」

はじめの一皿は、地元の豚を使ったパテドカンパーニュに、
富士宮で採れた無農薬野菜のキュウリ、トマト、フレッシュマッシュルームを添えて。
彩りが鮮やかな野菜が添えられたパテは目で見ても楽しませてくれます。
味わいは優しく、素材の旨味を十二分に感じられ、作り手の心が伝わる美味しさです♪

富士宮豚蔵」 幸寿豚(こうじゅとん)

自分たちで育てた豚のみを販売し、生産から販売まで安心安全な製品を提供されています。
自社ブランド「富士の幸寿豚(こうじゅとん)」は肉質の分析で、
旨味成分、ジューシーさ、脂質構成において非常に優れていると評価されています。

こちらの豚を使って作るパテドカンパーニュは、豚の旨みを活かすため、
なるべく手を加えずそのままの味を楽しめるようにシンプルに仕上げられています。

 「やさし菜農園tanizaki」 トマト CF千果、オレンジ千果

今年で7年目を迎える「やさし菜農園tanizaki」では、
スタンダードな野菜を中心にあまり市場に出回らない珍しい野菜を無農薬で栽培されています。
土壌診断を行い、それぞれの畑、それぞれの野菜に合った肥料を独自で配合され、
オーガニック野菜であっても見た目が美しく出来るように、そして何より味の良さにこだわられています。

こちらで栽培されるCF千果、オレンジ千果は糖度8~10度と高い上、トマト臭が少なく食味に優れています。
果色はきれいな赤やオレンジ色で艶があり美しい果実です。
従来のミニトマトと比べてカロテン含有が約3倍にも及び、栄養価も非常に高いです。

ASOBICULTURE」 四葉(スーヨー)キュウリ

「ASOBICULTURE」は、絶景の富士山を眺める体験型農園で、農作業体験、収穫体験 、直売をしている農園です 。

四葉(スーヨー)キュウリとは、昔ながらのイボイボのあるキュウリで味わいが濃く、
とても歯応えが良いのと弾ける瑞々しさが特徴です。

長谷川農産」 マッシュルーム

本場・オランダの栽培技術・設備により、無農薬・無漂白でマッシュルーム栽培をしている富士市にある長谷川農産。
日本での本格的な栽培をスタートして20年。
本物を求める人々の支持を得て、着実にファンを増やしてきた長谷川農産のマッシュルームは、
全国の有名ホテル・レストランなどで広く活用されています。

こちらのマッシュルームは生でも食べれ、
一口かじれば、深みのある香りと味が口の中にフワッと広がっていきます。

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「自家製バケット」

フランスと国産の粉をブレンドし、味わい深く仕上げられたバケットは、
熱々で提供してくれるので、香ばしく前菜のパテドカンパーニュにも良く合います♪

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「バターナッツの冷製ポタージュ」

百姓屋つぐみ」のバターナッツを使用しており、滑らかな仕上がりで味わい深いポタージュです。
この時期、どのレストランでも提供してくださるバターナッツのポタージュですが、
「シンプル」さで言えば、ここ最近の一番で、より素材を楽しめたように思います♪

富士山麓で有機農業をされている「百姓屋つぐみ」。
無農薬、無化学肥料にだけこだわるのではなく、
おからや糠、落ち葉、鶏糞をなるべく堆肥に、支柱はなるべく竹で、紐も麻ひもを使用。
できる限り自然のものを用いて、あるものを使い、土に還せる農業をされています。

この農園で栽培されているバターナッツは、南アメリカ大陸が原産とされるもので、
アメリカではポピュラーなカボチャの1つです。
近年、日本でも人気が高まってきており、様々なレストランで見掛けるようになっています。

形は縦長のひょうたん形で、下の膨らんだ部分に種がたくさん入っており
果皮は黄褐色から肌色で艶があるのが特徴です。

バターナッツという名前の由来になっている通り、
このカボチャの特徴は、ナッツのような風味とねっとりとした果肉にあります。
繊維質が少なく、ポタージュにするととても滑らかに仕上がります。

