「ラ・ヴァガボンド」また来たい!と思わせる岩本シェフ渾身の至極のフレンチ

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都心よりやや南東に位置する静かな街並み鶴舞2011年4月14日にオープンされたフレンチ「LA VAGABONDE ラ・ヴァガボンド」さん。オープンテラスの伺える店構えは、一見、カフェのような雰囲気を醸し出していますが、オープンして間もなく、名古屋のグルメな美食家達の間で評判になり、予約の取れないフレンチの名店と呼ばれるまでのお店となります。店名の”VAGABONDE”とは、フランス語で”放浪者”または”旅人”を意味します。放浪者や旅人と聞くと、”さすらいの~”(あてもなく彷徨う)という言葉を頭に思い浮かべますが、こちらの岩本シェフが織り成す料理は、一皿一皿のその端整な美しさに迷いを全く感じることがありません。日本全国、また、世界各国より旅して来た食材を用い、たっぷりのソースで仕上げるその一皿一皿に想いを込めて、フランス料理ならではの手間隙かけた渾身の料理を肩肘張らずに食していただきたいと願いを込められているそうです♪

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今回は、前回お伺いした1月にお伺いを立てて、およそ2ヶ月先のこの日に予約を取ることができました。ディナーのコース内容は、7,000円の1コースのみとなります。カウンター席も含め、20席もあるゆったりとした広さの店内ですが、この日も4組8名しか取られておらず、入店人数は常に制限を掛け、サービス面、提供する料理面においてクオリティを保つよう努力されているようです。真っ白な清潔感溢れる壁に、シンプル且つシックなダーク調の施し、落ち着いた雰囲気の大人の隠れ家的なお店になります。お子様の入店は、ランチもディナーも中学生以上とされておりますのでご注意ください♪

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ディナーのため、料理と一緒にアルコールも楽しみながらいただこうと思い、この日は名古屋に宿泊です。早速、グラスでシャンパーニュをお願いしました♪

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「ピエール・ジモネ / ブリュット・ブラン・ド・ブラン・キュイ・1er」シャンパーニュ地方 ヴェルズネイ グラス1,300円

こちらは、フランスのワインガイドブック「ギドアシェット&ラヌーヴ・ド・ヴァンフランス」で5つ星の最も優れたシャンパンハウスと高い評価を得ています。 シャルドネのみのアイテムで、繊細で爽やかな酸味がありますが、熟した果実の風味も感じられる素晴らしい味わいの1本です。グラスのシャンパーニュで、この価格帯で出してくれるところが良心的です♪

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アミューズ「白魚 加藤農園のフルーツトマトのジュ 新玉葱 花穂紫蘇」

トゥルンととろける茨城県は霞ヶ浦の新鮮な白魚の繊細な味わいの下には、甘味優しい新玉葱のピューレに、非常に爽やかな酸味優しいフルーツトマトのソースでカクテル仕立てになっています。オリーブオイルと紫蘇のお花の風味がふんわりと香り、何とも上品な一品に感動♪

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アミューズ「チーズのチップス デュカを添えて」

カリカリッと仕上げたチーズのチップスには、アクセントにヘーゼルナッツやコリアンダーを合わせたスパイスのデュカを添えて、香りも楽しめる一品。石造りの器がまた素敵です♪

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「エル・ジェネリック・ソーテルヌ 2010」フランス ボルドー

フォアグラに合わせて白ワインをいただきました。セミヨン種80%とソーヴィニヨン・ブラン20%で造られた世界三大貴腐ワインの1つ、ソーテルヌシャトー・ディケムのセカンド的な存在と言われています。ドライ・フルーツとスパイスの複雑で強烈なアロマ。エレガントさとバランスに優れ蜜の濃い希少価値の高い極甘ワインで、キャラメルのフォアグラとの相性も抜群です♪

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アミューズ「フォアグラ・キャラメル 金柑”たまたま”のコンフィチュール セップ茸のタルト」

