「ラ・ヴァガボンド」にて端整な美しさを誇る至極のフレンチランチ

IMG_7085

都心よりやや南東に位置する静かな街並み鶴舞2011年4月14日にオープンされたフレンチ「LA VAGABONDE ラ・ヴァガボンド」さん。オープンテラスの伺える店構えは、一見、カフェのような雰囲気を醸し出していますが、オープンして間もなく、名古屋のグルメな美食家達の間で評判になり、予約の取れないフレンチの名店と呼ばれるまでのお店となります。店名の”VAGABONDE”とは、フランス語で”放浪者”または”旅人”を意味します。放浪者や旅人と聞くと、”さすらいの~”(あてもなく彷徨う)という言葉を頭に思い浮かべますが、こちらの岩本シェフが織り成す料理は、一皿一皿のその端整な美しさに迷いを全く感じることがありません。日本全国、また、世界各国より旅して来た食材を用い、たっぷりのソースで仕上げるその一皿一皿に想いを込めて、フランス料理ならではの手間隙かけた渾身の料理を肩肘張らずに食していただきたいと願いを込められているそうです♪

IMG_7099

ランチは、土日のみの営業となり、今回は12月にお伺いを立てて、およそ2ヶ月先のこの日に予約を取ることができました。ランチのコース内容は、以前やられていた2,800円のコースをお休みされ、現在は4,500円の1コースのみとなります。カウンター席も含め、20席もあるゆったりとした広さの店内ですが、この日も4組8名しか取られておらず、入店人数は常に制限を掛け、サービス面、提供する料理面においてクオリティを保つよう努力されているようです♪

IMG_7104

真っ白な清潔感溢れる壁に、シンプル且つシックなダーク調の施し、落ち着いた雰囲気の大人の隠れ家的なお店になります。お子様の入店は、ランチもディナーも中学生以上とされておりますのでご注意ください♪

IMG_7087

Amuze「豊浜産姫サザエ フランセーズ」

アミューズは、豊浜産の姫サザエをカクテル仕立てに。下にえんどう豆のピューレ、その上にフルーツトマトと利尻根昆布で取った出汁をゼリー状にしたものを組み合わせ、混ぜ合わせながらいただきます。サザエの磯の香りに昆布出汁にフルーツトマトの優しい酸味を纏わせたゼリーが良く合います。えんどう豆の濃厚なピューレを加えると変化が生まれ味わいに広がりがあります。そしてミントの葉を一緒にいただくと、とても爽やかなお口取りです♪

IMG_7088

「自家製バゲット」

自家製バゲットは、水分も程好くもっちりとしていて甘みがあります。添えられた青々とした風味が楽しめるエキストラバージンオリーブオイルをたっぷりと付けていただきましょう♪

IMG_7090

Entrées「石川県加能蟹 アボガド ピスタージュ」

目にも艶やかな前菜は、石川県の加能蟹(ズワイ蟹)とアボガドのサラダ仕立て。とても薄くスライスしたアボガドの中に、蟹味噌に和えた蟹身とトマトのコンフィチュールを柚子のドレッシングで柑橘風味に仕上げています。下の鮮やかなグリーンは、エストラゴンの爽やかなハーブのソース。その上に、蟹の足の身、ハッサクを添えて。さらに上からピスタチオオイルや小豆島のオリーブオイルを纏い、香りとコクもプラスされています。美しく濃いグリーンで見た目にも美しく、そして繊細で上品な味わいです♪

IMG_7092

Poissons「対馬産のどぐろ」

魚料理は、長崎県対馬で漁れたのどぐろの皮面に亜麻仁(亜麻という植物の花の種子)を添えて香ばしくカリッと焼き上げています。新玉葱にヴィネガーで少し酸味を利かせたソースでいただきます。浅葱、菜の花、田芹、山独活と旬の山菜類を添えて、フランス産の生ハムを巻いていただくと味が絞まります。のどぐろの出汁とハーブを使用したエスプーマで爽やかな演出。左下に添えられた蕗の薹のピューレの苦味が程好いアクセントになります♪

IMG_7094

お口直し「ハーブのシャーベット」

お口直しには、レモンの香りに良く似たベルベーヌハーブのシャーベットにザクロの実を添えて。このところ伺ったレストランでは、良くザクロを使用されているのを見掛けることが多く、1月末に出向いたタイ・バンコクでは、今時期が旬で、どこもかしこもザクロでしたが、流石に日本にザクロ(フルーツ)は持ち込めず断念。その実のプチプチとした食感と程好い甘みと酸味の美味しさにハマってしまい、一体どこで売っているのか、ザクロ探しの旅を続けているわたしです(笑)浜松では「ビオ・あつみ」さんに売っていたという情報を聞き付けて、その日に足を運ぶも残念ながらの品切れ。今回は、折角名古屋にまで足を運んでいるので、セレブが集う高級スーパーなるものを探してみました!すると、気になるスーパーがあったので、ランチ後に街ブラしてから行ってみようと思います♪