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「旬野菜の蒸し焼き」

塩とバターのみの下味で、野菜の持つ水分のみで蒸し焼きしたシンプルな料理。
富士宮の契約農家の農場へ直接足を運び採ってきた無農薬野菜を、
できる限りシンプルに調理することで、素材本来の味わいを楽しんでいただきたいという
河崎シェフの想いが詰まった一皿。
この一皿を楽しみにこのお店に来ると言っても良いでしょう♪

やさし菜農園tanizaki」 茄子、ゴボウ、ししとう

茄子は「筑陽(ちくよう)」という太長ナス。
肉質は従来の長ナスよりも緻密で、煮炊きのほか漬物用や焼きナスにも最適です。
ごぼうは「サラダ娘」という品種で、育っても35cmから45cm程にしかならない短根ごぼうです。
白肌で鮮度がよく、香り・食味ともにすぐれ、ゴボウ一般の料理はもちろん、サラダでも食べることができます。
ししとうは「甘とう美人」という品種の甘長ししとうです。
15cm程と大きく、肉質は厚めで柔らかく、甘みもあるとても美味しいししとうです。

ゆのさや農園」 四角豆、ピーマン

「ゆのさや農園」は富士山麓の元、農薬、化学肥料を使用せず
ほぼ無肥料栽培で「野菜らしさ」を最大限引き出す方法をとられています。
日光と雨の恵だけで育った野菜はたくましく、
食味にも大きく影響して、野菜の味がはっきりと感じられます。

こちらで栽培されている四角豆は沖縄野菜ですが、サクサクした歯応えです。
ピーマンは「あきの」という品種で、鮮やかな濃い緑色の光沢が眩く、味わいが瑞々しいです。

ASOBICULTURE」 紫人参、モロッコインゲン、小松菜
百姓屋つぐみ」 バターナッツ、オクラ、玉ねぎ

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「本州鹿のロースト」

早朝、シェフの住む富士宮芝川町の猟師から連絡が入り、
罠にかかった子鹿(1歳程度)を獲りに行ってこられたそうです。
すぐに絞められた子鹿は、捕まえた場所の近くの川沿いの湧水で冷やしてお店に持ってきているため鮮度は抜群!
子鹿の腿肉をローストして赤ワインで煮詰めたソースでいただきます。

ジビエは調理が難しく、プロの腕の見せどころとなりますが、
ジビエ経験豊富な河崎シェフの手に掛かれば素材本来の旨みを最大限に引き出してくれます。

今回頂いたのはメスで年中味が安定しているそうですが、
オスは秋からご飯を食べず痩せこけてしまうので、夏場が一番美味しいそうです。

付け合せに鹿肉のソーセージと「ゆのさや農園」のレッドムーン(ジャガイモ)。
鹿ソーセージは、シンプルに塩コショウで味付けされた鹿肉のミンチを生クリームを加えて作られています。

鹿の入荷時限定ではありますが、
本州鹿をじっくり煮込みやわらかく仕上げた特製カレーも用意されているそうです。

富士山麓ではニホンジカを中心に有害鳥獣の被害が深刻化しているそうです。
鹿は1万8千頭が生息しているとされ、植生に影響がないとされる環境省の基準を大幅に上回り、
河崎シェフは地元猟友会員と有害鳥獣駆除の狩猟に出向くことも多いとお聞きしました。

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「本州鹿のレバー」

通常はあまり出ないという子鹿のレバーもこの日限りで出してくれました!
朝締めして適切な処理をしているからこそ提供できる料理だと思います♪

良いジビエは大気汚染のない自然な環境で、
栄養豊富な餌をふんだんに食べていることが好ましいとされ、
年齢差で肉質も大きく違ってくるため、同じ種でも個体差が激しく、
それをきちんと見極めて調理する必要がありますが、
なかなかこれらの食材をこのように提供してくれるレストランは少ないのではないかと思います!
河崎シェフの他のジビエ料理も是非とも味わってみたいものです。