銀箔をあしらい、香ばしいキャラメルでコーティングされた低温調理のフォアグラテリーヌは、まるでデザートのような一品。間に、宮崎県産の金柑の品種”たまたま”で作られた苦味と酸味が程好いコンフィチュールを挟み、下には、香り高いセップ茸(伊:ポルチーニ茸)の粉末を用いたサクサクのサブレを敷いています。程好いボリュームのフォアグラなため、濃厚でも嫌味が無く、キャラメルとコンフィチュールでクドくなり過ぎないようにバランスも絶妙な一品です!あまりにも美味しすぎて、頬が緩みっぱなしです♪

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「自家製パン」 ほのかな甘い香りが広がる湘南小麦で作られた柔らかなパン。

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前菜「フリュイ・ド・メール」

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「様々な貝類のサラド・リ・ノワール “井深農園”エルブ 花山葵」

フリュイドメールとは、海の幸という意味があり、海の幸のサラダ仕立てとした一品。ミネラルをたっぷりと含んだ黒米(古米)のサラダを敷き、えんどう豆とそら豆のムース、赤貝、ホッキ貝、青柳貝、姫サザエを柚子のソースで仕上げています。葉わさびやからし菜などの葉野菜の彩が美しく、ほろ苦さがアクセントになりながらも、シャキシャキコリコリとそれぞれの食感を楽しむ新鮮な甘味溢れる貝類と黒米との相性も最高です♪

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前菜「青海苔チップス 菓子仕立て 鱒の卵、サザエの肝、赤貝のヒモ、サラダ春菊」

青海苔を練り込んだチップスは、とても薄く仕上げており、壊れやすくもろいので、手でそっと掴んで一口でいただきます。中には、鱒の卵やサザエの肝、赤貝のヒモ、サラダ春菊を忍ばせて、一口で味わうには贅沢なほどに広がる磯の香りと美味しさは無限です♪

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赤ワインをセレクト

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「ブルゴーニュ・ルージュ2012/ルイ・シュニュ」フランス AOCブルゴーニュ 5,500円

父から受け継いだ古樹畑を大切にし、5代目のキャロリーヌ・シュニュがドメーヌを継承してから、本格的に自社ビン詰めを開始しています。モダンなラベルのデザインは、リヨンの若手グラフィック・デザイナーが、彼女達の伝えたイメージをもとにデザインしたもの。サヴィニー村、アロッス・コルトン村、ショレー・レ・ボーヌ村に囲まれたACブルゴーニュの区画0.25ha(樹齢約60年のVV)、サヴィニー村内AOCオート・コート・ド・ボーヌ区画のレ・シュヴリエール0.43ha(平均樹齢35年)、レ・ペリエール0.5ha(平均樹齢35年)のブレンド。約20%がACブルゴーニュで、約80%がAOCオート・コート・ド・ボーヌです。チェリー、ベリー系果実を想わせる香り。ナチュラルで優しく可愛らしい女性をイメージさせるふくよかななピノノワールです。ヴァガボンドさんは、ワインの品揃えも多く、丁寧に説明もしてくれるのでお好みに合わせていただくことが可能で、とてもリーズナブルに提供されています♪

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「くちぐろ 春野菜のエチュベ 富山産生蛍烏賊 菜の花エミルション “レニエリ家” チョリソー」

くちぐろ(石鯛)を、菜の花のソース、ヴァンブランソースの2種でいただきます。葉わさびとセルバチカをパリッと仕上げたクロカンテでいただきます。トスカーナで先代からの伝統を受け継いだレシピで造られる「RENIERI レニエリ家」のチョリソーをアクセントに添えられていて美味しいです♪

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お口直し「晩白柚(ばんぺいゆ)のグラニテ ザクロを添えて」

晩白柚は、グレープフルーツより酸味が優しく、甘味に富んだザボンの一品種の柑橘です。

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わたしの顔のように真ん丸な晩白柚(ばんぺいゆ)です(笑)

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「マダム・ビュルゴーのシャラン鴨」お2人様より(+2,000円)