IMG_7098

Viandes「カイユ・アンペリアル 鶉のドディーヌ」

メーンの肉料理は2種類の中から選べたので、それぞれにどちらもオーダーしました。こちらは、鶉のドディーヌ。ドディーヌとは、詰め物をすることを意味します。むっちりとした弾力の鶉はとてもしっとりと良い火入れで、中には、山鳩やうり坊などをミックスしたものを詰めて野生らしさを感じ、ジビエ感が出ています。ソースは、それぞれの骨からとれたジビエのソースを添えて。金柑のコンフィチュールを添えることで、少し癖のあるジビエ料理に爽やかなアクセントを加えます♪

IMG_7097

Viandes「知多牛 炭香るアロワイヨ」

お次のメーンは、知多牛のサーロインを紀州備長炭で炭火焼きにしています。知多牛は、モノ不飽和脂肪酸とオレイン酸の数値が高く豊富で、それこそがこのブランド牛の旨味の秘訣だそうです。肉質は柔らかくしっとりとしており、噛めば噛むほどに甘みを増します。添えられたマッシュルームの上にセップ茸のパンを振り掛けて。孔牛の骨からとれた赤ワインのソースでいただきます。トリュフ塩と黒胡椒でお好みでお召し上がりください♪

IMG_7100

Dessets「苺 トランスパランス 薔薇」

デザートも2種類から選べましたが、1つは、わたしの苦手な抹茶味ということと、フルムダンベールという旦那様の苦手な青カビタイプのチーズを使用していたため、諦めました。しかし、お隣のテーブルの方が食べていたそちらを見ると、とても美しい盛り付けに「ぁあ、画的に綺麗・・・頼んでも良かったね♪」と、思わず喰わず嫌いを反省した2人です(笑)こちらは、もう一方の苺のデザート。”トランスパランス”とは、フランス語で”透明”を意味します。その名の通り、透明感溢れるデザートが出てまいりました。お皿は、薔薇のダルマスクローズの香りを纏った泡の下に、爽やかな紅茶のアイスクリームと木苺のコンフィチュールを求肥(ぎゅうひ)で隠して、もっちりと上品な大人の雪見大福のようで、大変美味しいです。そしてグラスは、酸味を利かせた苺のスープにシャンパーニュと苺のムースを沿えて、グラスのままいただくと、程好い酸味とパチパチと弾けるシャンパーニュの芳醇な香りが広がります。博多産のあまおう苺はホワイトチョコを纏って濃厚な仕上がりに。旬の苺を贅沢に用いた最高のデザートです♪

IMG_7101

Café「コーヒー」

IMG_7103

Petitfour「小菓子」

一点の曇りもない素晴らしいお店は、やはり小菓子までもが美味しいです。お重箱に重ねてそれぞれに提供される演出もまた和の要素を取り入れられており、粋。焼き菓子を3種。奥のしっとりとした焼き菓子は、安納芋の甘み優しい焼き菓子、手前左の柚子のクリームをサンドしたマカロン、そして右下のカヌレ・ド・ボルドー。フランスのボルドー女子修道院で古くから作られていた伝統菓子で蜜蝋を入れることと、カヌレ型と呼ばれる小さな型で焼くことが特徴。外側は黒めの焼き色が付き香ばしく、内側はしっとりと柔らかい食感を持っています。最初のアミューズに始まり、コースを締めくくるお茶菓子まで、どれをとってもパーフェクトな味わいと美しさです!個性的な印象派ではないにしても、これだけ丁寧にそして安定した味わいを提供できるシェフはそう居ないでしょう。何より、ボリューム感が程好く、少食のわたし達夫婦には丁度良いです。そしてこちらは、シェフの素晴らしい料理もさることながら、ホールのスタッフの方々のサーブの心地良さがあります。おそらく、シェフもスタッフの方々もそうお年ではないように思いますが、お店に対する愛情が姿勢にそのまま溢れており、最後の最後の玄関外までのお見送りまで徹底されています。名古屋でまた1つお気に入りのレストランが増えました。早速3月のディナー予約も取りたいと思います。素晴らしい料理とサービスをありがとうございました♪

LA VAGABONDE ラ・ヴァガボンド
愛知県名古屋市中区千代田2丁目14-24 キャノンピア鶴舞 1F
TEL:052-253-7343
ランチ【土・日のみ】11:30~13:30(L.o)※前日までの要予約
ディナー【火~日曜日】18:00~21:00(L.o)
※お子様のご同伴はLunch、Dinnerどちらも中学生以上です
定休日:月曜日、月1回連休(不定休)
http://www.vagabonde.jp/

愛知県名古屋市中区千代田2丁目14-24

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

先頭に戻る