朝締めされたばかりの鹿のレバーは絶妙な火入れで、
少し甘みを感じる粒マスタードのソースでいただいたのですが、
新鮮だけに、弾力が物凄く、ナイフを入れる瞬間とても驚きました!
通常のレバーとは違い、臭みは全くなく、甘味がすごく感じられ濃厚さが楽しめます。
大きめのポーションで提供してくださったので、3人でそれぞれにシェアさせていただきました♪

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「本州鹿のハツ(心臓)」

腿肉のローストはもちろんおいしく、またレバーの弾力も感動的でしたが、
こちらの一皿はさらに貴重な逸品で、なんと子鹿のハツ(心臓)です!
適切に処理された獲れたての鹿の心臓は今までに味わったことのない感覚で、
脳裏に今日一番の衝撃が走ります!

うっすらと桜色した絶妙な火入れで、
厚めにスライスされたハツは、臭みは何一つなく、その味わいは透明感に溢れています。
噛み込んでゆくときの筋繊維の軽い弾力が心地良く、ぷりっと噛み切るその瞬間はまさに至福のひととき。

高タンパク低脂肪、ミネラル豊富と健康にも良い貴重な食材ですが、
そんな良質な心臓をいただくと、何やら緊張して、身の引き締まるような気持ちになります。
敬いの気持ちで「命をいただく」ことの大切さを感じながら、
神聖なものに触れたような気持ちになり食しました♪

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「黒米のクレームブリュレ」

黒米は古代米の一種で、一般的な白米に比べてたんぱく質やビタミン類、
そして青紫色の天然色素であるアントシアニンを豊富に含みます。
胃腸のサポートや糖尿病にも役立ち、東洋で古来から珍重されてきた米です。
日本の米のルーツといわれる古代米で、精白米に混ぜて炊くとおいしく食べることができます。
そんな栄養価に富んだ黒米を用い、ヘルシーなデザートに仕上げています。
カリカリにキャラメリゼされたコーティングを割りながら、
甘み優しく、香ばしい滑らかなクレームブリュレを堪能。
このデザートに、〆に出てくるフレンチプレスのコーヒーがまた良く合います♪

【黒米の健康効果】
■視機能を改善する効果■胃の健康を保つ効果■糖尿病を予防する効果■美肌効果■髪を健康に保つ効果

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「珈琲」

南米の小さな生産者を応援するなどワールドワイドなネットワークを持つ、
静岡市駿河区の「創作珈琲工房くれあーる」から定期的に旬の珈琲豆を仕入れ、
レストランで豆を挽いてフレンチプレスで提供されています。
フレンチプレスは、コーヒーの油分まで余すことなく抽出できるため、
コーヒーの素材本来の美味しさを楽しめます♪

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「キジの羽」

河崎シェフが実際に獲られたキジの羽がディスプレイされていたのですが、
キジの羽は、フライフィッシング、書道家の筆、サンバの衣装の飾り、ディスプレイとして
様々な活用法があるようです。
持って帰られる方も多いとお聞きし、
わたしも我が家のディスプレイ用にお土産としていただきました!(嬉)

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河崎シェフを囲んで記念撮影!
キッチンに立たれているシェフは、寡黙で食材と真摯に向き合うクールな姿が印象的でしたが、
食材や農家さんのお話をされている時は、まるで少年のように無邪気に語られており、
その姿のギャップもまた素敵だなと思えてなりません。
河崎シェフ、またジビエの時期に伺いますね♪

レストラン カワサキ KAWASAKI
〒420-0034 静岡市常磐町1丁目8-5 BROOKLYN SQUARE 2F
TEL:054-272-0066
営業時間:12:00~14:00(LO13:30) 18:00~22:30(L.O)
定休日:日曜日、第3月曜日
http://kawasaki-y.com/

静岡市常磐町1丁目8-5

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