マダム・ビュルゴーのシャラン鴨の胸肉の部分を低温でロゼ色に仕上げ、根セロリのピューレ、赤キャベツをビネガーでマリネ、芽キャベツ、ローストしたヘーゼルナッツ、木の芽、鴨の骨から取ったジュ・ド・カナールのシンプルなソースでいただきます。アクセントに、トリュフ塩、幻のペッパーと言われるマニゲット、オレンジピールを添えられており、様々な香りで楽しめます。独特の皮面の食感と鴨肉のしっとりとした旨味は、岩本シェフならではの丁寧な3度焼き仕上げで、作り出されるもの。鴨の皮面はじっくりと低温で焼き上げてオーブン、そして最後に皮面をもう一度揚げるほどの高温でジュッと火入れしカリカリに仕上げたものになります。脂が苦手なわたし達でも美味しくいただける仕上がりに感動です!今までいろいろなシャラン鴨をいただきましたが、こちらの鴨肉の旨味は絶品です!シェフの腕あってこそのこの素晴らしい料理たちですが、シェフもスタッフさんも「素材に助けられているんです」と、皆さん奢ることなく、最後まで「まだまだ勉強です」と、謙虚な姿勢がとても印象に残ります。こういうお店だからこそ、気持ち良く食事ができるのだと痛感します♪

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デザートの代わりにお好みのフロマージュを選べます。

この日は、ウォッシュタイプのエポワスとモンドール、12ヶ月熟成のコンテ、シェーブルタイプのサントモール、牛のミルクのブルーチーズ・ブルードボンヌマール、共働学舎の季節限定商品のさくらチーズの中から、本来なら2種類選べるのですが、今回は特別に3種類選ばせていただきました♪

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スプーンにウォッシュタイプのエポワス、そしてモンドール12ヶ月熟成のコンテの3種でいただきました。クランベリーとレーズン、オレンジピール、行者にんにくのチップス、北あかりの粗めのマッシュポテト、いちじくを練り込んだパンを添えて、豪華なチーズプレート♪

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「トリュフ塩」

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「オペラ ピュア・カライヴのソルベ」

オペラらしからぬスタイルですが、岩本シェフの独創的なデザインでレストラン仕様のお仕上げです。一番下に濃厚なエスプレッソのムース、ほろ苦いエスプレッソのクッキーを纏わせて、中に、ほろ苦いフランス産のビターチョコレートのアイスが忍ばされています。プロヴァンスのエクストラバージンオリーブオイルの粉末と金箔を添えて。見た目にも斬新で美しく、上品なほろ苦さと濃厚さが大人の夜を演出してくれる最高のデザートです♪

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「プティフール(小菓子)」

小菓子をお重箱に重ねてそれぞれに提供される演出もまた和の要素を取り入れられており、粋。焼き菓子を3種。奥のしっとりとした焼き菓子は、人参の焼き菓子、桜のマカロン、そしてカヌレ・ド・ボルドー。フランスのボルドー女子修道院で古くから作られていた伝統菓子で蜜蝋を入れることと、カヌレ型と呼ばれる小さな型で焼くことが特徴。外側は黒めの焼き色が付き香ばしく、内側はしっとりと柔らかい食感を持っています。最初のアミューズに始まり、コースを締めくくるお茶菓子まで、どれをとってもパーフェクトな味わいと美しさです♪

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「コーヒー」

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岩本シェフを迎えてスタッフの皆さんと記念写真

見た目の美しさに伴う繊細な料理であり、素材を最大限に活かそうとする岩本シェフの”愛””優しさ”を感じる料理がいただけるヴァガボンドさんは、間違いなく名古屋でお勧めできるフレンチの1つです。現在の予約状況は、夜であれば4月末~5月上旬は可能とのこと。また予約して伺います♪

LA VAGABONDE ラ・ヴァガボンド
愛知県名古屋市中区千代田2丁目14-24 キャノンピア鶴舞 1F
TEL:052-253-7343
ランチ【土・日のみ】11:30~13:30(L.o)※前日までの要予約
ディナー【火~日曜日】18:00~21:00(L.o)
※お子様のご同伴はLunch、Dinnerどちらも中学生以上です
定休日:月曜日、月1回連休(不定休)
http://www.vagabonde.jp/

名古屋市中区千代田2丁目14-24

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